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INTERVIEW

Quubi

2025.05.30UPDATE

2025年06月号掲載

Quubi

Member:藤宮 紬 村上 華花 川原 みなみ

Interviewer:山口 哲生

大阪を拠点に活動中のミクスチャー・ロック・グループ、Quubiが、3rdシングル『Fading』をリリースした。タイトル曲は、前シングル『Rising』表題曲の続編となっており、アグレッシヴなサウンドに刻まれた不屈の精神を声高に歌い上げている。また、カップリングの「Born Finite, Live Infinite」は、作詞をメンバーの村上華花が担当する等、強力な一枚に仕上がった。6月7日に開催する主催イベント"Quubi presents KiTSUNE Party 2025 at GORILLA HALL OSAKA"を前に届けられる本シングルと、現在の心境について、じっくりと語ってもらった。

-昨年末に現体制での初アルバム『Meme』をリリースして、1月に神戸、2月には東京でバンド・セットでのワンマン("Rising Game Tour EXTRA")を開催。そこからも積極的にライヴ活動をしているなか、3rdシングル『Fading』をリリースされました。今日はまず、アルバム・リリースからの約半年間を振り返りつつ、現在のQuubiはどんな感じなのかをお聞きできればと思っています。

川原:6月7日に主催対バンを行うんですけど、今はその準備をしている段階ですね。今回の「Fading」は、去年出したアルバム『Meme』にも収録されている「Rising」の続編になっているんですが、去年3人体制になって1年間活動してきて、その1年間を踏まえて書いてもらっているので、「Fading」が今の私たちの姿なのかなって思っています。

-これを聴いてもらえれば、今の自分たちが分かるという。

川原:あと、最近はバンドとの対バンも増えてきて、自分たちが進む方向が結構はっきりしてきたのかなって思っていて。今はそういった部分を表に出して、お客さんに示している時期なのかなって私は考えてます。

-そういった活動をしていくなかで、川原さんご自身の中にはどんな感覚がありますか?

川原:Quubiになってから考えることがすごく増えたんですよね。自分たちがどんなふうに進んでいきたいかもそうだし、どんなライヴを作りたいのか、お客さんにどう感じてほしいか。それを考えることも、活動していくのもすごく楽しいんですけど、やっぱりその分、自分の思い通りにいかない部分や、自分の力量不足を感じることもすごくあって。悔しいなって思うことも多いですね。

-今年に入ってから悔しいなって思った瞬間というと?

川原:自分たちの集客力ですかね。やっぱりお客さんの数ってライヴをしていて目に見えてすごく分かるので、そこで悩むこともあるのと、いろんなバンドやアイドルと対バンしていくなかで、かっこいいなって思う音楽と出会うからこそ、自分たちの音楽をいいと思ってもらえる人をどれだけ増やせるのかなとか。それで今の自分たちの現状に対して、悔しいなって思うことはすごくあります。

-逆に、嬉しかったことや達成感のあったことというと?

川原:私はお客さんに笑顔になってもらえたときがやっぱり一番嬉しいなって思うし、"ライヴ楽しかった"とか、"今日からまた頑張れる"とか言ってもらえるのは、自分たちの励みになるなって思いますね。

-そうなると、やはりライヴという場所が一番活き活きとしているし、楽しさや嬉しさを感じることが多いと。

川原:多いですね。ライヴを大切にしてるからこそ、そこで感じることは大事にしたいし、それがQuubiの活動の肝になっていると思います。

-では、村上さんはアルバム『Meme』リリース以降から今日までを振り返ってみるといかがでしょうか。

村上:みなみが話してくれたことはもちろんそうなんですけど、最近は関西のグループ──自分たちの仲間や先輩で、身近なところが解散していて。もちろん、それで自分たちがどうこうって話ではないんですけど、大阪を拠点としているグループとしての覚悟というか。やっぱり大阪を盛り上げたいし、先輩がいなくなったからといってその代わりには絶対なれないんですけど、Quubiに大阪を任せてもいいと思えてもらえるようにならないとなって、責任感みたいなものというか。

-芽生えてきているものがあると。

村上:今4年目になるんですが、もう新人ではないけどまだベテランではないぐらいの、中堅っていうんですかね。グループとしてはそういう時期に入ってきたんですけど、去年までは自分たちは背中を見せる側の立場ではないと思っていて。でも、先輩の解散とかそういうことを見てきて、引っ張っていけるような存在になりたいなって、この半年間で強く考えるようになってきましたね。6月7日の主催イベントでも、そういうかっこいい姿を見せたいなって思ってます。

-先輩とか仲間の解散はシンプルにショックですよね。

村上:そうですね。好きなアーティストの新曲が聴けなくなってしまう、このパフォーマンスを観ることができなくなってしまう悲しさって、私等は舞台に立っている側やからあれですけど、ファンの人たちは余計にそのことを感じてると思うんですよ。それに、Quubiもいつかなくなるんじゃないかって。私たちも人間だから、40歳、50歳になっても続けられるかと言われたら、そうじゃないと思うんですよ。

-まぁまぁ。

村上:まぁ、やろうと思えばできますけど(笑)、現実的に考えたときにやっぱり一生は続けられない。ファンの人たちに、いつか終わりが来るんだろうなっていうことも分かった上で応援してほしいとは言えないけど、その限られた時間の中で私たちが残せるものとか、ファンの人に与えられる笑顔とかがあるだろうし。みんなのことをもっと元気にしたいし、みんなの人生にお邪魔させてもらっている私たちの音楽が、ちょっとでも人生を彩れたらいいなって。そういう気持ちが強くなりましたね。

-まさに今回のシングルで村上さんが作詞されている「Born Finite, Live Infinite」の歌詞通りという感じですね。

村上:はははは(笑)。ありがとうございます。そうですね。

-そちらは後程お聞きするとして、村上さんとしても、川原さんがおっしゃっていた"自分たちの進みたい方向性"が見えてきた感覚はありますか?

村上:そうですね。もともとQuubiの音楽はロックで、自分の好きな音楽もロックなので、そこは合致しています。自分のやりたい音楽だからやっているし、それを伝えていきたいと思ってるし。本当にやりたいことをやらせてもらえてるなって感じます。メンバーの意見を聞いてくれるプロデューサー(森 隼人)なのもあって、向いている方向は一緒やなって思えるのは嬉しいし、それこそ歌詞も書かせてもらえたり、やりたいことをやれているから、ありのままの姿で舞台に立てていると思うし。そういう人間味の部分を今年に入ってからはより出せているんじゃないかなって感じます。

-では、藤宮さんはいかがでしょうか。アルバム・リリース以降の約半年間を振り返ってみると。

藤宮:私も同じように、方向性が決まってきたなというのは感じていて。最近、主催対バンのタイムテーブルが出たんですが、一部固まってるけど、バンドとアイドルをなるべくごちゃ交ぜにしていて。それは、いい方たちをお呼びしているからこそ、全部観てほしいと思ってそういうタイムテーブルにしたんです。

-なるほど。

藤宮:3人体制になって1年以上経って、いろいろなアイドルさんやバンドさんのいい部分をこれまで見てきて、自分たちはアイドルとしてじゃなくバンドとしてでもなく、Quubiとして進んでいきたいなと。今度の"KiTSUNE Party(Quubi presents KiTSUNE Party 2025 at GORILLA HALL OSAKA)"は、その方向性でいきたいという第1弾のような主催になっているんですけど、逆にお客さんから今の私たちはどんな見え方をしてるんだろうって、ステージからフロアを見ているときに改めて思うこともあって。 今はアイドルだけとかバンドばかりのところとかごちゃ交ぜのところとか、いろんな対バン(イベント)に出させていただいているんですけど、いろんな対バンに出るということは、それだけいろんなお客さんに会うことになるので、Quubiを知らない人から今どう見えているんだろうなって、改めて考えるようになりました。

-自分たちはどんなグループに見えていると思います?

藤宮:アイドルすぎてもいないし、ガチガチなバンドでもないっていう感じですかねぇ。

-そういう自分たちのスタイルを確立していきたいと。

村上:そこが難しいよね。

藤宮:うん。