INTERVIEW
Quubi
2025.05.30UPDATE
2025年06月号掲載
Member:藤宮 紬 村上 華花 川原 みなみ
Interviewer:山口 哲生
「Fading」の歌詞は、自分たちの今までのことを
拾い上げて、繋いでくれた
-いわゆる唯一無二みたいなものですからね。パフォーマンスをするにあたって、ラップをどう見せるかとか、そういったこともいろいろ考えますか?
藤宮:そうですね。そもそも私はラップを聴いたことがなくて。あんまり他の人の曲を聴きすぎるとそっちに寄っちゃうこともあるんですけど。聴いたらすぐにこの人だって分かるようなものにしたいなと思っていて。あと、ライヴごとにお客さんのノリやセトリによってアレンジを加えてみたりして、確立ではないけれど、遊んでみようかなって考えます。
-その日のお客さんの様子を見て、その場でこういうふうにしようと思って、それがすぐに出るみたいな感じなんですか?
藤宮:はい。
-それできるのめちゃくちゃかっこいいですね。
藤宮:いやぁ(笑)。家では考えたりするんですけど、逆にライヴ中はあんまり考えないようにしてます。
村上:さっきの紬の話で思ったんですけど、6月7日の"KiTSUNE Party"はバンドとアイドルがごちゃ交ぜのタイムテーブルというところで......私自身、Quubiを始める前はバンドをやっていて、アイドルはAKB(48)とか少女時代ぐらいのレベルしか知らない状態だったんですけど、やっぱり自分が知ろうとしないと生涯出会わない音楽ってあるなと思って。それこそ、もともと私はアイドルにそこまで興味がなかったから、自分から出会いに行こうとも思わなかったし、それこそバンドが一番かっこいいやんと思って音楽を聴いてたんです。自分がアイドルになるつもりがなかったからこそ、Quubiをやっていくなかで、対バン相手のアイドルさんでもかっこいいなって思う音楽をやっている人たちと出会って、ジャンルにとらわれすぎちゃうのってもったいないなって感じたんですよね。
もちろん"もっと出会いに行けよ"とか"自分が好きになれよ"とかって、私が強制することではないんですけど、そこの架け橋になれたらいいなとは思うんです。アイドルでもバンドでも、いい音楽はいいということを伝えられる存在になれたらいいなって考えてます。
-川原さんとしても、自分たちが架け橋になりたいと思ったりします?
川原:そうですね。私は小さい頃にダンス&ヴォーカルのアーティストに憧れて、音楽の世界に入りたいと思って、そういうことを学べる高校に入ったんです。それで、卒業で進路を決めるとなったときに、私はずっとダンス&ヴォーカルのアーティスト、言ったらアイドルじゃないものになりたいと思ってずっと学んできたけど、アイドルと他のアーティストとの違いって何? と思って。私は、自分が届けるもので誰かが笑顔になってくれたらいいなというのが根本にあるんですけど、それってどのジャンルでも同じなんじゃないの? と。届けたいものがあって、それを音楽というもので届けるからアーティストなわけであって、そこにアイドルとか関係ないんじゃないの? って思ったんですね。そこから自分はアイドルになったんです。
だから、"アイドル"というジャンルだから聴かないって人もたくさんいると思うんですけど、その固定観念を取り除いていけるような存在になりたいなって考えてます。
-いろいろと考えられたんですね。"アイドルとは何か"という。
川原:いろいろ考えましたね。
村上:やっぱりそこはめっちゃ考えますよね。
-どんなことを考えたりします?
村上:例えばKAWAII LAB.さんのチームって、世間で言われる王道アイドルだと思うんですよ。そういった王道アイドルが最近の流行りというのはすごく分かった上で、でも、私たちみたいなロック・シーンで戦ってるアイドルももちろんいて。ただ、傍から見たときに、認知度で言ったら絶対に王道アイドルのほうが高いと思うんです。でも、私たち自身も負けないぐらいいいライヴをしている自信があって、何がそんなにも違うのかなって。もちろんやってる音楽が違うし(笑)、流行りがあるのも分かってはいるけど、それでもやっぱり悔しいんです。私たちのフロアってなんでもありというか、みんな自由に遊び回っているんですけど、アイドル・ファンの人ってそういうフロアにあんまり馴染みがないから、来るのがちょっと怖いのかなとか。そう考えると......難しい! って(笑)。
-たしかに。
村上:それを好きって言ってくれているお客さんがいるから、私たちは私たちなりに続けて来れているんだけど......じゃあきゅるきゅる系になるってこと? フリフリ着る? とか(笑)。
川原:方向性の違いが......(笑)。
-まぁそこは冗談として(笑)。
村上:でも、やっぱり見やすいんだろうなって思ったりはするんですよね。うちらはメンバーカラーってないんですけど、メンバーカラーがあって、その色を着て応援しに行くとかって、やっぱり心が踊るだろうし。だから尊敬してはいるんですけど、自分たちはもっとロック・シーンを盛り上げたいなっていう気持ちですね。全然怖くないし、一回足を踏み入れたら絶対に楽しいよっていうのはこれからも伝えていきたくて。
-なるほど。
村上:それこそ、メンバーカラーを作ってみるのもいいんじゃないかって考えることもあるんですよ。やっぱりどっちにも寄っていないからこそ難しい部分っていうのはあるので。
-ただ、どっちにも寄ってないからこそ生まれるものがあるし、貫いたときにものすごく強いものになるというのもあって。
村上:それを確立させることがQuubiの今の課題だと思いますね。デビューしたてのときに来てくれたお客さんからすると、当時と今とでギャップはあると思うし......そうですね、まだ自分の中で答えは出せてないです(笑)。
-恐らく活動を続けていく限りずっと考え続けていきそうなテーマでしょうし。
村上:そうですね。やっぱり今は自分がやりたい音楽を続けるしかないよなっていう感じです。
-藤宮さんもアイドルってなんだろうと考えたりしますか?
藤宮:デビュー前もデビューしてからもなんですけど、偶像というか、きれいなものだけを見せるのがアイドルだと思っちゃって。そこからいろんなバンドやアイドルを見てきたんですけど......自分を推してくれているお客さんに、私の前にどこを主現場にしていたか聞いたら、坂道だったり48だったり、本当にかわいいところに行ってた方が何人かいらっしゃって、なんでQuubiにハマったんだろうと思うことがよくあるんですが、あんまり聞けないんです、なんとなく(笑)。
-たしかに(笑)。
藤宮:前に聞いたこともあるんですけど、"紬ちゃんが好きだからだよ"みたいな。そこから深く入り込めなくて(苦笑)。推し活としてなのか、ペンライトを振るみたいな気持ちなのか、ライヴ込みのものなのかとか、いろいろ考えるんですけど、通い続けてくれているんですよね。だからなんで好きになってくれたんだろうな、どうすればもっと伸びるんだろうって考えたときに、今は大きい場所でライヴをして成功していらっしゃる方も、やっぱり何かのきっかけがあっただろうし、実力もありきだとは思うんですけど、何かが引っ掛かったから皆さん好きになったはずなんです。その何かはなかなか言葉にできないんですけど、いろいろ考えていると、アイドルっていっぱいいるなぁと(笑)。
村上:それはそうだよ(笑)。バンドだっていっぱいいるよ。
藤宮:ね(笑)。バンドもいっぱいいて。そういうことは考えたりしますね。