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INTERVIEW

PaleNeØ

2025.03.25UPDATE

2025年04月号掲載

PaleNeØ

Member:ほほ美(Vo) AYARI(Gt) REOTO(Gt/Vo) YONA(Ba)

Interviewer:フジジュン

-"波が凪いで"や"雪解けに 華が咲く"といった表現は、ジャケットの写真からのインスピレーションもあったんですね。「余命一日。」は、REOTOさんが1年で50曲を作ったストックの中から、今作に合った曲を選んだんですか?

REOTO:「余命一日。」は去年の秋くらいに書いた曲だったと思います。僕、結構メロディラインから作ることが多いんですけど、この曲は珍しくイントロから作った曲で。"曲を作るぞ!"って気合入れて書いたというよりは、日常の中であのイントロがポッと降って来て、"これいいな。ちょっと行けそうだから、このまま行っちゃおう!"って勢いで作った曲でした。

-「Raison d'etre」のカップリングを考えたとき、この曲の存在が頭に浮かんだ?

REOTO:それがこの曲をカップリングにするって話が出たのが、わりとリリース直前で。意図したわけでなく、"Raison d'etre=存在意義、存在理由"みたいなテーマとリンクしたというか。偶然なんですけど、「Raison d'etre」も「余命一日。」も、生と死について考えさせられるようなテーマをちょっと違う角度から書いた曲になっていて。「Raison d'etre」は生きることに関して、徐々に希望の光を見いだして前を向いて歩くようなイメージなんですが、「余命一日。」は今日という日を自分の恋人に例えて、一度終わってしまったら二度と会うことができないって設定なんですよ。"その24時間という限られた時間をいかに愛せるか?"がテーマになってて、"何もできなかったな"って気持ちを引きずって、"今日こそは"と昨日に未練を残しながら生きていく、ちょっと後ろ向きな観点での死生観なんです。

-「余命一日。」はそんな刹那的な歌詞がアグレッシヴな曲調とばっちりハマってますし、「Raison d'etre」は自身との自問自答を壮大な世界観で描けています。

REOTO:「Raison d'etre」は壮大でエモーショナルなメロディだったり、アレンジだったりが映える歌詞にしたくて、ちょっと感動的な要素も入れたいなというのがあったんです。僕のある友人のことを思いながら書いてまして、いろんな解釈があると思うんですけど、サビで出てくる"境界線"っていう言葉は、人生の節目だと思っていた年齢を向かえる誕生日を意味していて。誕生日を迎えたとき、"今後の人生をどう過ごしていこうか?"とかいろいろ考える機会があって、その心境を綴った歌詞になります。

-REOTOさんはそういった日々の心境や感情を、普段から歌詞の種として言葉にして残していたりするんですか?

REOTO:そうですね。ちょっとしたことでも"これは歌詞にしたいな"とか思ったことを残して、人が考えなそうなところをいかに深く芸術的に表現するか? っていうのを意識して歌詞を書いているので。普段思ったことをすぐにメモして、そこから引っ張ってきて曲の雰囲気に合わせて歌詞にするということはやってます。

-ほほ美さんは、そんな「Raison d'etre」を歌っての感想はいかがですか?

ほほ美:普段PaleNeØでしてこなかった歌い方をやっとできたっていうのが個人的な感想で。"PaleNeØのほほ美さんはスクリームもクリーンも両方やりますよ。「ツーステップ☆スクリーミング」みたいにちょっとキテレツな声も出せますよ"って感じなんですが、作曲のasanukoさんと作詞のREOTOの良さが詰まりすぎた曲で、新しい歌い方が出せたんです。私、この曲がめちゃくちゃ好きで、最近もMV撮影をしたときに"マジでええ曲や!"って感極まりすぎて涙が出そうになったくらいで。歌詞の世界に入り込んで感情移入しやすい歌詞だし、メロディも素晴らしいし、すごくいい曲になったと思います。

-では、「余命一日。」はどんな曲になりましたか?

ほほ美:これもまた新しくて、ここまでV系チックに仕上がった曲ってなかったなと思って。V系が好きな方には刺さるんじゃないか? って、ファンの間で憶測が飛び交ってるんです。Aメロが終わった後、V系の人がよく使う"サイッ!"ってシャウトが入ってるんですけど、それは"やってほしい"ってレコーディングのときにREOTOに言われて。なかなかできなくて30分くらい格闘したんですけど、いい感じに仕上がって、すごくこだわったところなのでそこを聴いてほしいのと、私がスクリームをして、REOTOがメインでクリーンを歌うっていう曲が今までなかったので、これも新しいアプローチとして、ツイン・ヴォーカルの良さが出てると思いますし。サビもカッコいいし、ギターのリフもカッコいいし、サウンドもしっかり聴いてほしい一曲ですね。

-AYARIさん、YONAさんは「余命一日。」の聴きどころ、いかがでしょうか?

AYARI:ギターの聴きどころとしては、リフかなと思うんですけど、細かいところもいろいろこだわってるので、弾いてて楽しい曲になりましたし、音源とライヴで弾くフレーズでまたちょっと変わってきたりもするので、ライヴで演奏するのも楽しみですし、V系チックでノりやすい曲なので、お客さんの反応がどういうものになるのかなってところも結構楽しみで。PaleNeØってリズムが難しかったり、ちょっと変拍子が入ってたりする曲も多いので、ノリが分かりやすいこの曲をライヴでやるのが楽しみです。

YONA:REOTO曲って、基本的にベースラインがエグいんですよ(笑)。でも逆に単調じゃない、賑やかなベースラインが本当に楽しくて、「余命一日。」も弾いててすごく楽しい曲なので、ライヴとか音源でベースラインもよ~く聴いてほしいです。音源だとBメロのベースラインがよく聴こえてくると思うんですけど、私もすごく楽しい箇所で。動きつつメロディがしっかりしたベースラインなので、しっかり聴いてほしいです。あと、この曲は決めが多いので、ライヴで頑張って合わせていったらカッコいいと思うから、音源もしっかり聴きつつ、ライヴで披露する日を楽しみに待っててほしいですね。

-「ツーステップ☆スクリーミング」は逆にライヴで育った曲をさらにブラッシュアップして、再音源化という形になるんですよね?

ほほ美:この曲はいつからあるんだ(笑)? めっちゃ前からある曲なんですけど。以前、PaleNeØ の通販サイトで販売した"PaleNeØ福袋2024"というのがありまして、そこに私たちメンバーが"THE FIRST TAKE"みたいに録ったCDが封入されてるんですが、アルバムが出て、新規のお客さんが増えたのもあって、改めて音源化しておきたい気持ちもあって収録しました。

-ライヴでお馴染みの曲だけど、一部の人しか音源で聴くことができなかったんですね。

ほほ美:はい。そこで"福袋購入者だけのプレミアムじゃないんだ"と思わせないように、今回はかなりレベルアップしたバージョンにしまして。私の歌い方もですけど、裏でもガチャガチャといろんな声が入ってて、それが"私、こんな声も出せるんだよ"ってアピール・タイムにもなってるんです(笑)。アイドルのミックスを入れたり、マリオのキノピオみたいな声を入れたりして、レコーディングはサクサク行ったんですけど、こだわりはたくさん入れたので、音源ではぜひ細かいところまで聴いていただきたいですし、ライヴでは"ずっとツーステップをしてください!"って曲なんで、おうちでツーステップを練習していただきたいと思います。

-そして、その成果をライヴで発揮してもらえればと。この曲の歌詞はほほ美さんですが、本当にいい意味でバカだなぁと思いました(笑)。

ほほ美:あはは(笑)。"REOTOは素晴らしい歌詞が書ける。でも私はそういうのは得意じゃない"と考えたとき、"こういう曲専門でいいんじゃないの?"と思ったし、すんごいちょうどいい曲でした。

-「ツーステップ☆スクリーミング」の演奏、サウンド面はいかがでしょうか?

AYARI:やっぱり今までライヴでやってた演奏よりパワーアップしたものを届けたいという気持ちがあったので、同期音源も変わってるしギターもちょっと変わってて、ライヴで聴くのと音源バージョンとして聴くのでまた違うと思います。ライヴだと一生ツーステップして高ぶってる曲なんで、しっかり作り込まれてるなってところや、はじけた歌詞もじっくり聴いてもらって、"座ってじっくり聴くのも楽しい曲なんだな"と思いながら聴いていただけると嬉しいです。

-そして、『Raison d'etre』もリリースされながら、ツアーは続いていきます。最後に5月の東京まで続くツアーの意気込みを聞かせてください。

ほほ美:名古屋、大阪、横浜、柏、そしてYONAの地元の宇都宮、東京ファイナルと6ヶ所あるんですが、初めて行く場所でどれだけお客さんが呼べるか? これまでライヴをやっている場所でどれだけ成長したところを見せられるか? が課題だと思ってますし、現実的な話をするとあと5ヶ所を回って、ファイナルにどれだけ人が呼べるか? っていうのが重要なので。私たちメンバーも運営陣もツアーを通じてレベルアップして、その集大成を東京ファイナルで見せられたらと思います。

-ちなみに、「Raison d'etre」や「余命一日。」をツアーで初披露する可能性はあるのでしょうか?

ほほ美:それはいつやると発表はしないので、"ツアーに全部来てください!"ということで(笑)。『Raison d'etre』のリリース発表もツアー直前で、ツアーに来たいと思う楽しみや期待を持ってもらいたいと思ってたんで、新曲もいつ初披露するのか楽しみにしていただければ。飽きさせないバンドでいたいですね。