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INTERVIEW

マチルダ

2025.01.20UPDATE

2025年01月号掲載

マチルダ

Member:喰(Vo) 一檎 ジャム(Gt) ヰ瞑 うに(Gt) 時雨 環(Ba) 米田 米(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

急転直下。読者には、この記事の取材からわずか数日後に"2026年3月に迎えます8周年にてマチルダは解散いたします。解散に先駆け、2025年1月30日池袋BlackHoleワンマン公演にて「ヰ瞑うに」が脱退いたします。いつも応援してくださる皆様には突然のお知らせとなってしまいますが、残り1年3ヶ月も変わらぬ感謝を持って、最後まで駆け抜けます"との発表があったことを含みおき願いたい。"何が起こるかなんて分かんない"とは、もしや予言だったのか......?

-2025年のマチルダは7周年を迎えるとのことで、3月1日からは同月31日の恵比寿 LIQUIDROOM公演まで続く"マチルダ7周年ワンマンツアー 『毒味7-dokumi seven-』"を開催するそうですね。また、それに向けた動きとして元旦と2月22日にデジタル・シングルを発表されるのだとか(※取材は12月中旬)。まずは、タイムリーなところで1月1日に出るデジタル・シングル「タイムパラドクス」と、2月22日=猫の日に出る「猫型ロボット」についてのお話から伺いたいと思います。これまでも作品ごとに明解なコンセプトを提示してきているマチルダとしては、今作に関するテーマをどのように決められたのでしょう。

喰:いきなり歌詞の話にはなっちゃうんですけど、「タイムパラドクス」は夢が1つのテーマになってる曲ですね。人間っていろんな想像をして、願望を持つじゃないですか。あんなことができたらいいのにとか、こんなことも叶えてみたいとか。そこは「猫型ロボット」のほうとも共通してる部分で、まさに"あのキャラ"みたいな存在、SFの中に出てくる便利な道具や、現代の技術では作れないシステムって、結局は全て人間の脳内で想像力から創造されてるわけですよね。

-名だたる漫画家、アニメや映画の監督、小説家の方々をはじめとして、そうした偉業を果たされてきた方々に対しては尊敬の念しかありません。

喰:だけど、例えば空を自由に飛びたいっていうような夢だって、まだマンガやアニメのようにはいかないまでも、現実に人が乗って飛べるドローンはすでに試作されてるわけじゃないですか。つまり、やりようによっては夢に近いことを実現できる可能性はあるんですよ。だから、僕が今回「タイムパラドクス」の詞でみんなに伝えたかったのは、時間がかかったとしてもきっと夢は叶えることができるし、そのために何を手に入れればいいのか? っていうことなんです。

-すなわち、喰さん自身やマチルダとしても、今まさに"叶えたい夢"があるということになりそうですね。

喰:もちろん。僕はこの詞の中でバンドのことも書いてるし、自分の未来についても書いてるけど、それだけじゃなくて受け手側にとっても、これがどこかに当てはまったらいいなと思ってるんです。みんなにだって、それぞれ自分の生活の中に夢っていうものがあるでしょうしね。そこは自由に解釈してもらえれば。

-なお、「タイムパラドクス」は、作曲を環さんの師匠であるRyujii(TeaR/Ba/Vo)さんが手掛けられているそうですが、バンド側から何か曲についてのオーダーを出したところはあったのでしょうか。

喰:「タイムパラドクス」では、タイムマシンのイメージを打ち出したかったんで、曲を作ってもらう上でもそこは最初に伝えてましたね。

時雨:ただ、できあがってきたら構成がめちゃくちゃややこしくて驚きました(苦笑)。弾いてると頭ん中がグルグルしてきて"あれ? 今どこ弾いてんだろ!?"って分かんなくなるくらい複雑なんですよ。

喰:俺も最初、これはどこがサビなのか分からんかったっすねぇ。"タイムパラドクス"というか"だいぶパラドクス"状態でしたもん(笑)。

-リズム・パートからして、オリエンタルなニュアンスも漂いつつなんとも言えない不思議な雰囲気だなと感じます。

米田:1曲の中に緩急がすごくあるんですよ。突然テンポも変わったりするし、自分も叩いていくのはちょっと大変でした。でも、その分やってて面白かったですね。

-ジャムさんは「タイムパラドクス」とどのように向き合われたのですか。

一檎:この曲ではRとセンターで鳴ってるバックと、メインのリードを両方僕が弾いてます。ただ、ライヴでどっちを弾くかはまだ決めてないんですよね。コードは同期で流して、単音リードでずっと弾くのも面白そうかなとは思ってます。

-ということは、Lのほうで弾かれているのがうにさんですね。

ヰ瞑:ギター......難しい。

喰:それは基本いつもじゃん(笑)。特にどこが難しかったの?

ヰ瞑:この曲っていつものチューニングだと出ない音が入ってるから、そこで"どうしよう?"ってなっちゃって。いつもはC#だけどこれはBなんで。

一檎:これまでにもBの曲はあったけど、そういうときはオクターブ上の音にして弾いてたんですよ。ベースは無理くりチューニング変えてもらって。

時雨:そういうとき、ライヴでは3秒でチューニング変えてます(笑)。

一檎:この曲はさすがにライヴだとドロップ使うしかないかなぁ?

ヰ瞑:どうなんだろ? 今んとこそこが悩みですね。

-ところで、「タイムパラドクス」はタイムマシンをモチーフにした内容でもあるとのことですが、もしタイムマシンを使えるなら皆さんが行ってみたいのは未来ですか? それとも過去ですか?

喰:過去に行きたいとか、時間を巻き戻したいっていう感覚は俺の場合ないです。今って一瞬で終わって過去になるけど、それは全て未来に繋がるものだと思うんで。

-"あぁ、あのときに戻れたら......"と思うようなことはないのですね?

喰:それって無駄な時間を過ごしてる感じになっちゃう気がします。そもそも、動き続けてたら後悔ってしないと思うんですよ。もし、何かあっても俺は"じゃあ、今からどうしようか"って考えるタイプですね。悔やんでも意味がないですよ。まぁ、後悔じゃなくて失敗を教訓にして次に繋げればいいのかなと。

-実に建設的な思考ですね。では、うにさんはどちら派?

ヰ瞑:僕は時間を戻したい派です。人生やり直したい。

米田:え? 人生まるごと? やり直したらどうなるんだろ?

ヰ瞑:たぶんやり直してもこうなっちゃうけど、もうちょっと真面目に学校行って、名前だけ書いたら受かるような男子高じゃなく、共学の高校に行きたかった。

時雨:へぇー。でも、うには自分でも言ってるけど結局おんなじとこ来そう(笑)。

ヰ瞑:幼稚園児のときから"働きたくない"って言ってたから、そこは変わんないかなぁ(笑)。

時雨:筋金入りだな!