INTERVIEW
Morfonica
2024.10.09UPDATE
2024年10月号掲載
Member:進藤 あまね(倉田 ましろ/Vo) 西尾 夕香(広町 七深/Ba)
Interviewer:宮﨑 大樹
©BDP
-歌詞としても、ミニ・アルバムの葛藤から踏み出していく、羽ばたいていくのがテーマだと思うので、そこでもこれまでとの変化を感じたんじゃないですか?
進藤:そうですね。"悲劇で(Da da la ta) 終わらせない(Da da la ta)"とかはすごい歌詞だなと思いました。ましろちゃんは登場したときからすごくネガティヴな子だったんですけど、彼女の心情の変化を感じましたし、私自身も"今までのMorfonicaで起きたことを悲劇で終わらせちゃいかんぞ"という気持ちになりましたね。あと、「Tempest」では今までのことを思い出しながら歌詞を読み込んだんですけど、1stシングル(2020年リリースの『Daylight -デイライト- 』)の「Daylight -デイライト- 」と重なる部分が多いなと思ったんです。「Tempest」の最後に"今 夜明けの向こうまで 駆け出すんだ"という歌詞があるんですけど、「Daylight -デイライト- 」では"夜明けが(来るのを)ひたすら待つよ"と歌っていて。夜明けを待っていた「Daylight -デイライト- 」から、夜明けの向こうまで駆け出す「Tempest」になったので、「Daylight -デイライト- 」を越えなきゃいけない、あのときとは違うんだと感じていました。
-まさに今のMorfonicaを象徴する曲なんですね。この曲はミュージック・ビデオも公開されていますけど、視聴した感想はどうでしたか?
進藤:草原やネモフィラが背景に出てくるところからも「Daylight -デイライト- 」を感じるというか、それも含めてすごくエモを感じました。
-歌詞としても映像としてもやはり「Daylight -デイライト- 」とリンクしている。
進藤:そうですね。「Daylight -デイライト- 」のアンサー・ソングみたいになっているなと。
西尾:全員の表情がキリッとしているのは今までにあまりなかったのかなと思うので、その部分はだいぶ印象が違うと思います。3Dも交えて気合が入っているのを感じた、いろんなことを考えて作ってくださったのが伝わります。
-これまでのどの曲にも気合を入れていたのはもちろん分かっているんですが、たしかに「Tempest」からは気合を感じますよね。
西尾:本当に。プロデューサーさんが新しくなったんですけど、明らかな熱量を感じるというか。
進藤:河口湖ステラシアターでやるライヴ("Morfonica Concept LIVE「ff」")の重要な楽曲でもありますし、それと同時に新たにプロデューサーさんが入ったわけで――
-そりゃ気合も入りますよと。
進藤:そうなんです。
西尾:"forte(Morfonica Concept LIVE「forte」)"で見せた暗い部分を経ての今回のライヴで、そのメイン曲ですからね。
-そして両A面のもう1曲が「Wreath of Brave」です。これは学校内で署名を募って音楽祭を開催するという、"ガルパ(バンドリ! ガールズバンドパーティ!)"のストーリーにリンクした曲ですよね。やはりストーリーありきの曲だと最初から思い入れがありますか?
進藤:そうですね。ゲームのシナリオを先に録っている状態でのレコーディングのときは、ましろちゃんたちの想いとかセリフを思い出しながらレコーディングをするので、より想いを込めて歌えます。この曲はみんなで歌うところが多いんですけど、ましろちゃんはみんなといるからこそ勇気を出せるというところが歌詞にも表れていますね。先陣を切って署名を募れるような子ではもともとなかったのに、いざというときに立ち上がれるんだなと強さを感じました。そういうところも含めてヴォーカルの素質がある子なんだなと思いましたね。
-音楽面としては温かさが第一印象としてあったんですけど、お2人はいかがですか?
西尾:ハッピーエンドだなと思いました。抱えていた問題がようやく決着したストーリーに沿った曲になりましたね。
進藤:"月ノ森音楽祭"の曲なので、オーケストラ感もあって、そこがすごく素敵だなと思いました。クラップの部分は、初めて実際に私たちがやった音が入っていて。めちゃくちゃ楽しかった。
西尾:叩きましたね~。メトロノームになるぞという気持ちで(笑)。
進藤:あと、この曲は歌詞が「金色へのプレリュード」の続きって感じがしますね。Morfonicaの第1章の最後のストーリー曲が「金色へのプレリュード」なんです。1stシングルには「Daylight -デイライト- 」と「金色へのプレリュード」が収録されていて、それにリンクする感じで、「Tempest」と「Wreath of Brave」が一緒に入っていることにめちゃくちゃエモを感じました。アンサー・ソング同士みたいな感じがする。
-1stシングルと聴き比べてもいいかもしれないですね。
西尾:1stシングルを録ったときは中学生?
進藤:中学生。
西尾:それが今は20歳。キャラの年齢を通り越して今に至ると。
進藤:つい最近まで"同い年だぁ"とか言っていたのに、いつの間にか通り越していました(笑)。
-となると声の変化は自身でも感じますか?
進藤:めちゃくちゃ感じます。音域もすごく変化したので、当時はきつかったけど今では歌えるようになっている曲もいっぱいあるんです。なので昔のセトリそのままで、リヴァイヴァルでライヴをやってみたい気持ちもありますね。聴き比べていただいたら、この数年で得たものをすごく分かってもらえるんじゃないかなと思います。
-ちなみにBlu-ray付生産限定盤にはBlu-rayで"forte"のライヴ映像が収録されますけれども、このライヴの見どころはどこですか?
進藤:舞台のようだったよね?
西尾:そうなんです。ガチガチに世界観を固めて作ったライヴでした。これまでのモニカは最初の4曲のパートだけで見せて、その後から暗いほうに話を広げた感じでした。
進藤:だから曲のコンセプトに合わせて笑わないようにしていたり、逆に最初の4曲はこれでもかっていうくらいみんなニコニコしていたり。あと、これは裏話なんですけど、私がドアに手を掛けているところがあるんですけど、そのときに実はドアを壊してしまったんです......(笑)。他にも、最後に膝から崩れ落ちるところがあって、本番ではアドレナリンが出ていて全然痛くなかったんですけど、次の日に膝を見たら痣ができていたんです(笑)。このライヴは身体を張っているので、ぜひそこに注目してほしいです。
西尾:このライヴは新曲を6曲もやったので、そこも見どころですね。その6曲の内5曲は、各メンバーの心の闇にフォーカスしているので、演出もそのキャラに寄せて作ってくださっているんです。歌詞を意識した流れが形になっているので、そこを知りつつ見てくださるとまた違うのかなと思います。
進藤:この日のセトリとかセリフを覚えて河口湖のライヴに来てほしいです。
西尾:難易度高いね(笑)。
進藤:後半だけでもいいので、覚えといてほしいし、観ておいてほしいんですよ。で、河口湖に来てほしい!
西尾:"forte"の続きというコンセプトのライヴなので、観た上で来ていただけるとより楽しめると思います。あと、「Daylight -デイライト- 」を初めてやらなかったライヴなんですよ。夜が明けないライヴです。
進藤:そうだ! 夜明けが来るのを待っていない。
-次の河口湖で夜が明けるのかどうかに注目ですね。ライヴ以降の大きな動きはまだ発表されていないですが。
進藤:今のところ今年中で決まっているのは河口湖のライヴとリリイベ("Morfonica 7th Single「Tempest/Wreath of Brave」リリース記念「モニカの校外学習 Vol.2」")なので、まずはそこでMorfonicaのことを好きなバンドリーマーさんを広げつつ、もっと成長していけたらなと思います。Morfonicaとしての活動の幅も増やしていきたいですね。今までできなかった活動の形を、ここをきっかけに取り戻していけたらなって思います。頑張ります!
西尾:その先は、きっとあるであろう来年のライヴに向けて頑張っていきたいです。きっと河口湖のライヴでその先の期待は上がっていくだろうし、初めてモニカを観たお客さんは"forte"以降で増えているのを感じているので、期待を越えられるように頑張ります!