MENU

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

Uz:ME

2024.04.26UPDATE

Uz:ME

Member:田中 理恵(Vo) Patrik Leonheart(Gt) Simon Andante(Gt)

Interviewer:杉江 由紀

"日本書紀"に登場する"あめのうずめのみこと(天鈿女命)"に由来するバンド名を持つUz:MEは、今春大ヒットした"機動戦士ガンダムSEED FREEDOM"のヒロインであるラクス・クライン役を筆頭に、数々のアニメで活躍してきた声優、田中理恵をヴォーカリストに据え、脇をスウェーデンのロック・バンド、BATAARに在籍していたギタリストであるPatrik Leonheartと Simon Andanteが固める、唯一無二にして異色のトリニティをなすバンドとなる。そんなUz:MEの最新シングル「玉響」は、現代的メタル要素と和の風情を融合させた雅びやかで機微ある1曲だ。アニメ・ファンのみならず、激ロック読者にもぜひUz:MEの深い音世界を堪能していただきたい。

-激ロックでのインタビュー取材は初となるUz:MEですが、日本人声優さんとスウェーデン出身のミュージシャンふたりによるユニットというこのレアな編成は、いつどのようなことをきっかけに生まれたものだったのでしょうか?

田中:もとを辿ると、ちょうどコロナ禍の時期に"コロナが明けたら海外のイベントに出たい"と思ったところがスタートでしたね。私は以前から台湾やアメリカのアニメ・イベントにはよく出ていたんですけど、ヨーロッパではまだそういう機会が全然なかったので、ヨーロッパの事情に詳しくて、日本語ができる方はいないかな? と人材を探し出したときに、当時スウェーデン在住だったPatrikさんが日本のアイドル・イベントなんかの通訳をしている、ということで知り合ったんですよ。それで、当初は"ヨーロッパ方面でアニメのイベントとか、何かあればよろしくお願いします"というお話をさせていただいていたんですが、コロナ禍でずっとやりとりをしていたなかでPatrikさんから"最近、自分たちのやっていたバンドが解散したんです。そのバンドでも一緒だったSimonと新しいメンバーを探しているんですけど、理恵さん興味ないですか?"って聞かれたんですね。

-いきなりのお誘いだったのですね。

田中:そうなんですよ。最初はちょっとびっくりしました(笑)。

Patrik:僕とSimon君は一緒にバンドもやっていましたけど、日本のアニメも好きでよく観ていましたし、理恵さんが歌われていることも知っていたので、せっかくの機会だしレジェンド声優さんとバンドができたらいいなぁと思って声を掛けさせてもらったんですよ。

田中:レジェンド声優って(笑)。まぁでも、私の方もPatrikさんやSimonさんの作った曲に興味がありましたし、事務所に"バンドをやってみてもいいですか?"と確認を取ったら"やりたいならいいんじゃないですか"とすぐに許可してもらえたので、その段階でPatrikさんに"やります!"って伝えてから今に至ってます。

Simon:ただ、そのときはまだコロナ禍で僕らはすぐ日本に来ることができなかったんですよね。実際に日本に引っ越すまでにはそこから2年くらいかかっちゃいました。

田中:だから、最初は何をするにしても日本とスウェーデンの間でやりとりする必要があって、MVとかも日本で撮ったものを送ってSimonさんに編集してもらって、っていうことをやってましたね。

-Uz:MEというバンド名はどなたが発案されたものだったのですか?

Patrik:田中さんです。僕とSimon君は悩みすぎてしまって、全然決められなかったんですよ(苦笑)。困っていたら、田中さんがUz:MEっていうすごくいい名前を考えてくれました。

田中:"Uz:ME=うずめ"というのは、日本の芸能の神様の名前なんですよね。"日本書紀"に"あめのうずめのみこと(天鈿女命)"が舞うことで、天岩戸に引きこもっていた天照大神を外へと誘い出すことに成功した、というような記述があるんです。

-なるほど。そんなUz:MEが、このたび発表する最新シングルのタイトルには"玉響"と冠せられていますが、まずは言葉の並びとしてとても素晴らしいですね。

Simon:あー、たしかに! そうですね!!

Patrik:Uz:MEの"玉響"っていう組み合わせは、僕もめちゃくちゃいいと思います。

田中:私としても、これは非常にしっくり来る感じがしてるんです。Patrikさんがこれまでにないタイプの曲を作ってきてくれたこともあって、この"玉響"っていう言葉が自然とハマったんですよ。

-ちなみに、Uz:MEは今年1月に『ALPINA』というシングルを発表されていましたが、あの時点から次作に向けてのヴィジョンも何かしら見えていらしたのでしょうか?

田中:実は、前回の『ALPINA』と「玉響」はほぼ同時期に作っていたんです。

Patrik:『ALPINA』が出る頃には「玉響」のレコーディングもしてましたね。そして、本当だったら別の曲を今回のタイミングで出すつもりでやっていたんですけど、途中でたまたま「玉響」の方をパッ! と思いついて、流れ的にもともと出すつもりだった曲よりも「玉響」の方を先にした方がいいんじゃない? となり、結果的にその別の曲はまた違うタイミングで出すことになりました。