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INTERVIEW

Uz:ME

2024.04.26UPDATE

Uz:ME

Member:田中 理恵(Vo) Patrik Leonheart(Gt) Simon Andante(Gt)

Interviewer:杉江 由紀

チューニングを下げてたり、エフェクトで遊んでたりするのは、海外メタルからの影響


-Patrikさんが「玉響」について"パッ! と思いついた"とき、頭の中でイメージされていたのはどのようなことだったのでしょう。


Patrik:ほんとに『ALPINA』の次に出すものとして合うもの、っていうところで閃いたのがこの曲だったんですよ。リズム的には『ALPINA』も重かったんだけど、その重い要素をちょっと増やしたのが「玉響」で、ずっと変わらないテンポ感で曲全体のムードを包み込んでいくような曲にしたいなと思ってました。

田中:さっきも「玉響」に関しては"これまでにないタイプの曲"って説明したんですけど、いつもPatrikさんは結構アップテンポな曲を作ってくることが多かったんです。その点、この曲にはちょっとバラードっぽい要素も入っているので、そこが私としては新鮮でしたね。

Patrik:バラードっぽさは僕も意識したところがありました。それと、この曲をシングルにすることになったのはSimon君が意見を出してくれたから、という部分もかなり大きかったですね。最初はもっと断片的だったし、今まであんまりやってこなかったタイプの曲調だからそこまで自信もなかったんだけど、"これはすごくいいから、ちゃんと1曲として仕上げようよ!"と言ってくれたのがSimon君だったんです。

Simon:そうそう。"これ、めっちゃいいじゃん!"って言いました(笑)。特にサビがこれまでのUz:MEの曲の中でも一番頭に残る感じだったから、絶対これをシングルにするのがいいと思ったんですよ。

-だとすると、そこから「玉響」を完成形へと導いていく過程でPatrikさんがサウンド面において特に重視されたのはどのようなところでしたか。

Patrik:Uz:MEの曲ではまずヴォーカルが目立たないといけないと思いますので、そこはすごく大事にしました。そして、ギターの音をあまり自慢するような感じでは入れないということにも気をつけてます。ギターは音全体をサポートする立場だと考えているので、たまには少しソロを入れることもありますが、とにかく何よりもヴォーカルが第1です。

-ただし、音量そのものは抑えてあるとはいえギターの音質そのものは相当エグめに歪んでいる印象です。むろん、これは褒め言葉なのですけれど。

Patrik:そうですね、そういうところはあります。チューニングを下げてたり、エフェクトで遊んでたりするのは、最近流行ってる海外のメタルから影響を受けてるところです。

-Simonさんが「玉響」のレコーディングをされていく際に、ギタリストとしてこだわられたのはどのようなことでしたか。

Simon:自分は完璧主義なところがあるので、レコーディングでは極端に言うと毎回100回くらい繰り返して弾くんですよ。でも、"これだ!"っていうプレイができたときには瞬間的にわかるので、それに出会うまではやり続けるっていうところが自分なりの"こだわり"だと言えるのかも。そして、Patrikさんのギターを録るときにも自分はエンジニアをやっているので、彼に対しても同じように何回も弾いてもらうことが多いです(笑)。

Patrik:ふたりとも、諦めるっていうことをしないギタリストですね(笑)。

-それだけ丁寧に作られた「玉響」のトラックに対し、ヴォーカリストとしての田中さんはどのようなスタンスで臨まれることになったのでしょう。

田中:音としては重さがある曲になっているんですけど、私としては「玉響」をバラードだと捉えていたところがあったので、やはり"歌い上げていく"ように意識しました。いつもだと、Patrikさんが作るロックな感じの曲とか、Simonさんの作るEDMっぽい曲ではパキッ! とした強い歌い方をすることが多いんですよ。でも、この曲の場合はどこかゆらゆらした雰囲気というか、ちょっとアンニュイな空気感を歌でも出していくようにしたんです。毎回、いろんな新しい曲ができるたびに新しい歌い方をする必要が出てくるので、Uz:MEでの活動は私にとっていつも勉強になってます(笑)。

-今回の「玉響」だけでなく、Uz:MEの楽曲は音域もかなり広くありませんか?

田中:だんだん広くなってきてますね。デビューしたときはもうちょっと低かったんですけど、最近はふたりに"高いところが出る"ってバレちゃったので(笑)、新曲ができるたびに"ここまでできるでしょ"、"もっといけるよね"という感じで試されてます。

Patrik:最初は"こんなの歌えない!"って言いつつ、最後はちゃんと歌ってくれるんで僕らとしては助かってますよ(笑)。

田中:自分たちにも厳しいだけに、彼らは私にも厳しいんですよねぇ。"そこ、音ズレてる"とかレコーディングのときは細かくてうるさいし、英語の詞のときは発音にも厳しいんです。だから、いつもレコーディングは全然楽しめる感じではなくて苦しいんですよ(苦笑)。すごく追いつめられるんだけど、負けられない! って思うし、いつも喧嘩しながらやってはいるんですけど、結果的にいいものができたときにはそれだけの達成感があるので、最後はふたりに対して"ついキツい言い方してゴメンね"って謝ってます(笑)。

Patrik:田中さんが歌える人だって知ってるから、僕らはわざと厳しくしてるんです。

田中:育てていただいてるんですよね。そこはほんとに感謝してます。歌はこれまでキャラソンぐらいしか歌ってなかったですし、声優の仕事以外のところでのバンド活動についてはまだ全然ひよっこなんで、ここからもっと頑張っていこうと思ってます!