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INTERVIEW

Uz:ME

2024.04.26UPDATE

Uz:ME

Member:田中 理恵(Vo) Patrik Leonheart(Gt) Simon Andante(Gt)

Interviewer:杉江 由紀

-ところで。今回「玉響」の歌詞については鳴ル銅鑼の三輪和也(Vo/Gt)さんが書いているそうですが、Uz:ME側からは何かオーダーを出されたのですか?

Patrik:いつもSimon君の曲はEHAMICさんに頼んでいて、僕の曲の詞は三輪さんが書いてくれてるんですが、「玉響」に関しては"時間の流れ"とか"懐かしさ"というキーワードをいくつか渡したら、こんな素敵な詞を作ってくれました。

-"玉響"とは、かつて"万葉集"でも使われていた一瞬や刹那を表わす古語なのだとか。Uz:MEには英詞の曲もありますが、ここまで和に寄った詞というのは初ですよね?

Patrik:僕からすると、曲としての「玉響」にはちょっと和の要素が入っているんじゃないかと原曲の段階から感じていたんですよ。それで、英語はなしにしたんです。

-"玉響"という単語自体はみなさんご存知でした?

Patrik:知らなかったです。

Simon:僕も知らなかったです。

-おそらく、日本人でも意味まで知っている人は少ないと思いますし、日常生活の中で使っている人は1回も見たことがありません(笑)。

田中:私もこの詞と出会うまでは知らなくて、今回初めて意味を調べました(笑)。昔の人たちの勾玉を使った首飾りなどがゆらゆらと揺れるときに、玉同士が触れ合ってリンリンと鳴る音色が"玉響"という言葉の由来らしいんですけど、そんな美しい音色を思わせるような歌を私自身もここでは歌ったつもりです。

Patrik:僕とSimon君からすると、その"玉響"という"普段は使わない日本語のタイトル"ってところにめちゃくちゃ惹かれたんですよね。僕ら、日本語の曲名オタクなんで(笑)。

田中:そういうこだわりの延長線上で、今回はジャケット・デザインを担当しているSimonさんからの要望があり、なんと"玉響"の題字も私が筆で書いたんですよ。

-田中さんは書道もたしなまれていたのですか??

田中:いえ、全然。「玉響」のためだけに習字のキットを買ってきました(笑)。なんなら、レコーディングしていた時間よりも、題字を書いていた時間の方が自分としては大変だったくらいです。もう何枚も紙を無駄にしながら、それこそ100回じゃきかないくらいにいっぱい書いたんじゃないかなぁ。

Patrik:いっぱい頑張ってくれた田中さんのおかげで、とてもきれいなジャケットに仕上がりましたよ。ありがとうございます。

Simon:あの手書きの漢字が入ることで「玉響」は完成したと思いますね。

田中:そういえば、Simonさんからは「玉響」のリリック・ビデオ用にも文字を書いてほしいって頼まれたんです。それもまた、画材屋さんでペン字用のペンを買ってきて全部私が書きました。普段は文字なんてだいたいタップで打ち込んじゃうから、人に見られる文字を手書きするなんていうことはほとんどないわけですよ。すごくプレッシャーだったし、あまりにも大変すぎて、ちょっとハゲそうになりました(苦笑)。

-音もアートワークもリリック・ビデオも、すべてみなさんが丹精込めて完成させた「玉響」ですが、この曲をライヴで聴ける機会は近日中にありそうですか?

Patrik:まだライヴの予定は決まってなくて、メンバー内でも"近いうちにできればいいね"と言ってるところですね。その代わり、今は制作がずっと続いてます。

田中:まずは曲をたくさんレコーディングして、Uz:MEとしてのレパートリーを増やしたいと思ってるんです。ライヴをやるにしても、いつかアルバムを作るときにも、曲はたくさんあった方がいいですからね。

Patrik:今までは1年に1回、短いライヴをやるっていうかたちが続いてたので、次にやるときはもっと長いライヴをやりたいと思ってます。曲がたくさんできたら、次はライヴの方に集中したいです。

-承知いたしました。冒頭でも触れさせていただきましたが、なにしろUz:MEは日本人声優さんとスウェーデン出身のミュージシャンふたりによるユニットというレア編成のバンドです。しかも、バンド内でデザインや映像編集までこなされています。この他に類をみない存在感から生まれていく未来が、今からとても楽しみです。

田中:せっかく声優とバンドマンで組んでいるわけですから、私は今までの経験やスキルも使った楽曲もここからやっていければいいなと思ってます。普通に歌うだけではなくて、例えばセリフを入れるだとか、詞の中に何人かのキャラクターが出てきて、すべて声色を変えるとか。こんなふうにも歌えますよ、という可能性を提示してみたいです。

Simon:そういうのいいですね。面白そう!

Patrik:ちょっとネタバレになっちゃいますけど、僕は田中さんの力をもっと発揮できそうな曲はもうひそかに作り始めてますよ。

田中:あ、ほんとに? ぜひよろしくお願いしまーす♪