INTERVIEW
CODE OF ZERO
2022.11.02UPDATE
2022年11月号掲載
Interviewer:フジジュン
ミニ・アルバム『Storage of Solutions』を完成させたCODE OF ZERO。コロナ禍での楽曲制作を経て、自分の本当にやりたいことと、ライヴでエンターテイメントとして見せることを上手く混ぜ合うことができたと0Cは語る。ライヴがはっきりとイメージできて、新たな試みや挑戦が多分に詰め込まれていて、今の真正直な気持ちがしっかり反映された今作は、CODE OF ZEROの新たな始まりも感じさせる意欲作。楽曲制作におけるサウンドや意識の変化や各曲に込めた想い、今聴き手に伝えたかったことについて深く掘り下げる。
-まずは"2022年のCODE OF ZERO"というところでお話を聞きたいのですが、5月に自身主催の"KING OR DEAD fest."を開催して、7月には2020年と2021年にリリースしたシングルをまとめたミニ・アルバム(『Our Feelings NEVER SLEEP』、『This is our BRAVE』)を2枚リリース。ここまでを振り返っていかがですか?
今年は初めての経験が多かったのと、コロナ禍からだんだん明けてきてるのをリアルに実感していく1年やった気がします。作品作りに関しては、コロナ前の気持ちがだんだんもとに戻ってきている感じもありつつ、ライヴができなかった期間を経て、やっぱり変化しているのは感じますね。2020年の超コロナ禍みたいな時期は、ライヴを想定しない曲作りが多くて、バッツバツのEDMとか、バンド・サウンドにとらわれない音作りもしていて、2021年にライヴがちょっとずつできるようになってからは、音作りにもファンとか初めて観るお客さんとか、目の前の人にガッツリ音楽を届けたいって意識が戻ってきて。例えば、"EDMにロックをかけ合わせたら、こういう風にできるんや"とか上手く混ぜ合わせることで、ちょっとずつ新しい道が開けてきた感じがあったんです。
-いつもとは違った環境で、違った意識での曲作りを経験することで、できることや選択肢も広がったんですね。
あとフェスをやろうと思ったキッカケは、2021年の後半ぐらいからバンド主催のフェスに出させてもらったことで。あの時期にバンド主催でフェスをやるってリスクしかないと思ったんですけど、実際に出演してみたら本当に楽しくて。街もすごく活気づいてたし、コロナ禍でもちゃんとルールを守って、音楽を楽しもうとしてくれてる人たちがすごくいて。そういうのを見てると、2020年に私が掲げてた"音楽を死なせない"とか"心を眠らせない"みたいなところを、私も音楽シーンの中のひとりとして掲げるなら、自分で背負って、何かやりたいなと思って。いろんな人に迷惑かけるやろうなと思いつつ、"私もフェスやりたいです!"って言ったことを思い出しました。
-その時期にテーマに挙げていた、"勇敢さとは何か"という言葉も体現できました。
私にできることなんて本当にちっちゃいことやし、全国に知れ渡るようなことじゃないかもしれないけど、何か1個でもやって、それが集まることでエネルギーになればいいなと思って。コロナ禍になるまでは、ひとりでただがむしゃらに進んでいくだけだったのが、この機会にじゃないですけど、音楽シーンだったり、全体のことも少し考えるようになったなというのはありましたね。
-俺は最新作『Storage of Solutions』を聴いて、すごくライヴが見えたし、伝えるべき相手や伝えたいことが見えて。それまで順調に駆け上ってきたCODE OF ZEROの活動が止まらざるを得ない状況になったとき、音楽シーンやライヴの在り方、届けるべき人がよく見えて、今何を作るべきかが明確に見えてるなかで制作できたんだろうなと思いました。
2019年にリリースした(ミニ・アルバム)『MAKE ME REAL』を作ったときに思ってたのは、"ファンの人たちが応援してくれることによって、自分がもっとリアルになっていく"みたいなことで。まだ赤ちゃんみたいな感じだったし、初期衝動の中でいっぱい曲を作ってて、その気持ちもすごく大事だったんですけど。コロナ禍を経てそれまでと違った曲作りをして、"一生懸命やる音楽だけじゃなくて、エンターテイメントとして見せられる曲をやりたいな"と思えたのが、これまでとの違いかなと思います。2020年の5ヶ月連続配信が終わってからのライヴでは、"声を出したり、踊ったり暴れたりできないなかでも、みんなを楽しませられることって何かな?"って考えたとき、スクリーンにリリック・ビデオを映して、歌詞をしっかり見てもらうってことを試してみたりして。歌詞に頼らないライヴもできるし、歌詞をめっちゃ見せるライヴもたぶんできるってなったとき、より心に訴えかけるにはどうしたらいいか? と考えたり。今回はもっとエンターテイメントに寄せたり、ライヴハウスに寄せたり、いろんなことができるなということを考えながら作りました。
-今の話、まさにそんな可能性を秘めた作品になったなと思いながら聴いてました。
先日、「S/O/G」のMVを撮って、この曲でも交流のあるアイドルのみなさんに一緒に踊ってもらったり、これまでやったことないことに挑戦したんですけど、そのキッカケになった曲が、「L.I.F.E.」だったりして。「L.I.F.E.」はコロナ禍の本当に直前にできた曲で、"人生、どんなに苦しいことや楽しいことがあっても、死ぬまで無駄なことってないよね?"みたいな曲で。本当にこの曲にこの2~3年間救われてきたし、自分自身を改めて見直す曲になったし。もともとはみんながフロアで手を繋いで回ったり、一緒に歌ったりする曲だったんですけど、それができなくて振付を考えて一緒に踊ってもらったとき、"声を出せないからこその楽しみ方って、バンドでもいろいろできるかも?"と思って、EDMを混ぜ込んだ「S/O/G」で挑戦してみようかなと思ったんです。
-「L.I.F.E.」は今作でも救いや希望を指し示す、すごく重要な役割を果たしてて。「S/O/G」で始まって、気持ちを上げていく「L.I.F.E.」への流れがあって、「Periodicity」の希望あるラストで締めくくるという曲順もすごく良かったです。
過去曲の「L.I.F.E.」と「QAdream」を入れたのは、どちらも今作に挑戦するキッカケになった曲だったという理由もあって。「L.I.F.E.」は話した通りで、「QAdream」は最初、サウンド面での考え方の転機になってて。ライヴができない状況で「楽器なくてもいいや」と思って作った曲だったんですけど、楽器を入れてライヴでやってみたら、やっぱり迫力がものすごくて。"これをちゃんと音源で残したいな"って思ったし、これを聴いてもらわないと、なぜ今作がこういう感じになってるかわからないなと思ったんで収録しました。