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INTERVIEW

CODE OF ZERO

2022.11.02UPDATE

2022年11月号掲載

CODE OF ZERO

Interviewer:フジジュン

-「QAdream」はサウンド面もですけど、言葉のインパクトが強いから。リリック・ビデオが流れてるライヴ映像を観たとき、強烈に印象に残る曲になりましたよね。

インパクト強いですよね。この曲は結構、闇落ちしてたときの曲なんですけど(笑)。2020年、2021年はどうしてもコロナに対する考え方を書いた曲が多かったんですけど、今回はそれがなくなってきて、自分が今思ってることに100パーセント振り切れました。それは意識してやったというより、今あるものを出したらそうなった感じで。「S/O/G」はSNSが普及した今の社会で思うことを書いた曲で。今って自分自身の価値や尺度を数字で計られたりしがちだけど、人間の本当の価値って数字じゃないと思うし、自分が本当にやりたいことや足りないものに真摯に向き合っていけば、もっとリアルなものが見えてくると思ってて。例えば、私はライヴハウスにある感情を超えた言葉に表せない気持ちって、画面の中ではわからないリアルだし、そういったところに音楽の醍醐味があると思ってて。自分の考えを押しつけるつもりはないけど、"自分の価値を人に試されなくていいよ。自分の価値は自分で作っていこうよ"ってメッセージが伝わればいいなと思って書きました。

-そこで正直な気持ちを書いてるけど、決して押しつけや説教になっていないところもすごく良くて。聴き手と同じ目線でメッセージを届けられているし、相手の顔がはっきり見えてるなかでギュッと手を握って引っ張り上げてくれる強さや優しさも感じました。

「BAN=DA RANDOM」って曲があるんですけど、これは私の身の回りで起きた出来事がきっかけで書いた曲で。今できること、やれることは少ないのに、大人として扱われるくらいの頃って、誰かがちゃんと面倒見てくれたり助けてくれたりする状況ではないので、心がすごく不安定になりやすいと思うんですけど。そういうときに、"あなたの気持ちを1回この曲に預けてみて!"って書いたのが、「BAN=DA RANDOM」だったんです。"幸せの規定飛び越えて"って歌詞があるんですけど、楽しいとか嬉しいとか、みんなが思う幸せが自分にとって幸せじゃなくてもいい。幸せにならなきゃなんて考え自体を壊しちゃってもいい。今の自分に何もないと感じていても、もがいて生きてくうちに、やれることが増えて、そうすると見えてくるものもきっとある。またそのときに改めて自分の行く先を決めたらいいと思うんです。"それまでは嘘でもいいから、この曲を信じてみませんか?"って意味で伝わったらいいなと思って書きました。

-音楽の力を信じたいし、その子を思う人がひとりでもいることが、生きる力になるといいですね。今作のタイトル"Storage of Solutions"に込めた意味も聞かせてください。

"Storage of Solutions=解決策の倉庫"って意味と、"S.O.S"のダブル・ミーニングになってるんですが。何か立ち止まったり、苦しいなと思ったりしたとき、"こういうふうに考えたら元気になるんじゃない?"って曲とか"無理に元気にならなくてもいいよ"って曲もあるので、解決の糸口になればいいなと思って。私、"愛"って言葉を救いの意味で捉えることが多かったんですけど、「Same Insane」では"愛が救ってくれなかったとしてもね"と歌っていたり。「Periodicity」は、"全部受け入れられることばかりじゃないし、許せないままのこともあるけど、いつか終わるときが来るから"って。"今はつらくても、いつか絶対に開放されるから、今無理して開放しなくてもいいんじゃない?"と歌ってたりして。強いメッセージのある曲もあれば、悲しみに寄り添う曲もあって、いろんな考え方を今作に詰め込めたので、心がSOSを出してるときに聴いてほしくて、"Storage of Solutions"とタイトルを付けました。歌詞の意味は考えず、音楽だけに身を任せてもらっても楽しいアルバムでもあるので、そういう聴き方をしてくれても嬉しいし、それができるのも音楽だと思うんで。みなさんの日々の味方になれたらなと思っています。

-そんな最新作を掲げたリリース・ツアー([CODE OF ZERO "Storage of Solutions" Release Tour])が、11月23日からスタート。1月22日には、渋谷CLUB QUATTROでのワンマン([CODE OF ZERO "Storage of Solutions" Release Tour FINAL ワンマン])も決定してます。

久しぶりにアルバム・タイトルを掲げてガッツリ回れるツアーだし、ライヴでまだ披露していない曲もいっぱいあるので、フロアのみなさんと新曲たちをどう成長させていくか? 私が狙ってたものとも違う、まったく予期せぬものが生まれたりするのがライヴの醍醐味なので、本当に楽しみです。あとはライヴの規制がだんだん解けていって、「L.I.F.E.」とか、また規制がなくなって踊らなくてよくなった瞬間とか、めっちゃエモいと思うんです。またみんなが手を繋いで、ぐるぐる回る風景を見たら泣くかもしれない(笑)。そんなのも楽しみにしながらツアーを回って、そのあとにはインディーズの登竜門的存在でもある、渋谷CLUB QUATTROでのワンマンも控えているので、すごく楽しみです。