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INTERVIEW

WITHERFALL

2021.03.08UPDATE

2021年03月号掲載

WITHERFALL

メンバー:Joseph Michael(Vo/Key) Jake Dreyer(Gt)

インタビュアー:菅谷 透

-おふたりそれぞれとしても、ミュージシャンとして強みを増したと思います。Jakeの場合は流麗なソロから重々しいリフ、そしてアコースティックまで今回も実にバリエーション豊かなギター・プレイが印象的です。Anthony Crawford(Ba)とのユニゾン・プレイも迫力がありましたが、今作ではどのような狙いをもって作曲に取り組みましたか? そういう様々な持ち味をどのように散りばめていったのでしょうか?

Jake:これもまた自然な展開だったね。ただ、幅広いスタイルから影響を受けてきたからというのがあると思う。俺は、プログレ・メタルはもちろん、様々なメタルのサブ・ジャンルも聴くし、クラシック音楽も大好きだし、そのあたりにある音楽は全部聴いているような感じなんだ。で、歳を重ねていくにつれて、音楽的なボキャブラリーの幅も広がっていくんだよね。どんな要素を使えばうまくいくとか。例えば、インドのラーガをヴォーカルのメロディに取り入れても摩訶不思議になってしまうだけで(笑)。それと......さっきAnthonyやMarcoの名前が出てきたけど、俺たちには"こんなサウンドの音楽にしたい"みたいなアイディアはあるけど、彼らの個性の発揮どころは完全に任せているんだ。Anthonyのバックグラウンドはソウル・ミュージックやR&B、ゴスペル、ヒップホップとかだから、演奏にその要素が表れてくる。そのおかげでWITHERFALLのサウンドがあると思う。もちろん作曲は全部Josephと俺がやっているけど、彼らがスパイスやフレーバーをもっと与えてくれるんだ。

-Josephはどうでしょう? あなたのヴォーカルはデス・ヴォイスに近い雰囲気の声を出すときもあれば、「The River」や「Long Time」などではささやくような歌声など、幅広い表現をみせていますが、歌唱するうえで意識したことはありますか?

Joseph:これも特に考えてああなったわけじゃないんだ。というか、頭の中でメロディが書けるまでは歌わないんだよね。俺とJakeは一緒にじっくり腰を据えて曲を書いていくスタイルなんだ。書いたあとで"あぁ、ヴォーカルはこういうふうにする必要があるな"とか、音がこのくらい高くなったらファルセットにすべきだとか思いつく。そういうのはみんなあとになってからわかってくるもので、まずは曲そのものに本当にこだわっている。ギターのパートも同じだね。一緒にアレンジしているとき――その手段は楽器だったりパソコンだったりするけど、デモで作った当初のトーンと、アルバムに入ったものとがまったく違うこともあるんだ。まずは最初の煌めきやハーモニー、つまり音楽をキャッチして、それからスタイルを取り入れたりとか他の作業をしたりする。

Jake:そうだね。ある意味家を建てる作業に似ているんだ。まずは骨組みをしっかりさせないと。そのあとで好きなふうにデコレーションすればいい。まずは曲の骨組みありきなんだ。

Joseph:そう、絵は最後。Jakeも言っていたけど、俺たちの曲の書き方というのはクラシック音楽の影響が強いんだ。基本のパーツ――例えばメインのギター・ライン、ヴォーカル・ライン、キーボード・ラインみたいに初期の段階にできてくるものには対位法がたくさん使われていて、リッチなテクスチャの中でいろんなことが起こっている。耳が訓練されていてヘヴィ・メタルの美学を超えたものを知っていないと、実際どんなことが起こっているのかわからないような感じだよ。

-では、ここからは各楽曲の"デコレーション"についてうかがいます。イントロを挟んだオープニング・トラック「The Last Scar」は、いきなりノックアウトされてしまうような強烈なスピード・メタル・ナンバーです。この曲はどのようにできあがったのでしょうか?

Joseph:あれはJakeのリフから始まったんだ。

Jake:そうだったね。あれや「As I Lie Awake」や「The River」は、新しい楽器を手にしたときにふと浮かんだフレーズから生まれたんだ。「The Last Scar」はJackson GuitarsがフライングVを何本か送ってくれたときだった。1本手に取ってみて、その瞬間にポッと頭の中に浮かんだのが「The Last Scar」だったんだ。"おっ、これは面白そうだな"と思ったから......(※iPhoneを手に取りながら)ここにボイスメモがあるから、携帯を置いてそのフレーズを録音して、Josephに送った。Josephの反応でこの先どんな展開になるかだいたいわかるんだよね。"オーケー、すごくクールだね"と言うときもあるけど、もし本当に琴線に触れていたら"よし、これを煮詰めていこう。気に入ったよ"と言ってくれるから(笑)。「As I Lie Awake」も同じような感じで、新しいギターを手にしたときにふと浮かんだリフを送ったところから発展させていったんだ。でも元ネタはないんだよね。あの曲はすごくアグレッシヴで、Josephが歌詞を書いているんだけど、もとは"ギターがどこからともなく俺に語り掛けてきた"という感じだったんだ(笑)。この曲はJosephと俺が最初に取り組んだ曲のひとつだったね。イントロとヴァースの多くとコーラスは、俺が前住んでいたアパートで作ったのを覚えているよ。ご近所さんたちはハッピーじゃなかっただろうね、俺たちはうるさかったから(笑)。

Joseph:(笑)というのも、俺がだいたい座って膝でドラムを叩くまねをして合いの手を入れているからなんだ。"Jake、ここでアップビートを入れようぜ"みたいな感じで(笑)、いつもうるさくてね。なんせギターが一番うるさくないくらいなんだから(笑)。そこら中のものを叩いてリズムをとっていたんだ(笑)。

Jake:作っていると興奮してきて部屋中を飛び跳ねてるし(笑)。

Joseph:まぁ、でも大切なことだと思うよ。曲を一緒に書くパートナーがいて、ちゃんと一緒の部屋でじっくり腰を据えて書くこと。それから自画自賛するつもりじゃないけど、シンガーが自分のやっているファッキンなことをちゃんとわかっていると、音楽的にもとても役に立つんだ。"Jake、ここの4つめの音を替えてみよう"とか、"このコーラス部分はテンポを下げてみよう"とか......作曲のメインの担当者たちが互いにわかり合えているのは本当に役立つよ。同じヴィジョンを持っていると、どちらかがアイディアを出したときに牽引役を務めなくていいというか、"いいね、そのアイディアわかるよ。うまくいくと思う"と言える。同意できなくてケンカするなんてことがないからね。半年言い争ったままとかさ(笑)。その間に他のプロジェクトができるよ(笑)。誰とは言わないけどさ、そういう人っているよね(爆笑)!

-(笑)

Jake:Josephも俺も、初めにメロディありきだってわかっているような気がする。特にコーラスやヴァースはメロディが前面に出る必要があるからね。もし俺が思いついたギター・リフがメロディにしっくりこなかったら、こいつが"なぁ、今のはうまくいかないよ"と言ってくれる。俺たちは十分に訓練されているというか、教育されているというか――どういう言い方でもいいけど、その部分をうまくやるのにどのくらいのオプションがあるのか、ミュージシャンとして体得できているんだ。とてもいいバランス関係があるよ。そういう知識がなかったら変にこだわってケンカになってしまうんだろうけど、ふたりとも解決策がどこかにあるってわかっているからね。見いだすのに時間がかかるときもあるけど。

-そういう知識があったからこそ、一聴するとキャッチーな「As I Lie Awake」もWITHERFALLらしい、一筋縄ではいかないアレンジメントが堪能できるのではないでしょうか。

Jake&Joseph:そうだね。

Joseph:あれは変な流れだったなぁ。Jakeがいくつか送ってくれたパーツには特にアレンジがされていなかったんだ。こいつが送ってきたいろんなアイディアを俺がPro Toolsで切り刻んで、俺のメロディやアレンジのヴィジョンに合った形にしてから送り返す。それからふたりで会って、フルのアレンジを考えるんだ。曲は本当にいろんな形で生まれてくる。不思議なものだよ。コーラスと基本的なコード進行とメインのメロディだけができて、それをJakeに送って、気に入ってもらえたら今度は一緒にヴァースやブリッジを作るというやり方もある。「Moment Of Silence」(『A Prelude To Sorrow』収録曲)はそんな感じにできたね。......ルールはないんだ。

Jake:ないね。例えば「...And They All Blew Away」みたいな曲は長い時間をかけて作ったんだ。感情をしっくりくる形で表現するのに苦心してね。"ヴァイブ"という言葉を使うのは好きじゃないけど、それを手に入れようとしたんだと思う。あれは自分が編集担当になって1枚の板にいろんな要素を組み合わせて、意味が通じるようにしようと格闘しているような感じだったよ(笑)。全部を一体としてストレートな流れの中で書いた曲じゃなくて、ある部分は特定の時期に書かれたものなんだ。

-でしょうね。15分以上もありますし。

Jake:そうなんだよ。だから『Curse Of Autumn』全体を振り返ってみると不思議なんだよね。ひとつひとつの曲は完全にバラバラな流れで生まれていたから。