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INTERVIEW

A Ghost of Flare

2019.06.21UPDATE

2019年06月号掲載

A Ghost of Flare

Member:Yojiro(Vo) YU-TARO(Gt/Prog) Takuya(Ba)

Interviewer:荒金 良介

-以前から、より自由にやりたいという気持ちはあったんですか?

Yojiro:僕はもともと"幅広いことをやりたい"と言ってました。ロック・テイストというか、そういう曲調もやってみたいなと。

YU-TARO:ヴォーカルの表現力の有無もありましたからね。

Yojiro:今回のアルバムを作るうえで最初に、"めっちゃ歌いたいので、そういう曲を作ってください"とお願いしたんですよ。

YU-TARO:エモ、スクリーモも好きなので、そういう曲を作ることに抵抗もなかったんですよ。だから、可能性は広がったなと。

-今作も前半4曲は攻め攻めですけど、中盤以降はクリーン・ヴォーカルをフィーチャーして、後半の楽曲によりバンドのオリジナリティを感じます。

Yojiro:変にジャンルにとらわれるのも違うと思うし、俺らが今まで培ってきた音楽観を最大限にアウトプットしたいと思っていたんですよ。

-ようやくその気持ちを作品に落とし込めたと。曲作りはどうでした?

YU-TARO:難航しましたね(笑)。結構ダメになった曲もあるし、自分の中で"これだ!"と思うものを形にするのは大変でした。ただかっこいいメタルコアならすぐに作れるんですけど、もっと叙情的だったり、もっとメロディアスだったり......かといって、メタルコアの良さは残さなきゃいけない。そういうふうにいろいろ考えると、なかなかうまく作れなくて。マイナーな感じのメタルコアで始まって、それから明るくなり、日本語も入って、またメタルコアに戻って、英語になるという。それを取ってつけた感じにならないように作るのが大変でした。

-いろいろ要素を取り込みつつ、曲の構築感や必然性は大事にして?

YU-TARO:そうですね。今回はヴォーカルも難しかったと思うんですよ。日本語ですからね。

Yojiro:日本語の方が作りやすいし、しっくりくる感じはあるんですよ。英語でなんとなくかっこいいことを言うのがあまり好きじゃなくて。それならかっこ良くなくてもいいから、自分が納得できる歌詞や表現をしたほうがいいと思ってます。

-それは歌詞の内容のことですか?

Yojiro:そうですね。

-今作を聴いて、全部日本語で歌ってもいいんじゃないかと思いました。

Yojiro:今回は全部日本語の曲もあるし、「繋ぐ詩」も日本語が多いですからね。個人的に好きなのは「繋ぐ詩」なんですけど、これからもっと日本語を入れていきたいです。

Takuya:彼(Yojiro)の言い回しはかっこいいなと。ギリギリダサくない言葉の選び方も上手だなと思いましたね。デモが上がってきたときに、自分は風景がイメージできたし、「繋ぐ詩」もいい曲になったなって。同じメンバーなんだけど、かっこいいなぁって思いました(笑)。

Yojiro:メタルやラウド音楽で表現できる衝動性というか、それを忘れずに感情的に歌いたいですね。

-「S.P.I.T」はラップ・パートもありますよね?

Yojiro:HOTVOXというバンドのヴォーカル(RIK)をフィーチャーしたんですよ。この曲を作ったときに、RIK君にやってもらいたいなと思って。

YU-TARO:HOTVOXは何かに対する反骨心を体言しているバンドなので、この曲を聴いたときに、メッセージに近いものがあるなと感じましたね。

Takuya:彼らも日本語が多くて、もっと言葉が直接的ですからね。たしかに、この曲は今までのAGOFにはなかった感じだと思います。で、「S.P.I.T」のあとにきれいな曲が2曲(「Lullaby」、「繋ぐ詩」)続くので、その流れもいいなと。

YU-TARO:人間味はあるよね。かっこつけてどうこうって感じじゃないし。

Takuya:泥臭いもんね。

-もはやメタルコア・バンドと言われなくてもいいぐらいの感じ?

Yojiro:僕はそれでもいいですね。ジャンルは本当にどうでもいいと思ってます。

YU-TARO:メタルコアというジャンル分けもわからなくなってきたし、縛られない方が俺らはいいものができそうな気がしますね。ただ、やりたいことはまだたくさんあるので、まったく別の方向に向かおうとは思ってなくて。自分たちがやりたいことは最初に言ったことと変わらないですからね。叙情的なメロディが大好きだし、かといってポップスをやりたいとは思ってないので。それをエクストリームな音楽に昇華したいんです。

-そこはこだわりがあるんですね。今作のレコ発ツアーはどんな気持ちで臨もうと考えていますか?

YU-TARO:今回は2~3年ぶりに行く場所もあるんですよ。ファイナルは東京でやろうと思っているんですけどね。バンドをやっている以上、いろんな人に聴いてもらいたいから。今はメタルコアがそれほどアンダーグラウンドな音楽ではなくなったし、俺らはメタルコア・シーンでしかやらないとは思ってないですからね。もともと自分はハイスタ(Hi-STANDARD)をコピーしていて、メロコアからバンド・キャリアをスタートさせたから、そういうシーンとも一緒にやっていきたいです。

Yojiro:それはめっちゃ共感できますね。音楽も活動の幅も広くしていきたいし、メタルコアは好きだけど、そこだけにとらわれたくないので。

Takuya:その通りですね。いずれは子供の頃に見ていた"Mステ"に出たいです(笑)。