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INTERVIEW

lantanaquamara

2019.01.15UPDATE

lantanaquamara

メンバー:SO(Gt/Vo) 川光(Vo) マタロウ(Ba)

インタビュアー:宮久保 仁貴

-新たな活路をみいだされたのですね。ちなみに、今回制作を進められたなかで、インスピレーションが湧いたタイミングを教えてください。

SO:ピアノを入れ始めたあたりからですね。もともとはギター・リフから作った曲なので、最初はそれこそオールドスクール・メタル風のソリッドな楽曲でした。でもなんだか"lantanaquamara的"ではないな、という漠然とした違和感があって。そこから試行錯誤を始めて、ピアノを入れてみたらどうだろうか、と思って音を出してみたら、インスピレーションが湧いてきて。当時坂本龍一さんやTomy Wealthをよく聴いていたので、その影響がたぶんあったのかなと思うんですけど。この感じでいけば"lantanaquamara的"な形に持っていけそうだ、と気持ちが昂ったことを覚えています。

-また、前作に引き続き今作も日本語詞で綴られていますよね。改めて、川光さんの創作におけるルーツを教えてください。

川光:まず、"あるバンドの、ある曲の歌詞を真似て考える"、ということはしません。脚本家/小説家だからかもしれませんが、lantanaquamaraの歌詞では、むしろ文学作品、具体的には中原中也や宮沢賢治の影響が強い気がします。日本語詞に関してはこだわっているわけではなく、自然と日本語が出てきてしまうんです。SOの音楽に寄り添おうとすると、どうしても英語が出てこない。曲の世界観が求めているものがそれじゃない。だから、"日本語しか使わない"という決意があるというより、"日本語しか使えない"という感覚が一番近いと思います。

-なるほど。ちなみに今作の制作中、バンドの状況はどのような感じだったのでしょうか?

SO:状況としては、"シングルを出す"、"MVを作る"、"ライヴは控える"という感じで制作に特化していましたね。バンドのスタンスとして"目的のないライヴはやらない"というのがあって、1st EPに関連したライヴはもう何度かやったので、次のライヴは新しいリリースを出してから、と決めていました。制作以外の活動だと正規ドラマーのオーディションも実施していたのですが、思っていた以上に難航してしまい、結果としてバンドの体制に変化はありませんでした。とはいえ正規ドラマーは必要だと感じているので、今年もタイミングをみて、オーディションを実施していきたいです。

-わかりました。本作の美麗なアートワークを手掛けたのはどなたになるのでしょうか?タイトル/音に対して寸分の違いもなく、忠実に表現されていると感じました。

SO:アートワークに関しては、前作『ランタナカマラ』に引き続き鏡海イサナ先生にお願いしました。数多くのアーティストを手掛けられてお忙しいなか、わざわざ新年のご挨拶をくださって。そこでシングルのリリースを検討している旨をお伝えし、依頼させていただくことになりました。イサナ先生なりに楽曲や歌詞のイメージを解釈して、イラストに落とし込んでくださっています。また僕からも"こういうイラストにしたい"というインプットは事前にさせていただいたので、結果として楽曲のイメージにぴったりのアートワークに仕上げることができたのかなと。

-なるほど、合点がいきました! また、本作はバンド史上初のMVが公開されましたね。こちらの収録時のエピソードがあれば教えてください。

SO:今回、作品のディレクションと編集をMoyou Kawazakiさんにお願いしました。過去にlantanaquamaraのVJを担当してくださった方です。なんの気なしにデモ音源や歌詞を共有して、画のイメージの相談をするところから徐々に話が大きくなっていきました。今回のMVで一番やりたかったことは"どんな人間が演奏しているバンドなのか"ということを、僕たちを初めて知った方に伝えることでした。ポスト・メタルのMVだと、自然風景が延々と映っていて演者が出てこないなんてこともあるんですけど、やっぱり人が演奏して、歌っている音楽なので、そこは真っ先に伝わるようにしたいなと。なので、MVの形としてはシンプルにバンドが演奏しているものとし、そのなかで歌詞の世界観に準じた照明や映像表現でインパクトを残そう、ということで話していました。収録にあたっては彼(Kawazaki)の人脈もあり10名近いチームで実施したので、想像以上に大所帯での現場になりましたね。いつもライヴで写真を撮ってくれているJun Tsuneda(JVN)さんにも、力を貸していただきました。

-結果として、手応えのある映像が撮れたのですね。さて、本作を聴くリスナーに対して、どのようなタイミングでこの1枚を聴いてもらいたいですか?

川光:多感な思春期の男の子に聴いてもらって......できることなら人生が変わるくらいの影響を与えたいですね。

SO:ヒット・チャートの音楽がいまいちピンとこない、中学生くらいの子が聴いてくれたら嬉しいかな。それで気に入ってもらえて、バンドを始めてくれたら最高です。自分がバンドを始めたきっかけも、そんな感じでしたので。

-言い得て妙ですね。続いては、近年の活動に話を移りたいと思います。昨年1月は名古屋の激情系ハードコア・バンド Heliostrope、東京のポスト・ブラック・メタル・バンド 明日の叙景を招き、バンド初の自主企画"plant Vol.1"を開催されましたね。こちらを企画された際に注力したことを教えてください。

SO:いろいろありますけど、一番深く考えたのは"ライヴハウスに来たことがない人でも、足を運びやすい企画にする"という点ですね。自分がライヴハウスに行ったとき不便に感じたこと、改善すべきだと感じたことを可能な限り反映できるように尽力しました。例えばチケット代の表記を"ADV/DOOR"と記載する慣習があると思うのですが、初見の人にはこれがどういうことなのかまずわからないと思っています。この時点でたぶん、かなり来場ハードルが上がっている。チケット周りだと企画者に直接連絡してチケットを取ってもらう"取り置き"という文化があるけど、気軽に予約できる一方でキャンセルに関するレギュレーションは明示されないことが多い。一般的なWEBサービスとか町中の商業施設で当たり前に担保されている要素が、結構抜けてるんですよね。そのあたりの負を解消するため、情報を集約した特設サイトを作って、まずはこのサイトを見てください、といった感じで動いていました。あとは個人的な話ですけど、僕がライヴハウスで集中して音楽を聴けるのはせいぜい3バンドが限度で、そこからは集中力が切れたり身体が疲れてしまったりするんです。なので、自分の企画では多くとも3バンドまでにしよう、というのは決めていました。時間に直すと、どんなに長くとも2時間半程度で終わるイベントにしたい。イベントコンセプトの作り込みとか、それに準じた出演者のオファーというのは企画者誰もがやると思うんですけど、来場者目線からの企画設計まではできていないイベントって少なくないと思います。今後も企画を実施する際には、来場者目線を忘れず居心地のよい空間を作っていきたいと考えています。もちろん、全面禁煙で。

-細かな作り込みをなされたのですね。当日の手応えはいかがでしたか?

SO:初の自主企画ながらチケットはソールド・アウトでしたので、イベントとしては成功したと言えると思います。ただフロアがパンパンで、再入場もできない会場だったので、お客さんにとっては長居しづらい環境になってしまっていたのではないかと思っています。そこが一番の反省点です。僕がお客さんだったら、そんな会場で激しいロックのライヴを観るのはつらいので、次回の企画では同じことが発生しないよう、やり方を考えます。

-ちなみに、今後も継続して"plant"は開催されますか?

SO:もちろんです。次にお声掛けしたいアーティストの候補もすでに挙がっていて。1stアルバムが完成したら、やりたいなと思っています。