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INTERVIEW

lantanaquamara

2019.01.15UPDATE

lantanaquamara

メンバー:SO(Gt/Vo) 川光(Vo) マタロウ(Ba)

インタビュアー:宮久保 仁貴

-大きな存在として、LUNA SEAが刻み込まれたのですね。さて、今回リリースされた「ネオンテトラ追放」について触れたいと思います。前作『ランタナカマラ』から大きく音楽性を振り切られましたね。時折、これまで培われたポエトリー要素やポスト・メタル・ロック的ギター・フレーズは残りつつ、どことなく古き良き90年後期~2000年代初頭ヴィジュアル系を思わせるようなメロディ、そして歌にフィーチャーされた内容になったように感じます。なぜ、今まで意識していた"ポスト・メタル"の文脈から逸脱されたのでしょうか?

SO:"こういう曲があってもいいじゃないか"と考えるようになったからです。前作までは、"これはポスト・メタル的ではない"とか、"ポスト・メタルのリスナーはこういう表現を好まないだろう"といった感じの、いわばジャンル・ドリブンな考え方で、曲のアイディアをどんどん切り捨てていました。ただそれをやっていると、結局"ポスト・メタル"という枠の中に、自分が持っている"ポスト・メタル的"なネタを集約させただけの音楽しか作れない。それで例えばISISを超えるようなものが作れるとは、とても思えないわけです。僕は別にポスト・メタルだけを聴いて育ってきたわけではないので、"非ポスト・メタル的"なアイディアを思いつくこともたくさんある。それらを切り捨ててしまって本当にいいのか? と自らに問いかけたとき、答えは"NO"だった。そういった背景で、作曲に対する向き合い方が変わったと思います。どんなアイディアでもいったんピックアップして、lantanaquamaraの曲として機能させる方法がないかを考える。曲が形になったら、その曲を最大限カッコ良くする方法を考える。音楽的な枠組みがどうであれ、いい曲はいい曲であることに変わりはないですよね。であれば、よりいい曲が書けるようにすべてのアイディアを駆使して作曲に向き合うべき。そう考えています。

-たしかに、その一点こそが真の音楽家として追求すべき点ですよね。

SO:そう思います。また別の観点として、人生を俯瞰したとき、"自分が満足できるクオリティの楽曲を、あと何曲世に出すことができるだろうか?"ということも考えました。音楽家である以上、たくさんの曲を書いてたくさんの人に聴いてもらいたい。そして何より、喜んでもらいたい。僕もめちゃくちゃ若いわけではないので、"これはポスト・メタル的ではない"とか言って足踏みしている時間は、もったいないと感じるようになってきている。もちろんポスト・メタルは大好きだし、lantanaquamaraなりのポスト・メタルの表現を追求するということはやっていきますよ。ただこれからのlantanaquamaraはそれだけじゃない。そういう意思表明として、「ネオンテトラ追放」をシングルとしてリリースすることに決めたんです。

-新たな側面を見せた本作ですが、なぜ、"ネオンテトラ追放"というタイトルを付けられたのでしょうか?

川光:デモ音源を聴いたときに、光のイメージを感じたんです。またLUNA SEAの話になってしまいますが、「ROSIER」の歌詞にある"ネオンの洪水"というキーワードが浮かんで、頭から離れなくなりました。SOが"有機的な響きのバンド名にしたかった"と言っていましたが、デモ音源を聴くと、動物、植物、宇宙の広がり、海の深さ、といったイメージを強く感じます。この曲を巡っていろんな言葉が漂っている中で、捕まえたのが"ネオンテトラ"でした。そして、このかわいらしい印象の言葉とは反対の、残酷で冷たく、暴力的な響きのある"追放"というワードを合わせれば、二面性を持った面白い熟語になるのではと思いました。lantanaquamaraでは、メッセージ性を前面に出すことより、あくまで曲のイメージに寄り添うことが歌詞の役割だと思っています。

-この組み合わせこそ、ひと言で曲を表すに相応しい内容となりましたね。続いては、みなさん視点で本作の聴きどころを教えてください。

SO:作曲者としては、曲全体を見わたして"どのような音楽的要素を含んだ曲なのか"と分析してもらえたらいいな、という気持ちはあります。Twitterを見ているとすでにそういった視点で聴いてくださってる方が何名かいらして、本当に作曲者冥利に尽きます。もちろん、漠然と"エモい"とか、そういうシンプルな感想が出てきているのもすごく嬉しいです。リスナーさんそれぞれの視点で、聴きどころを見つけていただければ。

マタロウ:新しい要素が入ったことで聴きやすくはなっているし、ある種のコマーシャル的な部分も感じられるかと思います。ただ、そこでまったく日和っているわけでもなく、ヘヴィさも殺していません。新しくなりつつも、今までの衝動性もハイブリッドに入り混じっていることが伝わればと思います。そして、これからライヴで演奏することで、さらに曲が成長していくのかなとも感じますね。

川光:lantanaquamaraのサポート・ドラマーがメタラーなんですが、彼いわく、「ネオンテトラ追放」から古き良きメタルを感じてくれたそうで。"聴く人が聴けばそう感じられるのか!"とも思いましたね。

マタロウ:誤解を恐れずに言えば、ダサカッコ良さがあるよね(笑)。 最初この音源聴いたとき、"なんじゃこりゃ!?"と素直に思ったよ。

-インターネット上では賛否両論分かれているようにも見えますが、そこについてはどのようにお考えですか?

SO:基本的には前向きに受け止めています。曲を聴いてがっかりした、みたいな意見が見えてしまうと悲しい気持ちにはなりますけど、後を追うように"1st EPは良かったのに"とフォローを入れてくださっている方がほとんどだったので。"あ、1st EPは気に入ってくれてたんだ、嬉しいな"という感じで、持ち直して(笑)。少し大きな話になりますけど、歴史に残るような名盤を残したバンドって、基本的に新作をリリースするたびに中規模以上の賛否両論を巻き起こしているケースが多いと思うんです。先に挙げたRADIOHEADの『Kid A』もそうだし、僕の世代だとMETALLICAの『St. Anger』なんかは信じられないくらいに非難されていたので。『Load』なんかもそうだったと言われてますよね。

-今でこそ、これらの作品は名作ですが、当時は大きな方向転換故に物議を醸しましたよね。

SO:はい。ただ結果として物議を醸したバンドはさらにビッグになっている。最近だとBRING ME THE HORIZONの『That's The Spirit』も素晴らしい作品でした。方向転換すればなんでもいいとは思ってませんが、「ネオンテトラ追放」が小規模ながらも賛否両論を生んでいることに関しては、手応えを感じています。