INTERVIEW
花冷え。× 田浦 楽
2018.09.14UPDATE
2018年09月号掲載
花冷え。:ユキナ(Vo) マツリ(Gt/Vo) ヘッツ(Ba/Cho)
田浦 楽
インタビュアー:吉羽 さおり Photo by もがみゆうな
-手軽に、とにかくいろんな音楽を聴ける時代にはなっていますね。では、レコーディングについてはどうでしたか。
マツリ:大変でした。以前にもスタジオで録ったことはあったんですけど、時間も決められていて、その時間内でできるだけいいものを録るっていう感じだったので。こんなに自分たちの意見も伝えられて、作るのがどれだけ大変かっていうのを、今回のレコーディングで知って。私は編曲から楽さんとやっていったんですけど、すごい大変だった(笑)。
田浦:マツリが一番大変だったと思いますよ。でも素敵でしたよ、みんな。僕が18歳くらいのときよりも必死にやってました。
マツリ:そう、必死(笑)。
田浦:その必死さが懐かしかったというか、俺も忘れちゃいけないなっていう勉強にもなりましたしね。彼女たちは大学にも通って、バイトもあれば、バンドの練習やライヴもあるしっていう環境で、混乱していたと思うんです。その中で、ものすごくいいものを作ろうっていう思いをひとりひとりから感じられたので。頑張ったものが、結果として形になればいいなと思いましたしね。ひとりでも多くの人に聴いてもらいたいなと思います。
-ただ、田浦さんのスケジュールもかなりタイトでしたよね。レコーディングの間に、Crystal Lakeはヨーロッパ・ツアー(2018年6月から7月にかけて開催した"UK / EUROPE SUMMER TOUR 2018")をしているという......。
田浦:僕のせいで問題が起きた部分もありましたね(笑)。ヨーロッパ・ツアー中もLINEでやりとりしたりしていました。
-花冷え。としては、長期間緊張感を保ちながら制作していく難しさもあったのでは。
マツリ:最後に録ったのがシャウト・パートだったんですけど、一番神経を張っていたのはユキナだったかな。ライヴとレコーディングとが交互にあって。ちょうどライヴも本数が多い時期だったんです。
マツリ:大学の休み期間に入ったので、ライヴを詰め込んでいたんです。メンバーに余裕のある時期はライヴを増やすようにしていたんですけど、ちょうどそこに当たってたという(笑)。
田浦:その2ヶ月くらい前にも、マツリがぶっ倒れていたりとか、ヘッツが風邪引いてズルズルの状態で来たりもしてたよね。
マツリ:メンバーの体調不良が続いて。いける! って思ってやったら、ダメだったりとか。
ユキナ:甘かったね(笑)。
マツリ:でもできあがったものを聴いたら――最後の「ドラスティック・ナデシコ」がバンドとして最新の曲になるんですけど、いい意味で予想していたより花冷え。っぽい曲になったなぁって。花冷え。を表してる感じがしましたね。特に注目してほしいです。
-この先に繋がる曲でもありそうですね。
ヘッツ:ヴォーカルのふたりは、レコーディングしながら曲の雰囲気や全体像がわかるじゃないですか。私はベースだから先に録っているので、仕上がった音源が届いてそれを聴いたときに、"めっちゃかっこいい!"と思って。そのとき、大学の課題でミシンをダーっとかけていたんですけど。"めっちゃ好き、これ絶対いいわ!"って思いました。
マツリ:それくらい全員自信があるものになりました。納得いくものができたので。これが世の中にどう伝わっていくんだろうっていう感じはあります。
田浦:判断するのは聴いてくれるみなさんなので、なんとも言えないですけど、達成感はすごくあるし、やりたかったけどやれなかったというものはないですね。今までこの子たちは、時間的にも予算的にも、レコーディングで満足するテイクが録れなかったことがあったと思うんです。今回は納得いくまで録ってもらいました。これで全力出さなかったら、僕も含めて何かしら言い訳していたと思うので。言い訳できないようなものにはしました。
-リリース・ツアー(2018年11月から12月にかけて開催する"花冷え。「開花宣言」Release Tour 冬桜前線巡業2018")もありますが、バンドとしてはどんなヴィジョンを持っていますか。
ユキナ:私はやっぱり、女性のラウドロックっていうのを確立していきたいですね。
マツリ:うん。"女性のラウドロック・バンドと言えば、花冷え。"という状況まで持っていきたいですね。簡単に言うと、売れたいっていう(笑)。そこまでにも細かい目標はバンドとしてあって。地方ではまだ花冷え。を知らない人がたくさんいるので、まずは今回のツアーで、音楽が好きな人に知ってもらうというところから徐々に広めていきたいです。
ヘッツ:あとは、やっぱりホルモンとかとも対バンしたいです。
マツリ:それは最終目標だよね。コピーしてたバンドと対バンっていうのは、ひとつの目標ではあります。
ユキナ:あとは、メタルやラウドだけじゃなく、いろんなジャンルのバンドとも対バンしてみたいです。
ヘッツ:ジャンルが違うところに出ても、みんながノってくれたら嬉しいね。
マツリ:ラウド、メタルコアが好きじゃない人も聴けるようなバンドでありたいですね。