花冷え。：ユキナ（Vo） マツリ（Gt/Vo） ヘッツ（Ba/Cho）
田浦 楽
インタビュアー：吉羽 さおり　Photo by もがみゆうな

－花冷え。のみなさんはもともとどういうバンドが好きだったんですか。

ユキナ：最初はマキシマム ザ ホルモンのコピー・バンドだったんです。

マツリ：全員好きですね......あ、でもヘッツはちょっと違う感じかな。

ヘッツ：私はもっと普通の音楽が好きだったんです、アジカン（ASIAN KUNG-FU GENERATION）とか。アニメとかの音楽も好きで。

ユキナ：それを、染め上げました（笑）。

マツリ：このふたり（マツリ、ユキナ）は、もともと重めのメタルコアとかラウドとか、あとはメロコアとかパンクも好きで。好きなものは結構被ってますね。マキシマム ザ ホルモンのほかにもSiM、Crossfaithとか、今最前線で活躍されているバンドを聴いていました。

ユキナ：一緒にライヴにも行ったりしてね。

マツリ：私はルーツがハイスタ（Hi-STANDARD）なんですけど。

－ハイスタは、マツリさん世代というよりは、親の世代が聴いているような感じですよね。

マツリ：そうですね。知ったときには活動休止していたので。GREENDAYとか、パンクっていう感じのバンドはもともと好きでした。親の影響ですかね。

ユキナ：私はELLEGARDENとマキシマム ザ ホルモンから、バンドや音楽に入りましたね。軽音部の先輩が、その時エルレ（ELLEGARDEN）とかホルモン（マキシマム ザ ホルモン）をやっていて、それに憧れてバンドを聴き始めて。

－軽音部的にはラウド系のバンドをやる子も結構多いんですか。

マツリ：いえ、浮きまくりでした（笑）。

ユキナ：無理やりみんなに、"（ラウドは）こういうものだよ"って広めてました。

マツリ：それで徐々にみんなも知り始めて。高3のときには、もうそのジャンル自体普通に知られるようになったんですけど、もともとは全然このジャンルに興味のない子たちが多かったので、最初は大変でしたね。

田浦：しかも女子校だったみたいですよ。

－じゃあ余計に知らない子もが多いかもしれないですね。ライヴをやっても引かれちゃう感じとか。

マツリ：そうです（笑）。学校でのライヴでも前に誰もいないみたいな。

－では、学校の外に出てライヴハウスに出るようになってから、いろんなバンドと接点ができた感じですか。

マツリ：そうですね。部活自体がそういう状態だったので、わりと居場所がないというか、わかってくれる人がいなくて。顧問の先生もジャズとかが好きな人だったので。

ヘッツ：私たち、騒音って言われたもんね（笑）。

マツリ："おっしゃる通りです"っていう感じでしたけど。それでライヴハウスという存在を知って、高校生でも出れるっていうのがわかって、出てみようということになったんです。初めて自分たちで連絡をして出たのは立川BABELでした。そこから徐々に名前も広がって、BABELのブッカーさんともコミュニケーションをとって、他のところにも出られるようになってきて、という感じでした。

－学生時代からオリジナル曲を作っていたということですが、普段はどんなふうに曲を作っているんですか。

マツリ：私が主に基盤を作っています。まずドラムとギターのリフとかだけ入れたデモを作って、ガチガチには固めない段階でふたりに投げて、ベースはヘッツに好きなようにつけてもらっていますね。メロディに関しては、ユキナと曲のテーマの打ち合わせをして、それをメンバーで共有してから、それぞれで作ってます。私が先にクリーンのメロディを作って渡して、ユキナが他の部分をつけたり、メロに被せたり、という感じで。基盤は私ですけど、完成までを考えるとみんなでやっていますね。

－今、ドラムの方はサポートなんですか。

マツリ：ボア（Dr）はもともと正規メンバーとして入ったんですけど、9月で脱退することになってます。ちょうど1年前くらいに入った他校の子で。最初は、曲作りでも"指示されたものを叩くので"っていうスタンスだったんですけど、だんだんと自分でドラムをつけたり、アレンジしたりするようにもなっていて。今の楽曲とか今回の曲では、彼のアレンジも入っています。

－ライヴ写真を見たんですが、ドラマーの方がかなり目立ってますよね。しかも全身タイツを着てライヴをしていて。

マツリ：そうですね（笑）。クセがある。

ユキナ：ちゃんと家からその格好で電車に乗ってくるんです。

－その格好で来ちゃうんだ（笑）。

田浦：彼なりのコンセプトがあるみたいですよ。

ヘッツ："帰るまでがライヴだ"って、言ってます。

田浦：でもあんな格好してるのに、本当に喋らないんですよ。

マツリ：すごくシャイなんです。

田浦："ドラム、こういう感じとかどう？"って話しても、"あぁ......かっこいいっすねぇ"っていう感じで（笑）。