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INTERVIEW

DIMLIM

2018.08.08UPDATE

2018年08月号掲載

DIMLIM

Member:聖(Vo) 竜弥(Gt) 烈(Gt) 大志(Ba) 鴻志(Dr)

Interviewer:藤谷 千明

-「Malformation」に顕著ですが、全編に漂う異形の、異端の悲しみはどこから来ているものなのでしょうか?

聖:自分に当てはめているところもあります。人と違うことって、結局のところ少数派じゃないですか。少数派は虐げられるし、歪んで受け取られる。自分自身のこととして殴り書きしたような歌詞なので、書いているときのことはあんまり覚えてないですね。

-そういう感覚をずっと抱えられているのでしょうか?

聖:生きていてずっとというか、小学校からずっとそういう感覚は持っていました。普通に生きていたら、それを吐き出す場所って存在しないけれど、今はDIMLIMという吐き出せる場所があるので、吐き出しています。

-「D.Hymnus」の"Hymnus"は賛美歌という意味ですが、"D"は?

聖:DIMLIMです。ちなみにこの"D"は読みません。

-どのような意図でこのタイトルにしたのでしょうか?

聖:賛美歌を歌っている子供たちの表情って、一見笑っているじゃないですか。でも本当に心の底から笑っているんだろうか? そんな意が込められています。普段暮らしている社会でもそうですよね。みんなニコニコ、ヘラヘラしているけど、本当にそれを正しいと思ってやっているのかな? "それが正しい"と教えられてきたからじゃないのって思うんです。日本ってやっぱり、"みんながやっているから"、"みんながそう言うから"みたいに思考停止してしまい、自分の頭で考えて行動していない人が多い。だけど、僕たちはそうじゃないっていう。

-ラストを締めくくる「「人」と「形」」の歌詞は"人知れず人を殺めてる"、"次はどんな言葉で殺すの?"というフレーズが印象的です。

聖:実際、言葉って人を殺せるじゃないですか。本当に死ななくても......。これまで、そういう言葉を浴びせられてきたし、そういう人を何人も見てきた。今回、全体的に歌詞はわかりやすいと思うんですよね。それも意図的にやっています。これまでは比喩表現や倒置法を使って、わざとわかりにくくしていて、いろんな解釈ができるような歌詞にしていました。今回も、いろいろ捉えられてもいいけど、自分自身が本当に伝えたいことを伝えたいように書こうかなと。その中でも「「人」と「形」」は、かなりわかりやすいというか、だって普通に自分でも気がつかないうちに人が傷つくような言葉を使っていたり、逆に人知れず傷ついたりすることだってあるじゃないですか。

-かなり現状にフラストレーションを溜めているようですが。

聖:そうですね。今度僕ら初主催イベント(2018年8月8日に渋谷clubasiaにて開催/※取材日は7月末)をやるんですけど、イベント名が"オトノギ"というタイトルなんです。"音楽の儀"、つまり本当に"音楽をしてる"奴らを集めたかったんです。

-そこに鳴る、Ailiph Doepa、ichika、K、L.O.V.E、Sailing Before The Windと、バラエティに富んだ布陣ですね。

聖:これはあえて言いますけど、どうしてわけわかんねぇヴィジュアル系バンドがいないかっていうとそういうバンドは"音楽をしてない"からであって......(苦笑)。

鴻志:そこまで言っていいのかな......(※頭を抱える)。

聖:だって、僕らから見ると"音楽をしている"とは到底思えない。集客しか考えていないイベントで"わいわい、キャーキャー、面白かったねー"もいいと思います。でも、それじゃあ別にバンドで、音楽でやる必要もない。僕らはそうじゃないので"音楽をしている"と感じられる人たちを誘いました。まぁ、僕は誘ってないですけど。みんな、他のメンバーが声を掛けました(笑)。

烈:この日に限ったことではないけど、イベント全体を観てほしいんですよね。目当てのバンドだけを観る人だって、それでもいいと思うけど、決して安くはないチケット代を払ってその場所に足を運ぶのであれば、他のバンドも観た方が何か発見があるかもしれない。正直、今のヴィジュアル系シーンって音楽が"二の次"になっているバンドが多いと思うんです。僕らまでそこに右へならえしてしまうと、シーンが終わってしまうような気がして......。シーンを語れるほどじゃないですけど、ヴィジュアル系だけの中で売れたいとも思ってないし、そもそも"ヴィジュアル系"は音楽ジャンルでもないと思うし。だからこそ逆に、なんでもやれるという強みはある。メイクも表現の一環でやってるし、ヴィジュアル系は好きですけど、でも今のヴィジュアル系はうーんですね。

聖:僕らも別に毛嫌いしてるわけじゃない。でも、単に一緒にやりたいと思う人もいなかった。

烈:普段からいろんなバンドをめちゃくちゃチェックしてるんです。でも"ちょっと違うな"って感じるバンドが多いんで。それだったら他のジャンルで必死に音楽をやっているバンドと一緒に盛り上げた方がイベント的にも面白いし、当然どこのジャンルのバンドにも負ける気はさらさらない。

-もしこれを読んで"悔しい"と感じるバンドがいれば......。

聖:自分のこととは思わないかも。今本当にヘイトが溜まってるんで。今回のアルバムにもそれは込めていますし、"オトノギ"というタイトルも、そういう気持ちからきているところはあります。

-では最後に激ロック読者に向けてひと言コメントをお願いします。

聖:ひと言......。"もっと音楽を聴け"ですね。

鴻志:これ以上はヤベぇって!

-昨今はひとつの発言だけ切り抜かれて、炎上したりすることもありますからね。

聖:炎上とかしたくないし、ましてや狙ってるつもりもない。単に聴くべきものを聴くべきで、それだけのことです。

烈:でも単純な話、聴いた方がいいと思うけどなぁ。日本って海外よりも遅れているし、やっぱり生活の中で音楽が"二の次"なんですよ。音楽を聴いて人生が変わることってあると思うし、今はいくらでもいろいろな音楽を聴くツールがあるのに、聴かないなんて。僕らのだけじゃなくて、いろいろな音楽を聴いてほしいですね。生意気失礼(笑)!