INTERVIEW
DIMLIM
2017.08.15UPDATE
2017年08月号掲載
Member:聖(Vo) 烈(Gt) 竜弥(Gt) 翼(Ba) 壱世(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
その威風堂々たる尖った姿勢があるからこそ、生まれる鋭利な音がここにはあるはずだ。DIMLIMが表現しているものは、時に殺伐としていて、時に無情なるものでもあったりするが、いずれにしても聴き手の胸を抉ってくる掘削能力はなかなかに高い。先立って6月にライヴ会場限定にてリリースされたミニ・アルバム『VARIOUS』が、このたび新たに流通を通しての初回限定盤および通常盤として、新曲を計3曲追加したかたちで世に出されることになったわけだが、来年の1月27日には1stワンマン"THE SILENT SONG"を高田馬場AREAにて開催することも決まったなか、今シーンの最前線で闘い抜いていこうとしている彼らの真意はこの音に託されていると言えよう。
-6月に会場限定にてリリースされたミニ・アルバム『VARIOUS』が、このたび新たに流通を通しての初回限定盤および通常盤として、新曲を3曲追加したかたちで世に出されることになったそうですね。
壱世:話の発端としては、『VARIOUS』の最後に入っていた「「初潮」」という曲をシングル・カットみたいなかたちで出そうかという話がバンド内で出ていたんですけど、思っていた以上にミニ・アルバム自体がかなり好評だったのもあって、今回は新曲を入れつつ新たな『VARIOUS』として全国流通させることにしたんです。
-追加曲は、初回限定盤に「limit of reverse」、「MASSACRE」、通常盤に「浄土の花」となりますが、制作の際に前回のレコーディング経験が生かされる場面はありましたか?
翼:いや、そこは別に前と基本は何も変わんなかったですね。
壱世:今回はとにかくスケジュール的にキツキツだったのもあって、勢いのままやってしまった感じはあります(笑)。むしろ、フレーズの面では前回よりもシンプルにしたところがあったくらいですね。特に、「浄土の花」は原曲だとドラムを難しく作り込んであったんですけど、今回のレコーディングに向けては音を整理しました。
翼:「浄土の花」に関しては、強いて言うなら間奏に入れたタッピングのベース・ソロが今までにはなかったアプローチになるのかな。あそこは、人があんまりやってなさそうなことがしたかったんですよ。ただ、ボスハンドのアルペジオみたいなタッピングだから、聴いた人にギターだと勘違いされたらイヤだなぁ(苦笑)。
-あのフレーズは効果的なフックになっていますから、そこは問題ないかと。一方で、ギター隊のおふたりは今回のレコーディングでどんなことを意識されていたのでしょう。
竜弥:今回の新曲の中の「MASSACRE」は自分の曲なんですが、これは途中にウォール・オブ・デスがあるんですね。それもあって、この曲のリフには結構こだわりました。4パターンくらいのリフを考えていたんですけど、時間に追われていたなかで、ギリギリまで粘ってひとつに絞り出しました。意識とゆうか、周りの方からも言われたりするんですが、いい意味でお互いにまったくタイプが違うギタリストなんです。烈君がよく動くピロピロ系のフレーズが多いタイプだとすると、僕はコード感の方を重視しながら刻んだりしている方が気持ちいいタイプなので、今回のレコーディングでもそこのキャラの違いはうまく生かせたと思います。
-かくして、ここにはアッパー&ヘヴィな「limit of reverse」や殺伐としている「MASSACRE」、また一転して叙情的な旋律の光るバラード「浄土の花」といった、相当に振れ幅の大きいサウンドたちが生まれました。そんな新曲たちを歌っていく際、聖さんはヴォーカリストとしてどんなふうに描き分けていこうと考えられましたか。
聖:いや、別に何も。歌う前に考え込んだりすることはあんまりしないので、曲を聴いて受けた印象をそのまま歌詞にして、曲に対して感じたことを直感的に歌にしてるだけです。
壱世:ほんと、そこはウチの場合かなり自然ですよ。楽器隊にしても、曲によって具体的に変えているのは音量差くらいですから(笑)。そもそも、ライヴの場合は楽器も機材もずっとおんなじものを使いながらいろんな曲を演奏するわけじゃないですか。ヴォーカルにしても、頭で考えたりする以前に声を発しているんじゃないですかね。ウチのバンドはレコーディングでも、メンバーみんながライヴと近い感覚でやっているんだと思います。
翼:そうそう、音色をいちいち細かく変えたりはしないので、手元のニュアンスで音を変えようっていう感じは俺もありました。
壱世:ウチはまったくジャンルというものにも縛られていないし、縛られたくない。最近は"デスコアっぽい"とか周りからよく言われたりしてますけど、自分たちでは特にソレを意識してやっているつもりはないんですね。何でこういうのをやっているかと言われたらできちゃうし周りができないことをやってると思うんですよね。だからこそ、激しい曲だけじゃなく「浄土の花」みたいな曲も他の曲たちと同じような感じでサラッとやれちゃう。もしかしたら、明日にはポップスみたいな曲をやっているかもしれないですよ。
-「「初潮」」のMVにおける映像表現もだいぶ刺激的ですね。あの映像のプロットも、メンバーが考案しているのでしょうか。
烈:僕と聖君のふたりで話し合って決めていきました。ざっくりとしたシナリオのようなものを書いて、映像の方のクルーに投げてこういうかたちになったんですけど、前のMVとは色味から何からすごく対照的な内容になったのが良かったなと思います。
聖:誰が観てもすぐに意味や意図がわかっちゃうような映像にはあんまりしたくなかったんですよ。詞にしてもそうなんだけど、こっちとしては受け手に対して"そこは考えて"っていうふうにしたいというか。まぁでも、そこを汲み取ることができればライヴでの楽しみ方も変わってくるとは思いますよ。
-来年の1月27日には1stワンマン"THE SILENT SONG"を高田馬場AREAにて開催することが決まっているそうですし、そうした場でもウォール・オブ・デスがあるという「MASSACRE」を筆頭に、『VARIOUS』の楽曲たちが大活躍していってくれそうです。
聖:「MASSACRE」はまさにライヴを想定して作ったものなんですよ。ほんと、ライヴは遊びじゃないんで。
翼:あぁ、なるほどね。ウォール・オブ・デスのある曲だから、詞でも"殺し合いをやれ"って言ってたのか。それ、今ここで初めてわかった(笑)。
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