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INTERVIEW

DARRELL

2018.07.18UPDATE

2018年07月号掲載

DARRELL

Member:藍(Vo/Gt) 潤(Gt) JOKER(Ba) 真(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

光射す場所にこそ、陰と闇は生まれる。闇が闇としての意義を持つのは、すべてを曝け出すような光の明るさが、対となるものとして存在しているからこそ、と言えるのではなかろうか。名古屋の雄として名を馳せたDEATHGAZEが活動休止となってから、もうそれなりに久しいが、そのフロントマンであった藍が中心となり2017年夏に始動したという新たなるバンド DARRELLが、このたび1stアルバム『DARXNESS』を完成させるに至った。ダイナミズムに満ちたヘヴィ・サウンドだけでなく、珠玉のメロディ・センスが生かされた楽曲たちは、どれも激しく美しく狂おしい。これは8月の東名阪ツアー"DARRELL ONEMAN TOUR「SLASH THE DARXNESS」"も楽しみだ!

-DARRELLは始動してほぼ1年になるそうですが、このたび1stアルバム『DARXNESS』が完成するに至りました。そして、このバンドはもともと藍さんのソロ・プロジェクト(藍-AI-)に参加していたメンバーを軸に生まれたものだったそうですね。

藍:もともと僕はDEATHGAZEというバンドをやっていまして、そこが活動休止になった時点でまずはソロを始めたんですよ。当時はライヴ活動をしていくつもりはあまりなくて、CDの制作と発表だけをやっていこうかなと思っていたんですが、"ライヴをやってほしい"という声もいただきましたし、自分の中でも"やっぱりライヴをやりたいな"という気持ちがだんだん出てきたので、サポートしてもらえるメンバーを探したんです。ドラムの真は地元の名古屋で出会った後輩で、ベースのJOKERはずっとDEATHGAZEのローディーとしてついてきてくれていたんですけど、彼が楽器を弾けることも知っていたので、僕から誘いました。そして、ギターだけはなかなか決まらなくて、潤もこれまた名古屋の後輩のひとりで、偶然会ったときに潤の方から声を掛けてくれたんですよ。

潤:僕の方から、藍さんに挨拶をさせていただいたんです。

藍:それで、いろいろ話をしていたらギターを弾いているということがわかって、"やってくれない?"という流れになったというか。しかも、この4人で音を合わせてみたとき、直感的に"これはいけるな"という感覚があったんですよね。しかも、その時点で僕としてはソロを1年くらいやっていたことになりますし、シングルもアルバムも出して、ソロとしては"もうやり切った"という思いが強くなっていたところだったんですよ。だから、ここからはこの4人で一緒に音を作っていく新しいバンドをやりたいなという気持ちになったんです。

-だとすると、藍さんから"バンドをやりたい"と意思表示があった際に、もともとはサポート・メンバーとして誘われていた楽器隊のみなさんは、その言葉をどのように受け止めたのでしょうか。

潤:最初のリハーサルの段階から、"ギターが決まったらバンドにしたいと思っている"という話を藍さんからは聞いていましたし、僕はDEATHGAZEの音楽も大好きだったので、藍さんは憧れの存在でしたからね(笑)。実を言うと、そのころは他にバンドをやっていたりもしたんですが、そちらの方は区切りをつけたうえで、藍さんと一緒にバンドをやることに決めました。純粋に嬉しかったです。

真:藍さんはバンドになる前から、"バンドにしたいんだよね"ということを常日頃言っていたので、僕としては"やっとバンドになるんだな"みたいな感覚でしたね。

JOKER:サブリミナル効果的な感じで、僕らはずっと側でその言葉を聞いて刷り込まれていたんですよ(笑)。

藍:嫌だったんかい(笑)。

JOKER:いやいや、それだけナチュラルに始められたっていうことです!

真:ただ、僕らからすると藍さんは先輩ですからね。そこから同じバンドのメンバー同士という形になったときに、どういう目線でいればいいのかなとか、音楽性的にもそれぞれが違うことをやってきたなかで、ひとつのバンドとして一緒に音楽を作っていくとなったら、このバンドはどんな色を出していくことになるんだろう? という、ちょっとした戸惑いみたいなものは最初のうちだけ感じていたこともありました。だけど、実際に始まってみたら純粋に楽しくなりましたね。

-ちなみに、藍さんはヴォーカリストである一方、レコーディングでもライヴでもギターを弾かれるミュージシャンです。ギタリストの潤さんの立場から言って、いわゆるギター・ヴォーカルがいるバンドでプレイをするうえで心掛けていることはなんですか?

潤:これまではツイン・ギターのバンドで弾いていたこともあり、ひとりだとちょっと心細いところがあるので(笑)、藍さんも弾いてくれるのはありがたいです。だから、感覚的にはツインでやっていたときとそんなに変わらないんですよ。

-なるほど。では、ここで藍さんにDARRELLの作曲者としての見解をうかがいましょう。ソロ時代とDARRELLになってからで、曲の作り方や目指す方向性にはどのような変化がありましたか。

藍:それがですね。自分の中には、DEATHGAZEはDEATHGAZE、ソロはソロ、DARRELLはDARRELL、といった線引きは特にないんですよ。今のDARRELLに関して言えば、自分が作ったものをDARRELLでやるからDARRELLの音楽になる、という感覚なんです。意識としてもし違うところがあるとすれば、このメンバーとやりたいものを曲として作っているというだけの話ですね。特に"DARRELLだからこうしてやろう"みたいな姿勢はないですけど、今のメンバーはそれぞれに柔軟性を持っているミュージシャンばかりなので、わりと自由な形で何か決まったことを意識することもなく、とにかくみんなで一緒に音を出したときに楽しめる曲を作りたいっていう気持ちでやっていると、勝手に曲たちが生まれてきます。