INTERVIEW
DARRELL
2018.07.18UPDATE
2018年07月号掲載
Member:藍(Vo/Gt) 潤(Gt) JOKER(Ba) 真(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
-なお、DARRELLにとって1stアルバムとなる今作『DARXNESS』には全13曲が収録されておりますが、初期のうちにできあがったのはどちらの曲になりますか。
藍:実は、このアルバムにはソロのときのシングル曲「DESPAIR」(2016年リリース)をリテイクしたものも入っているんですよ。DARRELLになってからの曲だと、最も古いのは「DEAD INSIDE」ですね。これはDARRELLの1stシングル(2017年7月リリースの『DEAD INSIDE』)として出した曲で、そのほかにも2ndシングルとして出した「QUINN」(2017年11月リリース)、そして昨年末にやったワンマン・ライヴ(2017年12月29日に名古屋HeartLandで開催された"1st ONEMAN LIVE「TOMORROW NEVER DIE」")の会場限定で配布した「I HATE YOU」も、この『DARXNESS』には入れてあります。だから、今回はもともとあった曲が4曲、それ以外の冒頭SE「GARBAGE FREAK」を含めた9曲が新曲という構成になってます。
-ソロ楽曲であった「DESPAIR」をDARRELLとしてリテイクした際、最も変化したのはどんなところでしょうか。
藍:そのままと言えばそのままだと思います。アレンジを変えたわけではなく、このアルバムのためにこの4人で録ったというだけですよ。
-そこは、先ほどの曲作りに関するお話とも繋がりそうです。
藍:そうですね(笑)。
-そんな今作には、"DARXNESS"というアルバム・タイトルが付けられております。また、ジャケットのアートワークなども含めて、基本的にはDARRELLがダークな闇属性を持つバンドであることを多分に感じる仕上がりとなっている印象が強いです。しかし、ことメロディの部分に着目すると、泣きあり、わびさびありで、ヘヴィなバンド・サウンドが根底にありながらも、美しい響きが大事にされているようにも感じます。
藍:あえて比べるとするなら、それこそDEATHGAZEのときはもっと激しい感じや速い曲とかがいろいろありましたけどね。そこもやっぱり、今のこの4人が持つ表現力とか特性みたいなものを前提としたときに、必然的に多く出てきたのがこういうメロディの存在感が強い曲たちだったんだと思います。ヴォーカルだけじゃなく、楽器隊もみんなで"歌っている"感じが今回のアルバムの曲はたしかに多くなりました。
-逆に、その中だからこそ「I HATE YOU」のようにアグレッシヴな楽曲が目立っていたりもするわけで、かなり絶妙なバランスでDARRELLの音世界が展開されているアルバムに仕上がっているとも言えますが、そんな今作をレコーディングしていくうえで、ドラマーとして真さんが特にこだわったのはどんなことでしたか。
真:うちのバンドの楽曲って、テンポが速めのものも結構あるんですよ。そのくせ、どっしりしたニュアンスや音粒を求められることも多いので、そこのバランスをとるのが難しいんですよね。今回はその点でちょっと苦労しました。
藍:えっ! "そのくせ"って(笑)。
-きっとそこは、"なおかつ"という意味なのではないでしょうか(笑)?
真:あ、それです(笑)。単にツーバスを連打とかではなくて、1発ごとの音の重みを自分の加減でうまく出す必要があるので、このアルバムで特に意識したのはそこでした。
藍:なるほどね。さすが!
-アルバムを聴いていて、「DARKNESS」のキック・プレイは圧巻でした。この細身のフォルムから、こんなにも激烈で頼もしい音が放たれるとは! と、少し意外なくらいでしたよ。
藍:そうなんですよ。見た目は優男風なのにね(笑)。
真:見た目と音にギャップがあるって、それはそれでちょっと良くないですか? いい意味で、ヴィジュアル面とプレイのギャップが出せたんだとしたら、それは自分としてはわりと嬉しいです。
-では、JOKERさん。今作をレコーディングしていくうえで、ベーシストとして留意されていたのはどんなことでしたか。
JOKER:DARRELLは、ヴィジュアル系としての側面も持ったバンドですからね。ライヴでパフォーマンスしたときに映えるフレーズやプレイというものを、レコーディングしていくうえでは入れていくように考えました。もともとの僕は、スタジオ・ミュージシャン的な発想でしか楽器のことは考えないタイプで、ベースを弾ければそれでもう満足というタイプだったんですよ。
-なんと。今や、DARRELLの中では最もエキセントリック且つフリーキーでインパクト大なヴィジュアルをしているJOKERさんがですか?
JOKER:昔は、ちゃんと弾くことが自分の最大の役割だと思っていたんですよ。でも、今の僕は違います。むしろ、最近はテクニックどうこうよりも全身を使ってベーシストととしてどこまでの表現ができるのか、というところの方により大きい比重を置いている感じなんですよ。もちろん、ベーシストである以上はキッチリ押さえるところは押さえておかないと話にならないので、その狭間でどんなプレイをすればいいのか......と、僕も結構悩みましたね。
藍:悩んでたの? それは知らなかった。
JOKER:悩むというか、そこをどうすればいいのか考えることに多くの時間を割いてました。
-リズム隊としての仕事をこなしつつも、部分的には歌メロに対して積極的に絡んでいくフレーズを弾かれているように感じました。守りと攻めの両方を、的確に使い分けるプレイが特徴的ですよね。
JOKER:僕、きれいな流れの曲や音が好きなんです。
藍:JOKERは繊細さとか、人間味のある音を出すのが得意なんですよ。あのヴォーカルの、メロディに絡みついてくるようなところは本当にいいですね。まぁ、僕はデモの段階でリズム隊のフレーズもかなり細かく入れてしまう方ですし、それぞれのプレイの特徴も考慮しながら曲を作っているので、彼らの良さが出そうなアレンジに意識してすることもあれば、場合によっては逆に"こういうの苦手だろうなぁ"と思いながら、わざとそういうフレーズを入れてみたりもすることもあるんですよ(笑)。そして、実際のレコーディングで彼らがそこを乗り越えてくれるところが、またこのバンドをやっていてすごく楽しいところなんです。JOKERもこういう見た目だから、大抵は初めて会う人たちに怖がられることが多いですけど、とってもいい子なんですよ(笑)。