INTERVIEW
onepage
2018.04.11UPDATE
2018年04月号掲載
Member:Jin Oyagi(Vo) ヤマモ(Gt/Cho) 木村 祐介(Ba/Cho) yoshi(Dr/Cho)
Interviewer:高橋 美穂
前作から8ヶ月。onepageが2ndミニ・アルバム『when you feel be』を完成させた。2015年に結成されてから、"新しいもの"を追求し続けている彼ら。今作からは、そんな志がひとつ実を結んだことが伝わってくる。収められているのは、ミクスチャー・ロックの先人たちに敬意を表しながら、流暢なラップや必然的な打ち込みを取り入れ、"今のミクスチャー・ロック"へと昇華した全5曲。ここに至った道のりについて、メンバー全員に訊いた。
-まず『when you feel be』について、それぞれの手応えをうかがえますか?
木村:onepageらしさが出せた曲もありますし、後半の曲は今までと違うところも出ていますね。
ヤマモ:前まではミクスチャーと言えど、よりポップな路線だったのが、今回はあまり知らない人でも、"お、ミクスチャー!"って思ってもらえるような作品になったと思います。
Jin:1枚目(2017年リリースのミニ・アルバム『YellowFlag』)を聴いた人にも、聴いていない人にも"いいCDできたよ! 聴いてみてくんねぇ?"って言える1枚ができました。細かいことは聴いてナンボだと思うので。
yoshi:やっと周りの目を気にせずに、好きなことができたと思います。一般的にミクスチャーって聞くと、重い音を想像しがちじゃないですか。でも、僕らがやりたいのはポップな音なんです。これまでは、ちょっとワルっぽい感じにした方がいいんじゃないかとか、その方がレーベルの上の人にも通しやすいんじゃないかとか思っていたんですけど、今回は、自分たちの好きなものを作れたんじゃないかな。
-なんで周りの目を気にしなくなったんでしょうね?
yoshi:基本Jinが曲を作ってるんですけど、単純にそのレベルが上がったんじゃないですか。僕ら自身の説得力が、昔に比べると高まったから、意見が通りやすくなったというか。
Jin:すべてにおいてね(笑)。バンドとして筋力がついてきて、やっと"俺たちこういうバンドだぜ。聴いてくんねぇ?"って提示できるようになったのかな。......だといいなぁ(笑)。
yoshi:5曲全部、ジャンルが違うもんね。
ヤマモ:俺ら4人のグルーヴ感が、私生活も込みで前よりぐっと高まったと思ってるんです。だから、全部違う曲でも、それがonepageだよねって、聴いてくれる人にわかってもらえるような気がする。
木村:ゴホゴホ。
Jin:"木村:咳"って書かれるぞ(笑)。
木村:(笑)
-(笑)5曲がバラバラになったのは、意識的にやったことなんですか?
Jin:意識はしてないですね。作っていくなかで5枠に細分化されていったんですけど、その枠のひとつひとつで一番いい曲を揃えたから、こうなったのかなっていう気がします。
最近は、よりロック・バンドしてると感じます
-たしかに、聴かせていただいて、"この8ヶ月の間に何があったんだろう?"って思うくらい、1曲1曲に突き抜けたジャンル感と感情が宿っていると思いました。
Jin:僕は心の機微で曲を書くので、今まで接してた人が100人だったら、それが500人に増えれば、ムカつくことも嬉しいことも増えるんですよね。また、前作をリリースしてツアー(2017年8月~10月に開催した["Flagship Tour"~1st mini Album『YellowFlag』Release TOUR~])を回って、バンドというひとつの集合体で行動することが増えた結果、今まで僕だけの感情で書かれていた歌詞や曲が、チームの感情で書かれるようになったのかなって。前よりも書きやすくなりましたね。
-バンドやチームのメッセージを背負うと、書きにくくなる場合もあると思うんですが、Jinさんの場合は書きやすくなったんですね。
Jin:そうですね。最近は、よりロック・バンドしてると感じます。
-ロック・バンドでありながら、打ち込みなど、多彩な音を入れることに関しては柔軟ですよね。
Jin:音を入れることに関しては貪欲だし柔軟だけど、結果的に新しいものを作りたいってことに関しては固執してますね。また、ヒップホップを聴く、ハードコアを聴く、メロコアを聴くっていうメンバーがいるなかで、"こういうジャンルの曲はどう? この感じ伝わる? これはあり? ない?"みたいな話をしていって、新しいものを生んでいくプロセスがあるので、僕ひとりの自己満足ではダメだと思うんです。(リスナーにも)聴いたことがない音楽を聴いてほしいし。
-楽しめるだけじゃなく、新しいものを生み出していきたい気持ちがあるんですね。
Jin:そうですね。
ヤマモ:曲作りの主軸はJinなんですけど、最近は特に4人でそういう話をする機会が増えたんです。だから、Jinが持ってるエッセンスに、少しずつ違うエッセンスが入っていく傾向が、以前よりも強くなった感じがします。
-そういう意味でも、ミクスチャー・ロック度が高まったんでしょうね。
Jin:そうですね、あと僕らが、新しい世代のミクスチャー・ロックではなくて......バンド歴的にはそうなんですけど、メンバーそれぞれは音楽を長いことやってきていますし、ミクスチャー・ロックが最初にできた1990年代のバンドの流れを受けてやってると思うんです。だから、"自分たちがやっているのはミクスチャー・ロック"って言う理由は、その1990年代のミクスチャー・ロックに対するリスペクトがあるからなんですよね。