－そこからシリアスなラップの「FtoP」に入っていくところに、onepageの振り幅が表れていますよね。

Jin：ここが今回の見せ場です。僕、もともとラップが好きなんですけど、バンドでラップするのがこっ恥ずかしい時期があったんですよ。それを経て、今ラップをしようってなったので、一生懸命にラップする曲を作ろうかなって。新世代のミクスチャーでラップする子はすごいするから、俺も全編頑張ってみようかな！ って思ったんですよね。

yoshi：前作の段階でJinに怒ったことがあったんです。全部をきれいな曲にしようとしてたんですよ。でも、ラップしてるときのJinが一番生き生きしてるから、"お前がきれいにしようとしても無理や、ラップしろよ"って言って。だから、今回この曲がデモで来たときに、すんなりOKだと思いましたね。すぐに歌ってる姿が思い浮かびました。

Jin：こういうジャンルなんで、演奏するっていう意味では戸惑いもあったんです。新しいものを作るときには、今までの経験が役に立たないときもありますし。この曲に関しては、みんな探り探りやっていましたね。

－次の『again and again』では、思いっきりきれいなメロディが炸裂していますし、どっちもできるバンドだということが、この2曲が並ぶことで伝わってきます。

Jin：いい曲を選んだ結果、この2曲が残っただけなんですけどね。"どっちもできんだぜ！"って言いたいっていうよりは、ラップができることも、歌いたいこともわかってるうえで出てきた2曲なのかな。だから全曲ラップになるわけでも、全曲歌になるわけでもなかったんだと思う。

－今はどっちもやりたい？

Jin：そうですね。そこは開き直って、やりたいようにやります。ラップの曲だけめっちゃ売れたら、ラップしかしないようになるかもしれないですけどね（笑）。

ヤマモ：面白いことに、メンバーからすれば、Jinがラップしようが、歌おうが、結果的に好きな曲になるんです。だから、Jinがやりたいことを積み重ねていけば、バンドの幅が広がるんだろうなって。

－そしてラストは静かな「25:00」で終わりますね。

Jin：僕らバンドマンは夜型生活ですけど、普通は昼に働いて家に帰って音楽を聴く人が多いのかな？ って思ったので、夜に聴く音楽を作ってみようかなって。1日いろいろ悩んで、家に帰って、そのときに流れてくる音楽ってどんなものなんだろうな？ 24時でもない、0時や1時でもない時間に聴く――僕、小説をよく読むんですけど、"25:00"って好きな表現のひとつなんです。そういう、今日でも明日でもない、今日と明日を繋ぐ時間に聴く曲を作りたいなって思って、挑戦してみました。

－なるほど。考えてみると「Spoil」を聴きながら家を出て、「25:00」で1日を終えるっていう流れが見えるような曲順ですね。

Jin：たしかに。夕方に「again and again」を聴いて、"あと少し！"って仕事やって、家に帰るっていう。

ヤマモ：それでいきます！

－ライヴもどうなっていくか、楽しみですね。

Jin：4月20日にリリース・パーティー（新宿FATEで開催する"onepage 2nd mini Album 『when you feel be』Release Party"）があるので、それに向けて、前の曲と交ぜてみたり、どうできるかな？ って試しています。僕らはライヴ・バンドって言いたいし、ライヴでしか披露しないアレンジもあるし、そのイメージを絶賛膨らませ中です！