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INTERVIEW

Femtocell

2018.03.13UPDATE

2018年03月号掲載

Femtocell

Member:CHACO(Vo) Ryota(Gt)

Interviewer:宮久保 仁貴

2014年横浜で結成、"強気なサウンドの中にどこか優しさを感じさせてしまう"エモ・ロック・バンド Femtocellが、初の全国流通盤となる1stフル・アルバム『Substrate』をリリースする! 4年間の活動を経て、満を持してリリースされる本作。これぞ"2018年現在の「エモ」の本流だ!"と言わんばかりの哀愁と優しさを兼ね備えた美しいメロディが溢れ出ている。今回、彼らの集大成でもあり、第2章の始まりを告げる名刺代わりの1枚となる今作をひもとくべく、インタビューを実施した。

-激ロック初登場ということで、簡単な自己紹介をお願いします。

CHACO:初めてインタビューを受けるのでワクワクしてます!

Ryota:そして若干緊張も......(笑)。僕たちFemtocellは2014年に横浜で結成して、今までに2枚のシングルと2枚のミニ・アルバムの計4枚のCDをリリースしてきました。今回リリースする1stフル・アルバム『Substrate』に関しては、バンド初の全国流通になります。これまでの活動のなかで、メンバー・チェンジを経て、2017年の5月から現在のメンバー編成に落ち着きました。

-結成の経緯を教えてください。

CHACO:もともと私がLeafiというバンドで、Ryotaがクモアイというバンドで、それぞれ活動していました。この2バンドはよく対バンしていたんですが、ちょうどふたりのバンドの活動休止と解散の時期が重なったんです。そこで、私たちは好きな音楽のジャンルも一緒だし、"一緒にやるか!"みたいな話になり、Leafiで一緒に活動していたKenKen(Dr)を誘い、3人でこのバンドを始めました。

-活動当初から活動拠点は神奈川だったんでしょうか?

Ryota:そうですね。横浜メインで活動を始めました。CHACOの話に続けると、Femtocell結成前からCHACOはフロントマンとして大好きなヴォーカルだったんですよ。過去、僕が加入していたクモアイが活動休止するにあたってワンマンを予定していたんですが、ちょっとした事情でヴォーカルがいなかったんです。そこで代わりにサポート・ヴォーカルをCHACOが引き受けてくれたんですよ。そこで一緒に合わせたときに、"いいな"と確信して、"一緒にやりませんか"と僕が言ったのが結成の本当のきっかけですね。

-後ほど加入されたYuki(Ba)さん、Yo-suke(Gt)さんの加入経緯を教えてください。

Ryota:今の5人編成になる前、メンバー脱退によって一時期3人編成になってしまったんです。そのときは現実問題、これからの活動をどうしていいか本当にわからなくなったんですよ。そんなとき、旧知の仲だったYo-sukeが加入してくれることになりました。もともとYo-sukeと僕は彼が中学生のときから付き合いがあって、彼が大人になったときに"一緒に音楽やりたいね!"という話をしていたので、彼ならば......と思い、声を掛けたんです。

CHACO:Yukiはメンバーを募集していた際に応募してきてくれたんですけど、偶然Yo-sukeと学校の先輩後輩関係だったんですよね(笑)。

Ryota:さらに言うと、僕とは小中学校が一緒で地元も近所だったんです。そこで不思議な縁を感じましたね。メンバーの募集をかけてたときにたくさん応募がきてたんですけど、ひとり目に応募してきてくれたのもYukiだったんです。彼自身の演奏プレイも非常に良かったので、ほぼ即決で加入してもらいました。彼自身もYo-sukeとの繋がりや、不思議な縁を感じて加入を決心してくれましたね。

CHACO:YukiとYo-sukeが加入したことによって、平均年齢が25~6歳に下がりました(笑)。

-"縁"に助けられていますね! それでは、バンド名の由来を教えてください

CHACO:私、ウサギを今までに2匹飼っていまして、1匹目が"チビ"って名前で、2匹目が"ピコ"って名前だったんです。両方とも意味的に"小さい単位"を示しているんですが、当時個人的に小さいものに対してのブームが来ていたんですよね。たまたま、理系の人と話してたときに、"なんかいい単位ない?"って話をしていたら、"Femto"という言葉を教えてもらったんです。"Femto"ってどういう意味があるんだろう、どれくらいの単位なんだろうとか、調べていくうちに自分の中でこのワードが馴染んできました。そこから、"Femto"で何かバンド名を作れないかなと模索したのがきっかけですね。

Ryota:"Femtocell"という単語があるのは知っていたんです。もともと、極めて小さな無線通信エリアという意味なのですが、僕たちの場合は"Femto(小さな)"と"Cell(細胞)"を掛け合わせた造語的なニュアンスで"Femtocell"と名乗っています。"Femto"の意味として、"小さい範囲からどんどん広げていこう"という考え、そして"Cell"は細胞という意味があるじゃないですか。小さい細胞もたくさん集まれば大きいものになるんじゃないか、という思いからこのバンド名を付けました。


人間の悲しみだったり、愛情だったり、いろんな気持ちを繋げていける1枚になればいいなと思ってこのタイトルを付けました


-今回のアルバムについて、メンバーの視点での聴きどころを教えて下さい。

CHACO:今回のアルバム名"Substrate"は専門用語で"基板"という意味なんです。ひとつひとつ、回路を基板にはんだで繋げていくじゃないですか。そういった意味で人間の感情、例えば悲しみだったり、愛情だったり。いろんな気持ちを音楽によって繋げていける1枚になればいいなと思ってこのタイトルを付けました。それこそ、自分たちバンド側の想いとリスナー側の想いも、この1枚によって繋げられればな、と思います。基本的にFemtocellの曲って"愛してます!"とか、"私は元気です!"みたいな直接的な歌詞じゃなくて、良くも悪くも抽象的で不器用な歌詞が多いんですけど、今回収録されてる楽曲もそういう歌詞が多いんです。私たちからは、聴き手側に押しつけようとは思いません。ただ、CDのブックレットの歌詞を見て、いろいろ考えてもらいたいな、と考えています。そして、私たちはなるべく、その人たちの生活に溶け込めるような楽曲制作を心掛けました。

-本作は、いい意味で想像をかき立てられるような、不器用なエモさを全力で体現しているな、と感じました。

Ryota:ありがとうございます! 僕の中での推し曲となると「Evolve」はぜひ聴いてほしいですね! また、アルバム全体で考えると、最終的に曲ができあがったとき、メンバー全員一致で"これいいよね!"と言っていたのは「INHERITANCE」という曲です。他のバンドもそうだと思うんですけど、"この曲いいよね!"って言う人と"俺こっちの方がいい!"って言う人もいたりして、バンド内でだいたい意見が割れるじゃないですか。この「INHERITANCE」は、"単純にいいな!"とみんなで感じられた曲ですね!