－今作のレコーディングはどちらで、そしてミックスとマスタリングはどなたが担当されたのでしょうか？

Ryota：レコーディングはFemtocellの活動が始まって以来、ずっとお願いしているSTUDIO ADITさんにお願いしました。

CHACO：録音もミックス、マスタリングもそこのエンジニアの本莊利之さんに担当していただきました。今までのFemtocellの担当の方は本作の制作中に引退されまして、途中から本莊さんに引き継がれたんです。彼は私たちが表現したいと思っていたエモさを汲み取ってくれましたね。

－ふたりが音楽活動を始めるにあたり、影響を受けたアーティストを教えてください。

CHACO：個人的にはPARAMOREがすごく好きで、フロントマンのHayley Williams（Vo）のようになりたいと思ったことがバンドを始めたきっかけになっています。

－いつからエモに触れ始めましたか？

CHACO：以前活動していたLeafiもFemtocellと同じくエモっぽい感じのバンドだったんです。バンド内で"エモとはなんだ！？"みたいな話になって、いろんな音楽を聴き漁って。その中で個人的にハマったのがPARAMOREで、"私の中でのエモはこれだ！"と気づき、この手の方向性の音楽をやりたいなと強く思うようになりました。

Ryota：僕は、その時々で聴いている音楽に影響されるタイプなんです。ただ、音楽を始めたきっかけはGREEN DAYで、昔から彼らの動向はチェックしていますね！ 生き様から何からパンクな感じが好きで、彼らにハマってからは西海岸系のパンク、メロディック・ハードコアに傾倒していきました。その流れで、エモ・レジェンドのJIMMY EAT WORLDやSTORY OF THE YEARもよく聴きましたね。そう考えると、ざっくり言えば僕のルーツはパンクなのかな、と思います。また、それとは別に、JUDY AND MARYが大好きでして、YUKIさんみたいな女性ヴォーカルの雰囲気が好きなんです。言うなら、疾走感のあるエモさと、感情的な女の子の気持ちが混ざり合った音楽がいいな、と。これらの理念が僕の根底にあったからこそ、Femtocellのようなバンドを結成できたのかなとも思います。

－おふたりのルーツを聴くと、Femtocellが押し出しているキーワード"どこか優しさを感じさせてしまうエモロック"というのはまさにバンドを体現しているな、と改めて感じました。それでは、『Substrate』の制作はいつごろから始められたのでしょうか？

Ryota：昔からフル・アルバムの制作はずっと考えていたんです。ただ、その途中でメンバーが脱退して、作業がいったんストップしました。そのため、この新体制になってからは作業が早かったですね。去年の5～6月から制作を再開しました。

CHACO：『Substrate』で最初に録った曲......いつだっけ？ すごい前だよね。

Ryota：もう2年前ぐらいじゃない？ でも、今の体制になってから結構短期間と言いますか、月2曲ぐらいのペースで作曲していました。

CHACO：あと、メンバーが変わってからもともと作ろうと思ってたアルバムとは若干イメージが変わったんです。今のメンバーだから"こういう曲もやれるんじゃない？"っていうような意見も活発に出まして。あまり難航はしなかったです。

－今の体制になったからこそ、逆にスムーズに進んでいるのかもしれませんね。

Ryota：そうですね。Femtocellの曲は、基本僕が全部作るんですけど、全体のアレンジを作るときとかは、僕とCHACOとKenKenはずっと一緒なんでイメージの共有ができているんです。ただ、新しく違うメンバーが入ると、"こいつならここはこうくるだろう"的なイメージが違うじゃないですか。それが不思議と今のメンバーになってかっちりハマるようになりましたし、自分たちの中でもやりたいことが明確に定まっていたのもあってスムーズに進んだのかなと思います。

－アートワークはどなたが担当されたのでしょうか？

CHACO：私が全部やりました！

Ryota：基本的にアートワークやデザイン関連はCHACOに全部やってもらっています。

CHACO：作品のジャケットもそうだし、物販やポスター、フライヤーとか......全部やりました！ 結構勉強しました（笑）。

－DIY精神がすごいですね！

Ryota：MVもそうだよね？

CHACO：そうそう！ 好きなんですよね、アートにかける時間が。「Evolve」のMVのシナリオはRyotaが担当したんですけど、本編は全部私がディレクションしました！

－話は変わりますが、最近カッコいいなと思ったアーティストさんがいれば教えてください。

Ryota：去年GREEN DAYがリリースした『Greatest Hits: God's Favorite Band』を聴いたときに、純粋に"すげーな！"と感じたとともに、彼らのメッセージ性にグッときちゃいましたね。長年の活動からか、初期と比べれば音楽性も若干ブレてはいるんですけど、根本はより深みを増したな～と感じました。