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INTERVIEW

RAMI

2018.01.25UPDATE

RAMI

Interviewer:米沢 彰

-アルバム制作に対する、ご自身の関わり方もすごく変わったということですね。

その変化は、ものすごく大きかったですね。ボイトレしながら、"あ、ここはこういうふうに歌ってもいいな"とか、"ここのアウトロにちょっと余白があるから、声入れてみたいな"っていう考えが自分の中に湧いてきたということが、すごく驚きではありました。それに、そういう提案をできる環境があったというのもありがたかったですね。

-ソロとして歌うようになったことで、客観的に見れるようになったということもあるのかもしれませんね。

そうですね。それまでに自分の中で成長できた部分っていうのを、今回はフルで活用できるようになった気がします。

-制作を進めるなかで、特に印象に残っていることはありますか?

今作で初めてトライしたことが、いくつかあって。まず、「Black Symphony」の最後のシャウトするところで、がなりながらシャウトするとか。今までは、普通に歌いながらメタル・シャウトっていうのはあるんですけど、そこにがなりを入れて、ビブラートをかけることをやっていて。あとは、「Realize」のイントロで"ハッ"っていう息遣いを入れたりとか、ギター・ソロの直前に"ハァ"っていう吐息を入れたりとか、そういうことも初めてで。今までは、そんなこと考えたこともなかったので、作曲家の方にアイディアをいただいて、そういう新しいこともトライできて楽しかったですね。"歌以外で、自分の声をこういうふうに使えるんだ!?"っていうことが、勉強になりました。

-引き出しを新たに作れたっていう感じですね。ところで、今作の"Reloaded"というタイトルはすごく攻撃的というか、アグレッシヴな印象を強く受けます。どういった想いでこのタイトルを付けたのでしょうか?

私のイメージでは、弾丸の中に自分の想いだったりとか、歌だったりとか芯の強さだったりが、火薬の代わりに込められているような感じで。それを"リロード(再装填)"してぶっ放すと、誰かに当たるじゃないですか。その誰かっていうのはリスナーのことで、当たったリスナーは私の声や意志を受けて、人生が変わるというか。いつも思ってることなんですけど、リスナーの人生の一部になりたいんですよ。なので、その弾丸によって、私がその人の背中を押せたらいいなって。「Reloaded」っていう曲の中では、弾丸を受けて出たその返り血を浴びて成長する毒花、みたいなイメージなんですけど(笑)。自分を花に喩えたら、花の栄養素はすべてリスナーの声援なので、それが血で返ってくるような、そんなイメージで書きました。

-「Reloaded」は疾走感に溢れていて、一番ストレートで、"らしい"曲を最初に持ってきたな、と感じました。

やっぱり"イントロで掴まないと!"と思って(笑)。本当は、「Reloaded ~Crystal Memory~」があっての「Reloaded」なんですけど、最初に「Reloaded」のイントロで"ワー!"ってなってほしくて頭に持ってきて。で、なぜ10曲目に「Crystal Memory(Reloaded ~Crystal Memory~)」を持ってきたかというと、アルバムをリピートで聴いたときに、「Crystal Memory」のあとに「Reloaded」が来るようになってるんですよ。その1周回って繋がっているような感覚を味わってもらえたらいいなと思って、この曲順にしています。

-リピートして聴いていると繋がっている感覚になってきますよね。そして、この曲はタイトル・トラックでもありますし、意味やメッセージがすごく込められているようにも感じました。

先ほどのアルバム・タイトルの話と繋がるんですが、その弾を撃つことによってリスナーの背中を押したいというのと、それによって自分も成長させたいという意味が込められています。歌詞の中に"鋼色"っていう言葉が出てくるんですけど、その"鋼"っていうのはヘヴィ・メタルのことを指していて、メタル・シンガーとしてのポジションを確立させたいという想いがあって、そういう言葉を入れているんです。あと、すごくこだわったのは"線条痕"ですね。私、サスペンスがすごく好きなんですけど、よく出てくるワードじゃないですか(笑)。

-出てきますね、一致するとかしないとかって(笑)。

線条痕って、唯一無二の傷跡なので。自分が銃だとしたら、弾丸につく傷跡って私から発せられたという証になるわけじゃないですか。それが、リスナーのところにまで届けばいいなと思って。その唯一無二の傷跡を、私の音楽として残していくっていう気持ちを込めてますね。

-すごく繋がってますね!

ロゴとかも、線条痕にかなりこだわってるんですよ! 細かいところまで作り込んでもらってます。

-こだわりを感じますね。そして、続く「Black Symphony」はリズム感も落ち着いて、大人なトラックで、この2曲の対比だけですごく面白いなと思いました。

こういう縦ノリの曲って、今まであんまり歌ってこなかったんですよ。ヘドバン曲は結構多かったんですけど、こういう洋楽っぽいノリの曲はあまりなかったので。リズムをとるのが難しくて、メロディも結構ラップっぽいというか、高低のあまりない曲だったので、歌詞を書くときも韻を踏むように意識をしたりとかして。そのあたりは、自分の中では新境地でしたね。苦労もしたんですけど......。

-サビがものすごく高くて、思わず"マジかよ!"って言ってしまいました(笑)。

そうですね、たしかに高いですね(笑)! しかも、途中で落ちサビがあるんですけど、そこからもとの高さに戻るときに1オクターブ上がるので、そこが特に大変でしたね。でも、そこでギャップを作ることで自分の力を発揮できるので、聴きどころになってるかなと思います。

-"この高さが出るのか~"とここで思いました。そのあとまた何度も思うことになるんですけど(笑)。続く「Moonlight」はライヴでの盛り上がりがすごく目に浮かぶようなトラックですね。今作のテーマとしてライヴ感があるように感じましたが、実際はいかがですか?

この曲は、みんなで一緒に"Moonlight"って叫んでほしくて。もともと、ライヴでみんな一緒に盛り上がれるようなアルバムにしたいっていうのがあったので、ライヴに来てくださるお客さんと同じひとつの空間の中で楽しみたいっていう気持ちを込めて、ずっと"Moonlight"って言ってるんです(笑)。

-その巻き込もうとする感じはすごく伝わりますね。

自分が台風の目みたいになれたらいいなと思っています。周りを巻き込むようなイメージで。