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INTERVIEW

MIYU × RAMI

2020.04.22UPDATE

2020年04月号掲載

MIYU × RAMI

MIYU RAMI
インタビュアー:長澤 智典

テクニカル系ソロ・ギタリストの異名を誇るMIYUが、5年ぶりとなる2ndフル・アルバム『Meta-Loid』をリリース。ゲスト・ヴォーカルに、RAMI、yurica(LAST MAY JAGUAR)、ツナ(Headphone★Baby)、IBUKI、Naki(CREA)、くりざべす(FROZEN CAKE BAR)の6名が参加。今回は、アルバムの軸を成す楽曲を歌うRAMIとの対談という形を通し、『Meta-Loid』の魅力をひもといた。互いに関西出身。以前から顔見知りの関係。最近は、RAMIのライヴでMIYUがサポートを担うなどの交流も行っている。その親密ぶりも感じていただけたら幸いだ。

-対談を始める前に、最新アルバム『Meta-Loid』誕生までの経緯について聞かせてください。MIYUさんはギタリストでありながら、いわゆるテクニカルな面を披露するインスト曲ではなく、何人ものヴォーカリストを起用した作品を作る傾向が強いですよね。本作も、そう。なぜ、そのスタイルを好むのか教えてください。

MIYU:私自身、歌モノが大好きというのが一番の理由です。今でこそメタル/ハード・ロック系を軸に据えていますが、最初はいろんな楽曲に挑戦しながらバラエティに富んだオールジャンルなスタイルを追求してきました。その中から、どのジャンルの音楽を支持してくれるのかを探っていくなか、メタル/ハード・ロックファンの方々の反響が強かったことから、次第にそちらへ傾きだしたんです。と言っても、完全にメタル/ハード・ロック寄りになるわけでもなく、2ndフル・アルバムの『Meta-Loid』でもメタル、ロック、サブカルと、3つのスタイルを詰め込んでいるように、そこは柔軟に表現しています。

-本作には、RAMI、yurica(LAST MAY JAGUAR)、ツナ(Headphone★Baby)、IBUKI、Naki(CREA)、くりざべす(FROZEN CAKE BAR)の6名がヴォーカリストとして参加。それぞれ選んだ理由も聴かせてください。まずは、畳み掛けるような歌声が印象的なyuricaさんからお願いします。

MIYU:先に概要を伝えておくと、今回収録した曲たちには、楽曲に合わせてヴォーカリストを選んだパターンもあれば、"この人に歌ってもらいたい"と明確なイメージを抱いたうえで作った曲も収録しています。まず、「Re:frame」を歌ったyuricaさんは、関西から上京後、初めて出会ったヴォーカリスト。彼女のライヴ・パフォーマンスやステージングがすごく魅力的なことから、"yuricaさんがどういう楽曲を歌ったら似合うのか"までを考えながら作ったのが「Re:frame」になります。この曲はyuricaさんが歌うことを前提に......彼女しか歌う人がいないというイメージを抱きながら作りました。

-続いては、とても解放感を持った歌声が魅力のツナさんですね。

MIYU:パワフルなハード・ロック・ナンバーの「sailing」と「Winning Road」は、"どんな人でも受け入れてもらえる歌声を持つ人"にお願いをしたいなと思いました。ツナさんは紹介を受けて繋がった方なのですが、一度ライヴでヴォーカルをお願いしたときから、この手の楽曲がハマる方だという手応えを感じていたこともあって、わざわざ大阪から東京に来ていただき、歌入れを行いました。

-IBUKIさんはメタル畑のヴォーカリスト、とても雄々しい歌声が響き渡ります。

MIYU:「fragile」を歌ったIBUKIさんとは、実はまだお会いしていません。「fragile」は、メタルとロックの中間のような楽曲。この曲が似合うヴォーカリストを探していたところ、IBUKIさんがソロで歌っていた楽曲の雰囲気が「fragile」にとても似合うなと思ったことからオファーをしました。ただ、制作時期、IBUKIさん自身もロンドンへ渡航されるなど忙しかったことや、その実力はわかっていたので、"IBUKIさんならお任せしても大丈夫"という信頼のもとレコーディングは完全に委ねました。

-疾走感満載なハード・ロック・ナンバーを歌っているのが、Nakiさんになります。

MIYU:「SHOW TIME」はhideさんをイメージして作った、遊び心や少年っぽさを持った楽曲。歌詞に"ピンク色の未来"、"星屑のメリーゴーラウンド"など、自分では言えないけど、でも、誰かに託せたらという言葉も散りばめていることや、幼心を持っている少年と少女の間のような存在を曲の中でイメージしていたことから、元気を与えてくれる声質が魅力のNakiさんにお願いをしました。

-最後は、遊び心満載な歌詞も印象的。ヲタク心も刺激する「KAKUREMBO」を歌ったのが、くりざべすさん。

MIYU:遊び心を満載した「KAKUREMBO」で、私は中学生のようなロリ声を求めていました。となったら、私の中ではくりざべすさんしか思い浮かばなかったことからお願いをしています。ホント、素晴らしいロリ声で表現してくださいましたからね。

-ここまで一気に説明ありがとうございます。ここからは、アルバムの中で「Miss&Loid」と「ALIVE」を担当したRAMIさんとの対談に移りたいと思います。お互い、付き合いはどれくらいなんですか?

RAMI:一緒にステージへ立ってというのは最近だけど、知り合ってからは長いよね。

MIYU:お互いに関西出身ということから、その界隈では繋がりがあったように、昔からお互いの存在は知っている関係でした。初共演は、2016年のとき。その年に、私の人生初となるワンマン公演を東京で行ったんですけど、その前日に、RAMIちゃんの大阪公演の演奏に誘われました。そのときは、翌日に自分の大事な公演が控えていたことから参加を辞退。RAMIちゃんの東京公演のときに私がゲストで出たのが初共演になります。

RAMI:あのときは、途中からゲスト・ギタリストとして出ていただいてね。そこでの共演をきっかけに、さらに仲が深まって。そういう流れから、今回のアルバムにも声を掛けてもらえました。

MIYU:安心して任せられる人だからね(笑)。今回収録した「Miss&Loid」と「ALIVE」は、最初からRAMIちゃんが歌うのをイメージして作った曲。2曲とも作るときから、"RAMIちゃんならこういう感じになるだろうな"というのが頭の中に浮かんでました。

-そこ、具体的に教えてください。

MIYU:「Miss&Loid」で言うと、"1曲の中へ悪女と天女両方の要素を出したい"、"ミニ映画のように、たくさん展開のある曲としてまとめたい"という思いを持って作りました。

RAMI:ラストのファルセットは、すごくいい感じでできあがったね。

MIYU:あそこは、すごくいい! レコーディング中に聴きながら身体がブルブル震えてたっていうか、あのときは"すごいねぇ! すごいねぇ!!"とばかり言ってたくらい。もう、その言葉しか出てこなかった(笑)。

RAMI:「Miss&Loid」は、私の声質や私自身に似合う歌詞をちゃんと考えてくれてるんだというのがわかる曲。自分で歌いながらイメージがしっくりきていたように、歌入れも予定時間の半分くらいで終わっちゃったからね。

MIYU:あれには、めっちゃビックリした。もともとタイトなスケジュールだったから、RAMIちゃんには"大変だと思うけど、なんとか時間内に納められるように頑張ってね"と言ってたのに、めちゃめちゃ時間が巻いちゃって、"どうする、あとはだべる?"とかスタジオで言ってたくらいだったもんね。

RAMI:そうだったね。だけど、それくらいイメージの作りやすい楽曲だったからこそ、歌入れも滞りなく進んだんだと思う。