INTERVIEW
E.T
2017.11.07UPDATE
2017年11月号掲載
Member:浩(Vo) 一星(Ba) 亜星(Dr)
Interviewer:杉江 由紀
満を持するとは、このことだろう。現体制になってから約3年。シーンの垣根を行き来しながら独自のペースで活動を続けてきたE.Tが、このたびついに1stフル・アルバム『DO NOT BELONG TO ANYTHING』を発表することになったのだ。ラウド・ミュージックやヘヴィ・ロック、メタルなどを基盤としながらも、メイン・コンポーザーにしてリーダー 浩が"激しいだけじゃなく、僕は無性にきれいな部分も欲しくなっちゃう"と言い切るだけあり、E.Tの生み出す音像は多彩でいて、時に普遍性をもはらむ"どこにも属さないもの"であるところが最大の特徴。ここは、12月13日に池袋EDGEにて開催される"E.T ONEMAN SHOW[THE LAST DAY]"にも期待したい。
-このたび、1stフル・アルバム『DO NOT BELONG TO ANYTHING』を完成させたE.T ですが、そもそもバンドとしてのキャリア自体は、もうかなり長くていらっしゃるのですよね。
亜星:結成は2010年だったので、今年で活動歴としては8年目に入ります。
浩:ただ、初ライヴから数えたら6年くらいなんですよ。当初、僕がこのバンドを立ち上げた段階では"音源制作をしたい"とか"曲を作りたい"という思いが強かったので、ライヴを始めたのはバンドの始動から2年くらい経ってからのことだったんです。
亜星:もともとは、別に"バンドをやろうぜ!"って言ってみんなで集まったわけじゃなかったですからね(笑)。実質、最初のころは彼(浩)のソロ・プロジェクトに僕らが参加している、みたいな雰囲気に近かったと思います。そのあと徐々にライヴ活動もするようになったことで、だんだんとバンド感が生まれていった感じですかね。
-そういうことでしたか。とはいえ、客観的に見るとE.Tはこの1stアルバムを出すまでにはかなりの時間を要したことになりませんか。
一星:基本、ウチはマイペースなところがあるバンドなんですよ(笑)。
浩:なんだかんだで、前の音源からは2年半ぶりとかになっちゃいましたね。今回も、最初はシングルとか、曲数は多くてもミニ・アルバムくらいのサイズで考えていたところがあったんですけど、ふと気がついたら"外タレか!?"というくらいの間が空いてしまっていたので(笑)、それもあって"ここはフルで出そう"と思い切ったんです。それと、バンドの体制的な面でいうと、今のかたちになってからちょうど3年くらいになりますからね。そういう意味で、今回のアルバムはE.Tがこの3年間のなかでやってきたことの集大成的なものになっているところがあります。それとあわせて、去年作った書き下ろしの新曲たちも2曲入れました。
亜星:全体として軸になっているのは、これまでライヴではやっていたけどまだ音源化していなかった曲たちで、それが6曲くらい入っているんですよね。
一星:あと、「Tomorrow is Anotherday(DNBTA ver.)」については過去の作品に入れたものを新たに録り直した曲になります。それと、「GENERATION(Acoustic ver.)」は、1stシングルのリード曲だったものをアコースティックのかたちにした、初回限定盤のみ収録となるボーナス・トラックです。
浩:実は、E.Tでは通常のライヴとはまた別に、不定期でアコースティック・ライヴの日みたいなものを設けているんですよ。そういうライヴのときは、そのための曲を書き下ろしたうえでいつもやっているんですが、「GENERATION(Acoustic ver.)」はその延長線上で、通常のライヴでやっている激しい曲を、改めてアコースティックでやってみるということをしたものです。ちょっとイレギュラーなところがあるぶん、これはボーナス・トラック扱いとしました。
-それだけの多彩な計10曲にて彩られた『DO NOT BELONG TO ANYTHING』を制作していくにあたり、各人がどのような役割を担っていたのかもうかがいたいです。まずは、亜星さんについてお願いします。
一星:亜星さんは、仲介役になることが多かったと思いますよ。俺とか浩さんが曲の方向性についてぶつかったりしているとき、だいだいうまく間に入ってくれましたから。
浩:つまり、良く言えば癒し系......!?
亜星:良く言えば、って(笑)。
-ドラマーとしては、ご自身からすると特にこだわったのはどんなことでしたか。
亜星:E.Tの場合は、音楽的に言うとラウド・ミュージックとかヘヴィ・ロックが基礎になっているので、ドラムに関してはやっぱり力強さだとか重さを重点的にしています。それから、E.Tはただラウドだったりヘヴィなだけというわけでもなくて、1曲の中にいろいろなリズムというか、いろいろなジャンルが混在しているものも多いので、その場面によって臨機応変なプレイが求められたりするんですよね。それに対応するために、普段からいつでもなんでもできるドラマーでいなければ、という意識を持つようにしています。
-情報収集を怠らないようにしていらっしゃるわけですね。
亜星:ええ。どうしても偏ってしまうところはあるにせよ(笑)、自分なりに新旧問わず、いろんな音楽に対してのアンテナを張っているつもりではいますよ。
浩:一応E.Tのメイン・コンポーザーは僕なんですけど、原曲の骨格ができたらまず亜星君とスタジオに入ることが多いんですよ。そのときに、"ここにはこんなリズムを入れてみてよ"とオーダーすると必ず応えてくれるし、そこでできた音を一星君とサポートのギターに送って、そこから最終的なアレンジが決まっていくので、亜星君は僕にとって、曲の土台と骨格をいつも一緒に作っていってくれる相方でもありますね。