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INTERVIEW

BACK LIFT

2017.11.13UPDATE

2017年11月号掲載

BACK LIFT

メンバー:小林 KICHIKU 辰也(Ba/Vo) 深谷 YU-PON 雄基(Gt/Cho) 都築 HEAVIN 史生(Dr/Cho)

インタビュアー:荒金 良介

-それは音楽性ともマッチしてますよね。曲作りに変化はありました?

KICHIKU:僕が曲を作ってるんですけど、自分の中でこれはBACK LIFTっぽくないからやめようか? と言うと、こいつはまた違うエッセンスを持ってるから、全然やれるんじゃないですかって言うんです。だから、曲の幅は広がりました。今作はほぼこいつが持って来たギター・フレーズを、そのまま受け止めようと。その方がYU-PON自身も気分が乗るし、曲に対する思い入れも強くなりますからね。

-バンド感も必然的に高まりますよね。

YU-PON:どこか自信のない部分もありましたからね。先にリスナーとして聴いてたから、自分はBACK LIFTっぽいギターを弾けるのかなと。でも今回は任せてもらうことが増えたので、3年やってきたなかでできた引き出しから自分のエッセンスを落とし込むことができました。

-HEAVINさんはどうですか?

HEAVIN:ここ数年でBACK LIFTとしてドラムをどうすべきかを考えてて。昔は自分が自分がというドラムだったけど、何が一番曲に映えるドラムだろうと考えるようになりました。


明確に振り切ろうと思ったのは今回が初めてですね


-楽曲重視でアプローチするようになったと。では、今作はどういう作品にしようと?

KICHIKU:振り切って、遊び尽くそうと。フル・アルバムで一辺倒のものは好きじゃなくて。あっ、このバンドはこんなことやるんや! って思わせるようなものを作りたかったんです。僕の育ちが90'sの邦楽なので、パワフルで直球な曲があるにもかかわらず、クソふざけている曲もあるという、そこが英語詞メロディック・バンドの面白さかなと。かっこいい曲、泣ける曲を素直に表現したうえで、遊ぶ曲もある。各タイプの曲調でブレーキを掛けずに出し切ろうと意識しました。明確に振り切ろうと思ったのは今回が初めてですね。

-そう思ったきっかけは?

KICHIKU:一番でかいのは10年経ったことと、メジャーにステージが変わったことですね。メジャーに来れたのは人生においてもいい経験だし、ここで縮こまって、型にハマッたり、今までどおりのBACK LIFTをやったりしても代わり映えしないし、今俺らがやれることを各方面でやったら、ほかとは違うものができるかなと。

-メジャーだからこそ、自分たちらしく振り切ろうと。そこはHi-STANDARDがロール・モデルになってます?

KICHIKU:そうですねぇ。あとはdustboxです。いきなりSLASHっぽい曲があったり、自分たちのルーツを面白く表現したりしているから、飽きないんですよね。

YU-PON:10-FEETもそうですよね。

KICHIKU:HEY-SMITHもかっこいい曲と、遊んでいる曲もあったりするし。

-曲作りはスムーズに進みました?

KICHIKU:土台は案外スムーズだったんですけど、完成はギリギリでした。1曲1曲にこだわりすぎて、今はこの曲を作りたい気分となったら、その1日をイントロだけに使ってしまって。それが「From Country」という曲ですね。

-今作は1曲1曲こだわり抜いたと。特に悩んだポイントは?

KICHIKU:まず英語と日本語のバランスですね。基盤にメロコアはあるけど、YU-PON加入後は......BRAHMANはBRAHMANとしか言いようがない音を鳴らしているように、BACK LIFTというジャンルを築きたいと思ってて。どの曲を英語、どの曲を日本語、どの曲をポエトリーにするかを選別するのに時間がかかりました。僕ら同世代で言うと、04 Limited Sazabys、WANIMAがいて、日本語でメロディックっぽさもありますけど、この2バンドは2バンドで全然違うし、個性もありますからね。僕らもメロディックっぽさはあるけど、日本語もやるし、それでまた2バンドとは違うところにいきたくて。

-そういう意味で、全体的に英語詞の割合が多いのはBACK LIFTなりのアイデンティティ?

KICHIKU:そうですね。そこは絶対捨てたくないんで。英語の曲、日本語の曲、そのふたつを交ぜた曲と、今回は俺たちらしくやれたと思います。日本語の曲だと、「HONNE」は2ビートを使っているけど、英語のメロディックとは違う哀愁が出せたかなと。

-「HONNE」は歌で始まり、ポエトリー的なニュアンスを挟んだり、後半は2ビートで駆け抜けたりと起伏に富んでますね。今回はアレンジ面も苦労しました?

KICHIKU:14曲あると、どこかで似てくる部分もあるので、また違う引き出しを開けないといけなくて。ポエトリーに関しては不可思議/wonderboyの影響が大きくて。他にMOROHA、goatに言葉遊びの楽しさを学びました。

YU-PON:今回は曲の長さや、展開も足したり引いたりして、意見を出し合いました。

KICHIKU:そういう意味で面白かったですね。自分たちの新たな引き出しに気づくこともあったから。

-具体的に言うと?

KICHIKU:「Hate」、「Catch」は発見の嵐でした。「Catch」はハネた8ビートで、ここまで"ど"がつくほどキャッチーな雰囲気はこれまでなかったですからね。僕はほかの人でもそのタイプの曲は普段聴かないんですよ。自分の好みでもないし、作るのも苦手だったけど、今回はノリでやってみようぜ! って。