INTERVIEW
Azami
2017.08.02UPDATE
2017年08月号掲載
Member:三浦 詩音(Vo) 関 普円(Gt/Cho) 中川 智伸(Gt) 加藤 航(Ba) 河野 大夢(Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-そこまで全員がプレッシャーを持って向かっていたのって、なぜだったんですか。
関:たぶんみんなは、俺がめっちゃ言ってるから、納得させなきゃっていうのだったと思うんです(笑)。俺は俺で、曲を作っているぶん、自主で出した前作『Lilac』の反響が良くて、自分でもいいものが作れたなと思っているんですけど、それこそ今作がちゃんとしたデビュー作なので、『Lilac』を超えるものを作らなきゃなと思っていて。聴いてくれた人に納得してもらえるかという部分で、自分でプレッシャーを感じていたんです。今でも、いいアルバムができたなと思っているんですけど、これがお客さんにどう受け取られるんだろうという不安みたいなものもあるんです。ここまでハードコアの音楽と、J-POPみたいなメロディを組み合わせたバンドってほぼいないと思うので。
-そうですね。
関:自分たちとしては、通ってきたルーツをそのまま出しているつもりで、オリジナリティは出せたなと思うんですよ。でも、オリジナリティを出せたからこそ、逆に怖いなという。今の時代は特に──悪く言うつもりはないですけど、教科書どおりにやっていたバンドの方が、ある程度のところまでいきやすいのかなというところもあるので。
-チャレンジがあるぶん、プレッシャーがあるんですね。
三浦:でも何よりよかったのは、意図してキャッチーにしようとかではなくて、何度も出た言葉ですけど、自然発生でできたことは自分たちでも安心していますね。狙ってやったものって、バレる人にはバレると思うんです。いやらしいなっていうのが出てしまうというか。それがないから、周りにいる仲間やハードコアとかやってる奴らも俺らと一緒にやってくれるし。仲間にも恵まれていると思いますしね。
-ライヴについて活動についても聞いていきたいのですが、今、対バンはハードコア系のバンドが多いですか。
関:今まで対バンしてなかったバンドにも誘ってもらったりもしているので、そこで一緒にやることが多いですね。今回のアルバムのツアーでは、ブッキングは地元のハコにそれぞれ任せているんですけど、自分たちで何バンドか連れていったり、要所要所で各地の信頼できる仲間にお願いしていて。それもなるべく、いろんな人の目につくように、ジャンルはあえて絞らずにやろうとしています。
-今の自分たちの目から見て、ハードコア・シーンというのはどう映っているんですか。
関:ハードコア・シーンは横の繋がりが強いコミュニティなので、絶対にブレない部分がある。そういう自分たちの育ってきたシーンの底上げになることを、俺らもできたらいいなというのは思ってます。俺らが、自然にキャッチーな曲、キャッチーなメロディを乗せられるので。それで間口を広げて、少しでも自分たちのシーンに還元できればいいなと思います。
加藤:この間、LOYAL TO THE GRAVEのKobaさんがやってる、"BLOODAXE FESTIVAL"にスタッフとして1週間くらいついていったときがあって。Kobaさんは社会人でもあって、バンドをライフワークにしているんですけど、海外からバンドを呼んだり、若手をフックアップしてライヴを組んだりしている。そういう姿を見て、憧れたっていうのがありました。
-そういう先輩の背中を見て、自分たちでもできるところはありますね。
関:昨年、Azamiも京都のVision of Fatimaと一緒に、アメリカのCAPSIZEというバンドを呼んでツアーを回ったんですけど、めっちゃつらかったですね(笑)。金銭面もそうですけど、日本人と違うところもあるのでケアの仕方も大変だったんです。それをずっと続けられているのも、すごいなと思います。
三浦:ライヴ・シーンには、そうやって頑張っている人たちもかなりいるんです。だからこそ、僕らがどんどん間口を広げられるように。Azamiを知って、ハードコア・シーンで根強くやってきたバンドたちを知ってくれる人も多いと思うので。そういう存在になれたらいいなと思います。
加藤:先輩が僕たちをフックアップしてくれたように、僕らも、そういうことができたらかっこいいですよね。
-Azamiを引き上げてくれた先輩たちっていうと、どのあたりなんですか。
関:Crystal LakeとMEANINGのツアーに誘ってもらったのが、いわゆる先輩に誘ってもらった最初のライヴでしたね。ちょうど同時期くらいから、LOYAL TO THE GRAVEとも絡むようになって、Kobaさんにもお世話になっていて。最近だと、SHADOWSのツアーに呼んでもらったりとか。そういう先輩たちが、各々自分たちのスタイルを持って、自分たちのやり方で、若手をフックアップしたり海外バンドを呼んだりして、シーンの底上げをやっているので。そういう活動を、自分たちもできるようになれればいいなと。
三浦:芯がある人たちにフックアップしてもらったことはかなり影響を受けましたし、いい経験をさせてもらいながら、今こうやってやれているので。僕らもまだまだ若手ですけど、いつかそういう立場になれたらいいなと思いますね。