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INTERVIEW

Phantom Excaliver

2017.07.21UPDATE

2017年07月号掲載

Phantom Excaliver

Member:Kacchang(Vo) Matsu(Gt/Vo) だいごろう(Ba) Thomas(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

笑いたい奴は笑えばいい。楽しみたい奴は楽しめばいい。そして感動したい奴がいるなら、彼らはそんなあなたのことも間違いなくその大きな懐をもって迎え入れてくれることだろう。そんなPhantom Excaliverが、アルバム『幻の聖剣』をリリースする。雑多なバックボーンを持ちながらも、こよなくメタルを愛する4人が送り出すこの2ndフル・アルバムは、まさに青春メタルの名こそ相応しい、いい意味でトゥーマッチな逸品。絶妙に暑苦しくもどこか清々しい、Phantom Excaliverによるこの全身全霊の迸りを聴くがいい!

-今回のアルバム『幻の聖剣』でみなさんのことを知る方も多いと思いますので、改めてこのバンドが何を意図して動いてきたバンドなのか、ということを教えていただけますか。

Matsu:最初は、2011年にもともと僕とホルモン(マキシマム ザ ホルモン)のコピバンをやっていたKacchangとの間で、"X JAPANとSEX MACHINEGUNSのコピーがやりたいよね"というところから始まりました。

-最初はコピーからのスタートだったのですね。そのせいでしょうか? 最新作『幻の聖剣』においても、今Matsuさんが具体名を出された3バンドからの影響は色濃く感じます。ドラマチックでヘヴィな反面、どこかコミカルなところがありつつも、力強くてたくましい。そんな雑多な要素をすべて咀嚼~消化したうえで、Phantom Excaliverはその後オリジナリティ溢れる世界を成立させてきたのですね。

Kacchang:よかった! そう言ってもらえると嬉しい(笑)!!

Matsu:ちなみに、僕らが初めてコピーしたのはSEX MACHINEGUNSさんの「出前道一直線」(2005年リリースのアルバム『HEAVY METAL THUNDER』収録)という曲だったんですけど、まさに先日SEX MACHINEGUNSさんとツアーを回らせてもらったときには、ファイナルで一緒に演奏させてもらう機会があったんですよ。

Kacchang:いやー、ひとつの夢が叶った感じでしたねぇ。

-ただ、X JAPANにしてもSEX MACHINEGUNSにしても、みなさんは昔からリアルタイムで知っていたわけではありませんよね?

Matsu:そこはむしろ、リアルタイムで体験したかったです。僕は、とにかく昔から"ミュージックステーション"が大好きで、あの番組でやっていた"懐かしの名場面"的なコーナーでX JAPANを知ってすごく衝撃を受けました。

Kacchang:僕も中学まではゆずとコブクロしか聴いてなかったんですけど、中3のときにMatsuと初めて同じクラスになって、"これを聴け!"って渡されたのがX JAPANとL'Arc~en~CielのCDだったんですよ(笑)。そこを入り口にして、そのうちメタルをいろいろ聴き始めるようになりました。

だいごろう:僕もL'Arc~en~Cielは大好きでした!

Thomas:僕は、初めて好きになったアーティストはポルノグラフィティです! しかも、3人時代が特に好きなんです。

-それは興味深いですね。いずれにしても、海外の王道的なメタル・バンドがルーツだという方はいらっしゃらないというのが面白いところです。

Matsu:まぁ、音楽を聴きだすきっかけ自体は、メンバーそれぞれあんまりメタルとは関係ないところからだったんですけど、だんだんとメタルに興味を持つようになっていって、最終的には4人ともメタルが大好きになったということなんだと思います。

-なお、現在のPhantom Excaliverは、音楽性の面で言いますとメロディック・スピード・デスメタルという言葉を掲げていらっしゃいますし、同時にバンドのスタンスを表す言葉としては青春メタルというキーワードも使っていらっしゃるのだとか。

Matsu:僕ら自身は音楽性がどうこうというのはまったく気にしていなくて、ただ直感的にみんなで好きなことをやりたいようにやっているだけなんですよ。でも、2015年に1stフル・アルバム『鋼鉄の誓い』を出したあとくらいから、新しい曲を作るたびに周りから"青春メタルみたいな感じがするね"ということを言われだしたんですね。それで、"そうだったのか"と思ってその言葉を使いだしたんです。たしかに、比べてみると『鋼鉄の誓い』と今回の『幻の聖剣』では地獄と天国くらいイメージの違いがあるんですよ。

Kacchang:基盤の部分ではメタルというところで共通しているんですけど、雰囲気は相当変わったよね。

Thomas:少し客観的に考えると、活動を重ねていくうちに自分たちの音楽の中に感動できる要素が増えていったんじゃないかと思います。『幻の聖剣』は、そこをさらに突き詰めながら作っていったアルバムなんです。

Matsu:そして、感動を突き詰めた結果、メジャー・コードの曲が増えました(笑)。メタルなんだけど明るいし、楽しいし、感動もあって、青春っぽい爽快さもあるというか。中学校のときの部活みたいに、暑苦しいけど気持ちいいみたいな曲が多いんですよね。