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INTERVIEW

D'ERLANGER

2017.05.03UPDATE

2017年05月号掲載

D'ERLANGER

Member:Tetsu(Dr)

Interviewer:杉江 由紀

-『J'aime La Vie』には渋い雰囲気を持った楽曲や、繊細な面持ちのある楽曲なども収録されていますが、ロック・チューンにおけるTetsuさんのドラミングは抜群の安定感を感じさせる一方、良い意味で"やんちゃ"さをも漂わせている印象があります。

たぶん、そこも昔から変わらないところなんでしょうね。例えば、INCUBUS(※机の上にある激ロック2017年4月号表紙を指差し)が僕はデビュー当時から大好きなんですけど、デビュー当時のアグレッシヴさに比べれば、近年はちょっとイージー・リスニングな傾向があるじゃないですか。そういうところに関して言うと、自分はまだまだヤンチャでいたいな、って。バンドというものに憧れて、バンドの中でドラムを叩くことで夢を追い続けてきた自分からすると、いつまでもヤンチャでいたいですね。もちろん、INCUBUSの新作は買いますけど(笑)。

-Tetsuさんは、バンドや音楽に対してのロマンを大切にされているのですね。

むしろ、ロマンしか感じてないです(笑)。

-ところで、『J'aime La Vie』のレコーディングでTetsuさんがドラマーとして最も時間をかけられたのはどんなところでしたか。

実際の時間的には、どの作業にもそこまで長い時間は割いていないです。何しろ、今ってコピー&ペーストやエディットができてしまう時代でしょう? そういうものを賢く利用すれば、もっと早く効率的には作業できるのかもしれないですね。だけど、レコーディングでそういう現代の技術に頼ってしまうと、ライヴで"あれれれ?"となってしまうわけですよ(苦笑)。それは絶対にイヤだから、僕の場合は基本1曲すべて通して録るようにしているんです。

-ブツ切りレコーディングが当たり前の昨今にあって、さすがですね。

いえいえそれは、自分のため、バンドのためですね。ロックがロックであるためにも。それこそ、リズム隊のことで言ってもベースのSEELAと細かいアレンジについて綿密に話し合いをするなんていうことはほとんどないし、原曲が作曲者から提示されたあとはそれぞれでフレージングを考えて、そのあとは2回か3回、一緒に音合わせしたらもうレコーディングですからね。ほんと、そこは毎回"試されているな"と感じるところだし、プレイヤーとしての挑戦を続けてきている部分だなと思います。

-どれも手塩にかけた楽曲ばかりだというのは承知のうえで、あえて聞かせてください。『J'aime La Vie』の中で、Tetsuさんが最も気に入っている曲はどちらになりますか。

ほんとね、今回はどの曲も考えていて面白かったんですよ。「Mona Lisa」(Track.8)なんかは"ダテに長くやってないよ!"というところをちゃんと音で見せつけることができた曲だと思うし(笑)、「Everlasting Rose」(Track.9)なんかは自分の中での焼き増し処理ではなくて、新しい要素を持ち込んだ曲でしたけど、特に気に入っているということであれば「沈む」(Track.10)かなぁ。アルバムの本編最後を締めくくるのはこの曲しかないなと、当初から思っていた音なんですよね。音的にはちょっと日本離れしたような、骨太でクリーンな音に仕上げたかったので、そこにはこだわりました。とにかくアルバムがこれだけいい出来になったんで、それに負けないようにライヴの方も頑張らなきゃ!

-期待しております。Tetsuさんとしては、今度のツアー"J'aime La Vie TOUR 2017"で各会場の中にどんな空間を生み出していきたいとお考えです?

今回のツアーは2デイズずつやりながら回っていくことになるので、おそらく1日は再結成10周年をお祝いするようなバンドとしての集大成的な内容になるでしょうし、もう1日はこの『J'aime La Vie』を中心としたものになっていくでしょうね。セットリストを2パターン覚えなきゃいけないので、集中力を高めていろいろと間違わないようにしていきたいと思ってます。

-再結成10周年の節目を超えて、D'ERLANGERとしてここからさらに目指していくのはどんな領域なのかも気になります。

そこはもう、これからもやりたいようにやっていくだけですよ。聴きやすい音楽とか、わかりやすい音楽っていうのもいいとは思うんだけど、たまには自由奔放にハミ出しているバンドもいないと世の中つまらないですからね。ウチらは何年経とうと、おとなしくなったりすることなく、進んでこれからも自由奔放役を買って出ていきたいです(笑)。