INTERVIEW
INCUBUS
2017.04.18UPDATE
2017年04月号掲載
Member:Brandon Boyd(Vo)
Interviewer:山本 真由
-レコーディングのプロセスに関しては、これまでの作品と何か変化はありましたか?
まったく違うわけではなかったけど、レコーディングのプロセスって毎回ちょっとずつ違う。どのプロセスも意外とユニークだから、僕たちはいつもそういうもののために余裕を持つことにしている。長年やってきて得た"知恵"なのかも。制作中の突然の出来事や魔法はいろいろあって当然だと思っているので、決まったやり方に執着するのは避けている。柔軟でいると、何が起きてもあまり焦ったりパニックになったりしないから、このスタンスが一番いいみたいだよ。今回、新しいプロデューサーと、あとの方で共同プロデューサーも加わり、ミックスもしてもらうという運びになったのも、みんな柔軟に対応できたからなんだろうと思う。それでさらにいい作品にすることができたんだ。
-今作は8枚目のアルバムということで、"8"というシンプルなタイトルですが、この数字だけというタイトルを選んだ理由は?
突発的に思いついたタイトルだった。特にタイトルが決まってなかったんだけど、いつもアルバムを作ってもタイトルをどうするかってあまり考えない主義なんだ。最後の最後に考えてつけるのがほとんど。そんなわけで、今回もまだ何も決めてないときにMichaelとの電話の会話のなかで決まったタイトルだった。ふたりで"バンドが26年も続いているよね"とか話していて、"8作目ってもしかしたら幸運のナンバーかもしれない"って言っていたら、"『8』にしようか"ってことになった。冗談で"アルバムにいいんじゃない?"って言ったら本当にそうなっただけのことなんだ。
-今作でもあなたがアート・ディレクションを担当していますが、今作のアートワークのテーマは?
テーマのアイディアはかなりはっきりしていたんだけど、みんなに自分のアイディアを話すと完全にそれが変わってしまった。音楽を作るのと同じなんだけど、100パーセント完成するまでとても柔軟に対応するようにしている。最初に描いていたものとまったく違うけど、非常に満足しているんだ。アートワークは美しい黒を用いたバンドのイメージと"8"だけのシンプルなものにした。
-今作のリリース後には、久々の北米ヘッドライン・ツアーも予定されていますが、どんなツアーになりそうですか? また、サポートを務めるJIMMY EAT WORLDとJUDAH & THE LIONについて、彼らを選んだ理由は?
このツアーはUSツアーの第1弾で、このあとも別の都市で開催される。そっちは他のバンドにもサポートをしてもらう。JIMMY EAT WORLDのメンバーや他のバンドはあまり面識がないんだけど、例えばJIMMY EAT WORLDは評判もいいし、これからいろいろ一緒にやっていけるバンドのひとつなので、サポートに決めた。たぶん彼らも今後、僕らをツアーに呼んでくれると思うよ。ツアーのサポートを決めるときは、友達や知り合いのバンドたちで日程が合うか調べたり、アルバムをリリースしたばかりでツアーに出るバンドがいるか調べたり、プロモーターと話してバンドを推奨してもらったり、様々な要素を取り入れて決めているんだ。
-4月にはチャリティ・コンサート"WELCOME!"にも出演予定ですね。こういった現在のトランプ大統領の移民政策に反対するアーティストの動きや、チャリティについてはどう考えていますか?
こういう問題に対して、同じような意見や気持ちがあるアーティストと一緒に何かをやるのって素晴らしいことだと思う。音楽やアートを使って何かを表現し、人の考え方を変える手段にするのはすごくいいことだとも思っている。今の状況は非常に残念に思うし、違う状況になることを心から願うけれど、こうしたチャリティをやることは統一性を生み出すことが可能なので、僕は大賛成だよ。それに様々なアーティストと演奏できることをとても楽しみにしているよ。
-メジャー・デビューから20年を迎え、1991年にバンドを結成してから、これまで長い間バンドとして第一線で活動できた秘訣は何だと思いますか?
(笑)秘訣を探し求めている感じだけど、あるだろうか。様々な理由はあるだろうけど、まず一番はお互いがすごく好きで、尊敬し、憧れている。それぞれ素晴らしい才能の持ち主だと思っている。それともうひとつは、今までずっと興味を持ち続けてきたこと。ひとつの音楽ジャンルにとらわれず、幅広く研究し、好んで、影響を受けて、いろんな音楽を作り出すことで常に魅力を感じている。それが長い間バンドでいられる理由だと信じているよ。
-今後の活動や、バンドの目標について教えてください。
まず自分の予定から言うと、11月にロサンゼルスでソロのギャラリー展示会を開くからそれに取り掛かっている。そのための作品を描いているのと、4作目となる本も書いている。それに言うまでもないけど、常にINCUBUSの新しい音楽を作っていて、現在家を建てている。時間が許す限り飼っている犬と猫と過ごし、サーフィンも時々やりたい。音楽とアートをこよなく愛しているので、どちらかに没頭できれば自分はハッピーで成功していると思っているよ。
-日本でもギャラリー展示会を開く予定は?
そんなことができたら感動するね。もし招待されたり、何か機会が与えられたらすぐにでもやりたい。ヨーロッパでは展示しているけど、日本ではまだ自分の作品を見てもらってないので、実現させられたら最高だね。実現できたら光栄以外の何でもないよ。
-ではバンドとしての予定は?
バンドの今後はUSツアーを始めとして、世界中をツアーしてから、先ほど話していたEPの続編、『Trust Fall (Side B)』をリリースする予定だよ。
-ありがとうございました。最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
日本のみんな、こんにちは! INCUBUSのニュー・アルバム、『8』がリリースされることを非常に嬉しく思うし、また来日してライヴをあっちこっちでやって、君たちと一緒にダンスすることを楽しみにしているよ!