FAKE?| 激ロック インタビュー

2017.02.23UPDATE

2017年03月号掲載

Member：KEN LLOYD

Interviewer：荒金良介

－去年は6ヶ月連続で"Live Wonderland"と題してライヴを行いましたが、KENさんが考える"ワンダーランド"とは？

"不思議の国のアリス"をテーマに曲ができたんですよ。曲を作るなかで、これはブヨブヨしてて芋虫っぽいなぁ、これはせかせかしてる曲だから白兎っぽいなぁって。それなら"不思議の国のアリス"のキャラクターを1曲1曲に取り入れて、アルバムができるんじゃないかと。そのころにチームと出会ったから、こういうテーマで曲を作ってるんだけど、絵が欲しいと伝えて。曲だけでは双子のキャラクターとわからないけど、絵があれば理解できるじゃないですか。

－それも子供のころに観た映画の影響とか？

昔から"モンスターズ・インク"（※日本では2002年に公開）とか好きで、それはNIRVANAを聴いた衝撃とそれほど変わらなくて（笑）。

－ファンタジックとリアルという意味では正反対に位置している気もしますが。

僕の中にフェミニンな部分もあるんですよ。僕のベッド、フワッフワですよ！マイクロファイバー大好き。

－いきなり何の告白ですか（笑）。

女性っぽい感じも好きだったりするし。じゃあ、ナヨナヨしているかと言えば、そうでもないけど。

－FAKE?だと、そういう側面も見せることができると？

FAKE?だったら、激しいロックとかわいいものをミックスさせても成り立つと思ってるんですよ。いろんなロック・バンドがあってこそ、シーンは健康的だと思うから。そういう意味で90年代は面白い時代だったと思う。METALLICA、GUNS N' ROSES、JANE'S ADDICTION、SOUNDGARDEN、NIRVANA、RED HOT CHILI PEPPERS、OASISもいて、ごちゃごちゃでクリエイティヴだったから。この中だと、JANE'S ADDICTIONのアティテュードに近いかもしれない。アートと音楽を同じぐらい大事にしてるから。

－そして、今回は会場限定で出した楽曲「MAD HATZ' MERRY GO ROUND」が配信リリースされることになりましたね。

作ってるときにEDMに対する気持ちが大きくなって。その要素を取り入れつつ、FAKE?っぽい曲を作ろうと。ダブステップに詳しい人と話すと、BPM110じゃないとダメだと言われて。なんで？そんなの知らないしって。じゃあ、ダブステップのゴリゴリ感をBPM140の曲に突っ込もうと（笑）。

－KENさんが思うEDMの魅力は？

キャッチーだし、シンセの磨きがかかった音もいいなと。最近のEDMはダブステップを取り込みつつ、キャッチーにやってるから。それがいいなって。

－楽曲も5分以上あり、展開も凝ってますね。

僕は長い曲も好きなんですよ。展開があれば、ですけどね。GUNS N' ROSESで一番好きな曲が「Coma」（1991年リリースの2ndアルバム『Use Your Illusion I』収録曲）なんですよ（笑）。8分ぐらいあるけど、展開があるから飽きなくて。それと1stアルバム（1987年リリースの『Appetite For Destruction』）の中で一番好きな曲は「Rocket Queen」ですからね。あの曲も6分ぐらいあるけど、ちゃんとストーリー性があるから。そういう曲調が好きなんでしょうね。

－それで2月25日には15周年ライヴを控えてますよね？

この15年間のベストな部分を見せようと。ゲストでINORAN（LUNA SEA）が出るのもそういう理由ですね。テイスティングというか、小皿にちょろちょろと盛って、ビュッフェ形式でこの15年間を表現しようと。いままでFAKE?を応援してくれたファンはもちろん、初めての人も一気に15年間を振り返ることができる内容になると思います。あと、INORANがやりたい曲も聞いて、それも組み込んでますからね。去年の"Live Wonderland"ほど派手な演出はないけど、その味見ができるところもあるから。まぁ、ババッ！と突っ走りますよ（笑）。

－15周年ライヴ以降も新曲、ワンマン・ライヴといろいろ計画されているんですよね？

去年会場でしか売ってなかった曲が今年（のリリース）になったのはVR（バーチャル・リアリティ）のプロモーション・ビデオに合わせたくて、それに時間がかかったんですよ。次に出る曲もEDMだけど、もっと早くてエネルギッシュですよ。それもすごくキャッチーですね。実験的なことをやりすぎた時期が長かったから、今はそういうところに戻ろうと。

－それはなぜですか？

アーティストとしてひと周りしたんですよ。引き出しを増やす作業をして、今は何が好きで何が嫌いかわかるようになったから。ふた周り目でヘンなところに行かないように気をつけなきゃいけないですね（笑）。