MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

FAKE?

2017.02.23UPDATE

2017年03月号掲載

FAKE?

Member:KEN LLOYD

Interviewer:荒金 良介

-Mike Patton関連(※ソロ、MR. BUNGLE、FANTÔMAS、TOMAHAWKなど)の音源は、何でもありのアヴァンギャルドなミクスチャーが炸裂してますからね。

そこにどんどん惹かれました。高校のころもとにかくライヴに行ってたし、稼いだお金は全部CDに注ぎ込んでましたからね。探せばいいものはあるんですよ。ただ、みんな探さないですね。それは日本に来て特にそう思いました。海外の方がみんな探してますよ。

-それはなぜでしょう?

ほかの人と同じ音楽を聴きたがらないんですよ。日本とは真逆ですよね。だから、アメリカン・スクールに行って、いろんな音に触れることができて良かったなと。

-KENさんが好きな音楽の傾向というと?

いい曲はたくさんありますけど、変わってるものが好きですね。何かしらヒネッてるものが好きですね。FAITH NO MOREはそういうとこが好きなんですよ。

-なるほど。現在はFAKE?、OBLIVION DUST、ATOM ON SPHEREと3つのバンドで活動されてますが、その中で音楽的な棲み分けは考えてますか?

自分で棲み分けてるつもりはないけど、OBLIVION DUSTは激しい洋楽っぽいロック、FAKE?はロックではあるけど、いろんな要素を取り入れてますからね。エレクトロ、ヒップホップとかを取り入れて、最終的にキャッチーでノれる音楽にしようと。最近は映像にも手を出してるし、バンドの枠組みを越えたくて。その意味では自然と棲み分けができてますね。OBLIVION DUSTでは映像とか求めてないし、FAKE?はいろんな引き出しがあって、アルバムごとに作風も違うので、そこで個人の欲求を満たしてます。それがあるから、OBLIVION DUSTではそこまで主張しないんですよ。その代わり、自分の歌に集中できますからね。で、ATOM ON SPHEREは最初にSHIGEO(ex-SBK)から80年代のUKインディーズ・ロックをやりたいと言われて。例えられたバンドがNEW ORDERで......僕はNEW ORDERが大嫌いで。

-そうでしたか(笑)。

まぁ、僕なりにやれば大丈夫と言われたから。ATOM ON SPHEREはOBLIVION DUSTでもFAKE?でもできないものに挑戦してるから、新鮮ですね。

-FAKE?では好きな音楽をやってるとはいえ、ATOM ON SPHEREとはまたスタンスが違うわけですよね?

そうっすね。魂を切り刻んでやってます。クリエイティヴや活動面で全部理解されているかと言えば、されてない気もするけど。KEN LLOYDの純な部分はそこにありますからね。OBLIVION DUSTも純だけど、3人でやってるから、ほかのふたりの色も入ってますからね。FAKE?=KEN LLOYDというのが正しいですね。

-活動が理解されないというのは?

アルバムごとに作風が変わるし、2、3年ライヴをしない時期もあるし、通常のバンド活動はやってないから。音楽を活動するうえで、ひとつのやり方しかないとは思ってなくて。レコード会社にはひとつのテンプレートがあって、アルバムを作ってツアーを回る。それをずっとやっちゃうと、仕事になっちゃうんですよ。それでステージの上から笑顔で"みんなに会いたかったぜ!"とウソをつくのが嫌だから。

-FAKE?は自分のクリエイティヴな面を最重視して?

うん、アーティストはそういうものだと思うから。シングルを出したあとに、そのシングル曲をやらなかったり、それを指摘されると、ニコッとしちゃうんですよね。

-ははははは(笑)。

天の邪鬼なんでしょうね。僕が好きなアーティストはみんなそうなんですよ。David Bowieがテンプレートのままにやっていたら、今のようなイメージはないだろうし。僕のゴールはヴォーカリストでもなく、ミュージシャンでもなく、アーティストのKEN LLOYDと言われたくて。

-わかりました。そして、FAKE?としては昨年からプログラマー、CGアーティストなどからなるクリエイティヴ集団 BRAND 360と共にWhite Rabbit Inc.というプロジェクトを立ち上げましたよね。これは以前からやりたかったことですか?

そうですね。レコード会社にプレゼンしても誰も乗ってくれなくて。何か見せてくれと言われるけど、見せるのもお金がかかりますからね。そこに幻滅した部分もあって、自分でいろんな人たちを探して、やっと出会えた感じです。

-映像面の影響というと?

ピクサー(Pixar Animation Studios)とか映画が好きなんですよ。あと、写真集もいっぱい持ってるし、絵を観るのも好きなんです。それを音楽とミックスさせたら、どうなるかなと。僕、ほとんどの曲が英語だから、いい歌詞を書いてもわかりやすくしないと、伝わらないんですよね。"LOVE"といっても、僕の中にはいろんなLOVEの色があって......その色を見せられないことに歯がゆさがあったから。絵と一緒にコラボして見せたいというのがスタートですね。ヴィジュアルがあることで、なぜこういう展開になるのかがわかりやすくなるから。それでチームとして一緒にやっていこうと。