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INTERVIEW

Victim of Deception

2017.01.13UPDATE

2017年01月号掲載

Victim of Deception

Member:Daichi(Vo) Junpei(Gt) morby(Gt)

Interviewer:荒金 良介

-自分たちなりの決意と覚悟があったと。曲作りも以前より、メンバー内の話し合いが増えました?

Junpei:そうですね。「Suffering」もある程度作って、morbyから"ここはこの方がいい?"と言われたり。「Prostrate」もかなり時間をかけました、同期やシンセとか。誰かメンバーひとりでも微妙と言ったら、なるべく変えるようにしてます。

Daichi:Junpeiの曲は"ヴォーカルはこう歌ってほしい"と指示してくるので、普通は3、4時間で録り終わるけど、6時間くらいかかりました(笑)。

Junpei:Re-RECしてるから、計10時間ぐらいかかってますね。僕もヴォーカルのラインを考えるから、どうしてもこう歌ってほしいというものがある。で、気になったところはRe-RECしました。申し訳なかったけど、より良いものを作りたいから。結果、良かったですね。本当に手を抜かずにやれました。

Daichi:しんどかったけど(笑)、良かったと思いますね。ヴォーカルから見るメロディと、ギターから見るメロディは違うから、勉強になりました。今回は新しい歌い回しも多々感じられると思います。

Junpei:"こういう声、出せる?"って注文したもんね。

Daichi:そうそう。いろんな声も重ねているので、それもよく聴いてもらえたらなと。

-今回は妥協せずに、めんどくさい作業にも首を突っ込んだと。

morby:一番大変だったのはエンジニアの方かもしれない(笑)。

Junpei:ここに何を入れてください、あそこを変えてくださいとか言いましたからね。かなりこだわりました。今回は注文が異常な量でした(笑)。でも自分たちが作りたいものがあったから。

morby:イメージしているものを形にする力は昔よりもアップしたかもしれない。1st EPのときはどうすればいいか、わからないところもあったから。アレンジの引き出しも増えましたからね。

-特にこだわったポイントというと?

Junpei:今回はギターのリードも多いし、全曲違う雰囲気にしたかったんですよ。海外のデスコアのCDを聴いても、全曲似たような作品もあるから。Daichi君のヴォーカルはクセがあるから、この人が歌ったらVoD色になる。そこだけブレなければ、いろんなことができるなと。だから、スプリットでも「Black Colors」という曲を作ったし。

-「Prostrate」はきめ細かなギター・フレーズも多いですよね。

Junpei:そうですね。あと、ヴォーカルの入れ方もいろいろ注文しました。デスコアのひと言だけでは片づけられたくないし、一緒じゃつまらないですからね。その意味で挑戦しました。

-「Suffering」はいきなりピロピロギターで始まるし(笑)。

morby:曲調はデスコアじゃないですからね。

Junpei:そう! Daichi君の声でデスコアにしているというか。やっぱりコテコテのデスコアを聴けない人もいるだろうし、「Reign」、「Suffering」はコア系が好きな人なら聴けるかなと。Daichi君が作った「The Inferiority」はこれまでのVoD直系みたいな曲から、もう少し軽めが好きな人も気に入ってもらえるかなと。

-聴き手の間口をより広げるために、試行錯誤したと。

Junpei:「Prostrate」は世界観を重視したくて。最初と最後の同期が同じで、きれいに締めたかったんですよ。

Daichi:前回のEPは高いシャウトがメインで、スクリーム/グロウル中心に作ったけど、今回は低い声も入れて、昔よりもそういう声も出せるようになったから。

-最初に曲を聴いたときは、ゲスト・ヴォーカルをフィーチャーしているのかなと思いました(笑)。それくらい歌のバリエーションも豊かですね。

Junpei:ヴォーカリストとしてもいろんな声質が出せた方が広がると思うから。苦しみながら叫んでみて、と言ってみたりね(笑)。

Daichi:うなり声から入って、高い音域で叫んでみたり......。

-morbyさんが作曲した「The Immorality」はどんなイメージで?

morby:僕はギョンギョンズンズンしてたら何でもいいんです(笑)。Junpeiが作るような細かなものではなく、ストレートな力強さを大事にしようと。仮タイトルが"力こそパワー"でしたから(笑)。トラクターみたいな曲ですね。

Daichi:全速力でないけど、なぎ倒していくイメージだよね。

morby:遅い裏ブラストを使った曲を作りたくて。ザンザン刻むだけで殺傷力があるというか。

Junpei:そういう曲が1曲あってもいいかなと。いい意味で被らないですからね。最初に聴いたときは、笑っちゃいましたけど。こいつ(morby)のバカ丸出しな感じが出てるから(笑)。だけど、引き出しは以前よりも本当に増えましたね。昔の曲を聴いて、詰めが甘いなと感じることもありますから。俺は昔から曲を作っていたけど、みんなからダメ出しされることが多くて。ほぼボツみたいな感じでしたからね。

Daichi:Junpeiは作曲に関しては成長したと思います。昔は趣味丸出しみたいな曲しか作れなかったんですよ。

Junpei:ディスだ(笑)!

Daichi:最近作る曲は自分の色を出しつつ、そのジャンルに沿った曲も作れるようになったから。幅は広くなったなと。

morby:心に陰が出てきたから......血生臭いリフも作れるようになったのかなと。

Junpei:ははははは(笑)。

Daichi:ツー・ステップに移行するときも、今は邪悪さも兼ね備えられるようになったし。

morby:以前は陽と陰が合わせられなかったけど、今は灰色も表現できるようになったのかなと。今回の曲を聴いてもらえればわかりますが、マイナスのオーラ全開ですからね。

-負のパワーが漲っていると。

Daichi:セルフ・タイトルということもあり、バンド本来のカラーが滲み出てると思います。歌詞に関しても根本的にマイナスなことしか書いてないですからね。デスコア自体も"生きるために頑張ろう!"というよりも、"他のものをなぎ倒しても生きてやろう!"みたいなニュアンスになるんですよ。その雰囲気は出てると思います。

-なるほど。では、2017年はどんな年にしたいですか?

Junpei:今回セルフ・タイトルをつけたけど、あくまでスタートを作っただけですからね。2017年もさらに計画を練って、上に行けたらいいなと。

Daichi:でっかいステージに立ちたいですからね。純粋に"SCREAM OUT FEST"にも出たいです!

Junpei:それも夢のひとつでしたからね。学生のころにお客さんとして観に行ってましたから。

morby:外でもライヴをやってみたい。

Junpei:あぁ、いつか野外で自分たちの音を鳴らしたいですね。