INTERVIEW
MERRY
2017.01.31UPDATE
2017年02月号掲載
Member:ガラ(Vo) ネロ(Dr)
Interviewer:沖 さやこ
-やはり自分たちのカラーを持っているバンドにはジャンルを飛び越えた説得力があるので、強いですよね。先ほどネロさんもおっしゃっていましたが、メロディもコード進行も歌詞もいいからアコースティック・アレンジが映えるのだと思います。
ガラ:やっぱり俺のルーツがそこなんですよね。聴いてきた昭和歌謡が歌、メロディ、アコギ、4畳半的なところだから。それはすごくMERRYにも反映されていると思います。2016年ずっとどんなライヴでもフェスでも、近年のMERRYで最もメッセージ性の強い「Happy life」をアコースティックで演奏していたんですよね。育ってきたのもあっていい状態のときにパッケージングしたいなと思って通常盤には「Happy life -幸福論 Acoustic version-」(Track.2)を入れて。
ネロ:ライヴでやっていたら"ちゃんと音源で欲しいです"という声も多かったので。
-「傘と雨」はアコースティック・アレンジの方がヴォーカルがエモーショナルで、その対比も印象的でした。タイトルの"傘と雨"もなんとなく対照的ですし。
ガラ:よく"雨と傘"と間違えられるんですけど。
-たしかに。普通なら"雨と傘"にすると思います。
ガラ:まず最初に出てきた歌詞が"傘はいらない"という言葉だったんです。俺は雨の情景で感情表現をするのでよく"雨"を歌詞で使うんですけど、"傘と雨"と傘を先に置くことで晴れの日でも傘をさしてるような雰囲気が出るかなと思って。あと"傘"という字のなかには人が4人いるので、一番上が俺かなって。
-なるほど! 隅から隅までいまのMERRYを象徴する曲になったと思います。通常盤には"Zombie Paradise ~地獄DISCO mix~"(Track.3)と称されたEDMリミックスも収録され、3パターンのMERRYを味わえます。
ガラ:結生君がディレクターと話し合った結果、"EDMアレンジの曲を入れたい"と話がまとまって。俺は昭和の人間だから"EDMってなんですか?"って感じだったんですけど(笑)、ディスコ風にアレンジするなら「Zombie Paradise」かなと思って"この曲でどう?"と結生君に伝えて、その筋に特化した人にアレンジをお願いして。
ネロ:できあがったものを聴いて、本格的すぎてビビりましたけど(笑)。AA=の(上田)剛士さんにアレンジしてもらったときみたいな衝撃でしたね。
ガラ:「傘と雨」の最後の"未来はきっと明るいだろう"から「Happy life」に繋がるから、そういうのもいいなと思うんですよね。そのあとの"地獄DISCO mix"なんですけど(笑)、そういう日もあるよね、みたいなところも表わせられたかなと。
-ははは。時の流れの早さを歌った曲で、時代に流されない強い盤が生まれたと思います。
ガラ:流行りを追う気ゼロっすからね(笑)。流行りが欲しいなら他のバンドを聴いてくれればいい。俺らは俺らにしかできないことをやるだけですね。
-俺らにしかできないことと言えば、今回のツアーもそれぞれの公演に想像の上を行くコンセプトが(笑)。
ガラ:普通にライヴをしてもしょうがないので、何かできないかな? と考えて、男限定ライヴ、女限定ライヴ、雨が降った場合しかやらない無料ライヴ、モーニング・ライヴ――
-朝8時開演......平気ですか? 何時入りなんですか?
ガラ:いや、よくわかんない(笑)。とりあえずやってみよう精神なので、あんまり深く考えてないです(笑)。オールナイト・ライヴがあるのに朝ライヴがないのは嘘だ! と思って。そういうことも面白がってやれたらなと思いますね。早朝ライヴも朝ジョギングと同じノリで来てもらえれば(笑)。
ネロ:夢がありますよね。ライヴのあと仕事がある子の背中を"行ってらっしゃい!"と押したいし、朝まで飲んでた奴らにはとどめを刺してやる(笑)! 俺らはしっかり演奏します。
-その先、5月5日には3年半ぶりに日比谷野外大音楽堂での単独公演"Tokyo Spring 日比谷デモクラティック ~羊達の主張~"が決定しています。
ネロ:2014年12月に出した『NOnsenSe MARkeT』というアルバムが、世の中の鬱憤や不条理に対してのメッセージが強かったので、日本のすべてを決めている場所とも近い日本のおへそで『NOnsenSe MARkeT』のファイナル・ステージを迎える感覚があります。MERRYが日比谷でデモをする、ということですね。
ガラ:2017年の通過点として日比谷野音のステージに立つので、ここでまたMERRYの新しい一面を見せていけたらと思いますね。最近どんどん、俺らが節目節目で立ってきたハコがなくなって。そういう意味でも野音は俺らにとっていつまでも特別な場所だし、そこで成長もさせてもらったし。ここでいままでやってきたことをしっかり見せて、演出的にも演奏的にも歌的にも、間違いなくいままでやった野音の中で最高のものにしようと思っています。ぜひみなさんに集結してもらいたいですね。