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INTERVIEW

GRILLED MEAT YOUNGMANS

2016.10.07UPDATE

2016年10月号掲載

GRILLED MEAT YOUNGMANS

Member:ゆよゆっぺ(Vo) ゆよゆっぱ(Ba) ミヤチ(Gt) かしむら(Gt) やすし(Dr)

Interviewer:沖 さやこ


行き当たりばったりの奇跡があるから曲が良くなるし気持ちいい


-このバンドでの制作はどのように進むのでしょう?

ゆっぺ:僕がデモを作ったものもあるんですけど、やっさんもデモを作ってくれるんです。そのデモをDropboxにアップして"どれにしよう?"と会議をしていって。

やすし:(ゆっぺの作る曲には)自分にはない呼吸のリズムがあるので、それが楽しいのもこのバンドを続けている理由のひとつですね。このバンドを始めて自分のドラムも変わったなと思います。

ゆっぺ:それがバンドのいいところですよね。自分が考えてもみない方向へ曲が良くなっていくと曲自体が大きくなっていく。今回のアルバム『EATMANS』の中にもある「Pegasus」(Track.5)は根本からひっくり返った曲ですね。

やすし:大枠ができたのはいいが、それをどうアレンジしたらいいんだろう? と思う曲で、"お前が作ったんだからお前が考えろよ"、"いや、お前こそ考えろよ"と話して――

かしむら:結果、ゆっぱに投げられるという(笑)。

ゆっぱ:全曲そういう作り方だから、バンド全体で作った感じがすごくあるんですよ。

かしむら:「復讐のベジタリアン」(Track.2)も、アウトロはあんな感じじゃなかったし。

ミヤチ:"新鮮一番!!"の掛け声も、打ち合わせ中にふざけてたら生まれたもんね。

ゆっぺ:そうそう(笑)。"ここ、何か入れたくない? みんなでシンガロングしたくない?"って話してたときに生まれたんです。そもそも"復讐のベジタリアン"というタイトルも、デモをアップするにあたって"デモ1、デモ2じゃわかりにくいな"と思って適当に"これでいいや"と思ってつけたもので(笑)、そこから歌詞を書いていきました。

-「復讐のベジタリアン」はイージーコアあり、メタルあり、EDMありと、ミクスチャー・センスの光るゆっぺさんらしい曲だと思いました。でもゆっぺさんを昔からいちリスナーとして知っている身としては、歌詞で"新鮮一番!!"とか言う人だったかな? というのはあって(笑)。

ゆっぺ:僕がデモを作った段階では、そんな言葉は一切入ってなかったんですけど(笑)。やっぱり音楽のことを考えすぎると曲はできなくて。私生活の中や、人との関わりの中で面白いアイディアが見つかると思うんです。バンドがすごくいい形態だなと思うのは、ライヴ然り、制作然り、ひとつの目標に向かうアイディアを全員が共有してるから、誰かがパッと出したアイディアによって対象が二重にも三重にも良くなっていくんですよね。"新鮮一番!!"も誰かが言いだして、それを曲中で言ってみた瞬間にみんなで"あ、ハマッた!!"って気持ち良くて。そういう行き当たりばったりの奇跡があるから曲が良くなるし、それが価値のあるものだと思います。

かしむら:......行き当たりばったりと言えば、僕が腐ってできたフレーズのエピソードもありますね(笑)。

-"腐ってできた"とは?

ゆっぺ:「Good Morning Bounce」(Track.3)の話なんですけど。もともとのフレーズは――朝、大阪に向かってる車の中で俺がギターを弾いてたら"お、これLA感があっていいね"、"朝できたから「Good Morning Bounce」ってタイトルでいいや"って(笑)。それからいろんなアイディアを入れて曲がどんどんできあがっていって、やっさんと一緒にアレンジを考えているときに"やる気のないギター・ソロを入れたい"という話になったんですよね。でもレコーディングでギター・ソロが難航してしまって。時間もないからゆっぱの家――まぁ俺の実家なんですけど(笑)、そこで録っておいてと頼んで。

かしむら:それで夜中にゆっぱの家に行ったんですよね。前日にもうひとつのバンドの練習があったり、その日は仕事があったりして、とにかく疲れててものすごく眠くて。

ゆっぱ:兄から"歌うようなギター・ソロ"と言われていたので、"歌でギター・ソロ入れてみようよ!"という話になって、まず歌でギター・ソロを考えて、そのとおりにギターを入れたら完全なるママゴトになってしまって(笑)。"やる気のなさを超えてしまった、これはヤバい!"とふたりで考えたんですけど、彼が疲れてるかなんなのか知らないですけど、気づいたらもう横になって寝てたんですよ! だから俺が考えたギター・ソロを聴かそうと思って起こすんですけど全然起きなくて!

かしむら:それが夜中の3時くらいですね。"かしむら君、ギター・ソロできたよ"って言われて、まず俺のひと言目が"ありがとう"でも"マジ?"でも"申し訳ない!"でもなく、"これ、俺弾くの?"で(笑)。ゆっぱの作ったギター・ソロは自分的には結構テクい感じだったんですよねー......。

-それが"かしむら腐った事件"ですか(笑)。

ゆっぺ:それで送られてきたデモを聴いて、"いいやん、いいやん。かしむらいい感じ!"と思ってたら、ゆっぱが"俺が弾いたんだ"って(笑)。でも俺とやっさんでアレンジしてるときに、ギター・ソロに入るきっかけが欲しいな、"そうだ、かしむらのギターで入ろう! わかりやすくていいじゃん!"と決めちゃって。時間がなかったのもあって、オケ録りも歌録りも終えてて、あとはギター・ソロを入れるだけだったんですよね......。だから"かしむらのギター!!"と言いつつも、CDに入ってるのはゆっぱが弾いたギター・ソロです(笑)。お互いに知らないことがあった結果、ものすごいケミストリーが起きてしまった(笑)。

かしむら:でもゆっぱが弾いたのは僕のギターですし、ライヴではちゃんと僕が弾いてます(笑)。ギター・ソロを録った日、僕は朝5時に起きてそのまま仕事に行ったので、その朝に何回も奇跡が起きて生まれた曲です。