INTERVIEW
Last Day Dream
2016.01.07UPDATE
2016年01月号掲載
Member:Saimotic(Vo) Aran(Gt) 藤井 優樹(Dr)
Interviewer:米沢 彰
-まずはTO THE RATS AND WOLVESをドイツから招いて行われた激ロックGIG vol.5へのご出演ありがとうございました。あのラインナップの中だと少し毛色が違っていて、若干のアウェイ感もあったのではないかと思いますが、実際にやってみていかがでしたか?
Saimotic:たしかに毛色が違うバンドたちやったかもしれないですけど、アウェイ感は全然なかったです。激ロックGIGに遊びに来てくれたお客さんの反応がすごく嬉しかったです。たぶん初めて観るお客さんやと思うんですけど、最初は後ろの方で大人観してた人が、演奏している途中で何人か1番前に来て突然ヘドバンし始めたときはめっちゃテンション上がりました(笑)。"おお! これぞ激ロック!"って(笑)。
-あのハイレベルなライヴにはかなり驚かされました。激ロックFES vol.1でCrossfaithを初めて観たときの衝撃にも似ていると感じたぐらいでした。
Saimotic:そう言っていただけると本当に純粋に嬉しいですね。あの日はたぶん、自分たちだけが県外から来たバンドやし、"せっかく大阪から来たんやし、いつも通り絶対何か残したんねん!"ってメンバー全員が思ってたんで、それをステージに出せたのかもしれません。
-各パート本当にレベルが高いと思いましたが、特にドラムの藤井優樹さんは高速ブラストビートから刻みの2バス・パートまで叩ききってるのには驚きました。
藤井:速いブラストビートとそれ以外のフレーズを1台のドラム・セットで両立できるように試行錯誤をしてきました。伝わっていて本当に嬉しいです。まだ甘いところが多々あるので改善していきたいと思っています。
Saimotic:優樹君はほんま変態やからな(笑)。だからこそできるプレイだと思っています。
-ライヴのレベルの高さは各メンバーの意識の高さがそのまま出ているのかなと思いますが、実際のところはいかがでしょうか?
Saimotic:レベルが高いとは全然思ってないですね。ただただ、毎回のステージで音楽として自己表現を出し切ろうと心がけています。
-メタルコアを名乗っていることに個人的には若干の違和感を感じていますが、そこに強いこだわりがあるのでしょうか?
Saimotic:メタルコアというより"ネクスト・メタルコア・モンスター"って名乗っているのにこだわりがありますね。今は活動が止まってしまった先輩のバンド、fate in spiralが"大阪のメタルコア・モンスター"って名乗ってたんですけど、その人たちのライヴはマジでヤバくて尊敬してましたし、当時の大阪のシーンもめっちゃ盛り上がってました。だから、彼らの意思を引き継ぎながらも絶対超えたんねんという気持ちでそう名乗らせてもらってます。ちゃんとfate in spiralのギターのKENTAROに許可を得て名乗っています(笑)。
-個人的にはメタルコアよりもデスメタル/デスコアを名乗ってもらった方が、実際のサウンドを聴いたときのギャップが減ってとっつきやすくなるように思っています。
Saimotic:そうかもしれませんね。でも自分たちはデスコア/デスメタルの影響を受けているのかと言えば実は全然そうじゃなくて。むしろメロデスの影響を受けているのかなって思っています。実際、僕は前のバンドでメロデスをやってたし、その影響はLast Day Dreamに多少あるのかなと。"メロデスコア"って名乗った方がしっくり来るかもしれませんね(笑)。
-"メロデスコア"は的を射ていますね(笑)。とはいえ、ジャンル分けはジャンル分けなので、Last Day Dreamのサウンドが浸透すればそういうことも気にならなくなるとは思います。
Saimotic:そうですね!"自分たちのジャンルはこれだ"っていう定義はあんまり考えていないですが、メタルの影響は受けています。"Last Day Dream"っていうジャンルで考えてもらえたら幸いです。
-そういう意味では、今作のタイトル『Another Dimension』にはそういう自らが切り拓くという思いが込められているのでしょうか?
Saimotic:自分たちが切り拓くという意思、思いはもちろんあります。"Last Day Dreamの音楽はまだまだいろいろあるんだぜ!"って示せたらいいなと思っていますね。
-今作のオープニングとなるTrack.1「Gossip session」はそのタイトルをそのまま日本語訳にすると"井戸端会議"なんですが、SEとなっているこのトラックはマウスをカチカチやっている音が何やら意味深で、ドラマや映画の1シーンみたいに想像を掻き立てますね。
Saimotic:たしかに"井戸端会議"のニュアンスも持っていますね。もともとは"噂話"という意味で考えていました。最近はTwitterとかSNSという時代の象徴といえる個人の掲示板というのが普及しているので、クリック音は必死にPCで呟いてる様を想像してくれたらなと思います。最近の井戸端会議ってまさにネットで起こっているんですよね。しかも誰もが見れる公共の場で。嘘の話でさえも本当の事件かのように語る人たちもいるし、簡単に人を蔑む発言をできる場でもあり、それを見て真に受ける人たちもいたりします。"そんな残念な空間が世の理なのか?"ってことを表現したいと思い制作しました。
-そしてタイトル・トラック(Track.2)へと入っていきますが、イントロ部分はたしかにメタルコアのノリで、I KILLED THE PROM QUEENみたいな明るさが印象的ですね。この曲はここのリフからできた曲ですか?
Saimotic:そうですね。この曲はTrack.1と2曲でひとつの音楽と考えていただければと思います。
-このリフを基調にしたサビから、ピアノが乗ってブラストビートに展開していく変態っぷりが異様ですね。この展開はまず普通には出てこないと思いますが、実際どのようにしてこの流れができたのですか?
Aran:この展開はSaimoticが考えた流れを自分なりに色づけしていく形で作っていったので、お互いの良いところだけが残ってこのような展開が生まれたと思っています。