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INTERVIEW

DISTURBED

2015.08.19UPDATE

DISTURBED

Member:David Draiman(Vo)

Interviewer:米沢 彰

-後ろに複数の曲を残した場所にこのトラックを入れる、という曲順からは、数合わせではなくしっかりとした意図を持って入れたことがうかがえるように思いましたが、実際にはいかがですか?

曲順はいつも考えて、こだわるんだけど特に方式とかパターンとかはなく、感覚で決めることが多い。流れを大事にしているし、衝撃を与えたり、気持ちを盛り上げたり、そういう部分を考えている。カバー曲をここに持ってきたのはそれなりのパワーを感じ、呼吸できるところにしたかったからなんだ。

-これらのバラード曲に限らず、他のアグレッシヴな曲でもあなたのヴォーカルの発声が以前までとかなり変わったように感じました。休止期間中にもDEVICEでの活動の他にトレーニングやヴォーカル・スタイルの研究など、何かしらの鍛錬を行っていたのでしょうか?

特にトレーニングはしていなかったけど、自分の歌い方、可能性、すべてを見直すいい機会だったから、自分がしたいことやできることを追求することができたと思う。もちろんいろいろなゲスト参加やコラボレーションもあったから声を使わないときはなかったし、錆びつくこともなかったと思う。

-やはりあなたの声はそのサウンド・キャラクター自体が確立していて、まるでバンドを象徴する楽器のようですよね。活動休止中にはコラボレーションやゲスト、あるいはまた別のサイド・プロジェクトなどの引き合いもあったのではないでしょうか?

活動休止中、みんな他のミュージシャンと仕事ができたり、参加して違う環境を経験することができて、一歩下がったところから自分たちの音楽を見ることですごく成長したんだ。

-プロデューサーにはOzzy Osbourne、FIVE FINGER DEATH PUNCH、IN THIS MOMENTらとの制作で知られるKevin Churkoを初めて起用されていますね。どういった経緯でKevinに白羽の矢が立ったのでしょうか? Kevinを選んだという話を聞いて最初に浮かんだのがFIVE FINGER DEATH PUNCHのことでした。

今回が彼と初めての仕事だったけど、尊敬できるプロデューサーでありソングライターだから、驚きばかりだった。彼は創造性の塊で、プロフェッショナルだし、腕がいい。彼についてはポジティヴな言葉しかない。それだけ素晴らしい経験をさせてくれた。一緒に仕事ができて光栄だっただけじゃなく、幸運だったと思っている。

-Kevinとの実際の制作はいかがでしたか?

彼は俺たちの1番いい部分を引き出すだけの役割ではなかった。彼はしっかりとした提案をくれたり、まったく違うことをやってみようと言ってくれたり。大人しくレコーディングだけするのではなく、俺たちの作業の一部になり、仲間になり、チームになった。彼は違うパートを投げ込んできたり、激しく批判したり、導いたり。どの曲も顕微鏡で見ているように細かく分析してくれた。とても激しかったけど、それが満足のいくやり方だったし、良かったんだ。彼は素晴らしい人間だよ。尊敬しかない。どのバンドでも彼と仕事をすることを勧めるよ。彼の手にかかったら間違いないんだ。

-これまでもソリッドなサウンドでしたが、今作はさらにそれを研ぎ澄ませたサウンドに仕上がった印象を受けました。ご自身では今作のサウンドについてどのように捉えていますか? また、どういったサウンドを目指そう、というような考えはありましたか?

このアルバムを聴いたらパワフルになる、力が漲るような何かをリスナーに与えたかったから、そういう力を込めたサウンドにしたかったんだ。何を作ってもDISTURBEDらしい作品になるのは間違いないけど、俺たちから再び湧き出たこの活気を形にしたかった。それが目指したサウンドに繋がったと思う。

-前々作が"Indestructible"(※破壊できない、不滅)、前作は"Asylum"(※避難、亡命)と来て活動休止でしたので、今作のタイトル"Immortalized"(※不死化する)にはいろいろと意味を想像させられます。実際にはどういった考えで今作のタイトルをつけたのでしょうか?

アルバムの制作が終わってから、自分たちの仕事の成果を見て、この言葉がなんとなく語りかけてきてタイトルになったんだ。曲自体はスポーツやアスリートをイメージして、その素晴らしい成果や達成感を物語っている。名前を残し、名声不朽の人となり、死んだあともその人生で何を成し遂げたか人の記憶に残る。それは人生において様々なことを意味するし、いろんな捉え方ができると思うんだ。人の記憶に残る行動をしようとみんなを励ましている。音楽にはそういうことができると思うんだ。音楽を聴くと自分の過去を鮮明に思い出すことができ、また再現できる。音楽が思い起こしてくれる。音楽はそういうエネルギーと繋がりが持てるだけのパワーがある。時間を永遠にすることができる。それがつまり"Immortalize"――俺たちがやり続けようとしていることなんだ。

-活動休止を経てからのリリースというのはプレッシャーもあったのではないでしょうか? 秘密裏に制作を進めていたから実は伸び伸びとしていたとか?

プレッシャーはまったく感じなかったね。早く音楽を作りたい、早く自分の気持ちを形にしたいって気持ちだった。離れていた分、とても恋しかったから創作意欲が増して、どちらかといったら伸び伸びと制作できた方だったと思う。

-The Guyが暴れまわるTrack.3「The Vengeful One」のMVが公開され早くもかなりの再生数となり話題になっていますね。アニメ調にして少し和らいでいますが、その内容は相当に過激ですね。あのストーリーやアイディアはどなたが考えたのでしょうか?

これはPhil Mucci(KORN「Oildale (Leave Me Alone)」、STONE SOUR「Do Me A Favor」などのミュージック・ビデオで知られる映像監督)のアイディアだった。彼が監督をしてくれた。この曲の意味をベースに作ったんだけど、これは大天使、神の右腕とも言われているガブリエルについての歌なんだ。ダーク・メシアとも言われているね。エジプトが疫病に苦しんだときに、エジプトの王の長男を殺害した、ソドムとゴモラの物語の奴(笑)。Philが考えたんだけど、この主人公が世界を塗りつぶしていった。宇宙からバイクに乗ってやってきて、マスコミのロボット悪魔を退治する、それが彼だ。最高にかっこいいよ! でもすべてPhilのアイディアだから、それに関しては自分たちの手柄ではないんだけどね。

-リリース後のツアーの予定などは決まっていますか?

日本に行かなかったら妻は一生許してくれないと思う(笑)。姑も許してくれない。だから必ず日本ツアーはやるよ(笑)。アルバムが長い間秘密にされていたから、まだツアー予定は確定していなくて、1ヶ月前から計画を練り始めたんだ。発表できることがあったらすぐに知らせるよ! 必ず行くけどね。

-日本にいるあなた方のファンへのメッセージをお願いします。

早く日本に行きたい。自分の中で1番良かったツアーの思い出が日本なんだ。新幹線で京都に行って、観光させてもらったこともあって、最高の体験ができた。文化と歴史に圧倒されて、何もかも吸収したいと思った。日本はいつも自分の心の中に特別な場所があるから。日本のみんな、また会おう!