INTERVIEW
DIAWOLF
2015.06.15UPDATE
2015年06月号掲載
Member:SHOW OHARA (Vo) TORA AMANO (Gt)
Interviewer:吉羽 さおり
-「Heavenly Dark」のようなヘヴィなサウンドに、繊細な歌や雰囲気のあるメロディがのるっていうのは、ラウド・シーンでもあまり他にはないところだと思うんです。そこはひとつ、このバンドのポイントな気がします。
SHOW:嬉しいですね。英語詞は多いんですけど、洋楽になりたいけどなりきれないという感じが1番かっこ悪いと思っているんです。日本人だからこそできる、素敵さみたいなものがあるんじゃないかなって。例えば、同じメタルでもスパニッシュやスウェーデンのものって違うじゃないですか、民族性を感じるというか。日本ってそんなに、民族性を出すことって難しいとは思うんですけど。それでも日本人だからできることがあると思うんです。それは考えて見つけて行きたいなと思いますね。
-そういうところでは、こういうスッと耳に入ってくるメロディ・ラインは、心くすぐられるものがあるというか。
SHOW:「Heavenly Dark」は特に、ゴスにしてはコード・チェンジが多いんです。
TORA:ああそうだね、これは多い。
SHOW:だから、日本的なコード・チェンジ、プラス、メロディになるんですよね。
-"ゴス"って言うとわりと淡々と殺伐とした温度感ありますからね。そういうところでは面白い曲になっている。
SHOW:進行は結構、ポップスというか、日本の歌モノっていう感じなんです。それが、ちょっと違う感じに聴こえるかもしれない。これは、ちょっとそういうところを意識した曲になってますね。
-では、Track.3「Everlasting Flavor」はどうでしょう。ピコピコ感満載でありつつ抽象的なエレクトロ風でもあり、「Rebellion」とは違ったエレクトロ感。この曲もメロディがうまくのっていますね。
TORA:これは、ギリギリでできた曲だったんです。せっかくDJさんがいるなら、がっつりそっちに寄った曲を作りたいなっていう。1曲くらいこういうのがあると、色になるのかなと思って。僕が作ろうと思って――やろうと思ったけどこれはやっぱり、今までバンド・サウンドで作ることをやってきたので、それは得意なんですけど。バンド・サウンドなしで考え始めると、ムズいなと(笑)。ある程度のシンセの感じを作って。それの上にメロディをのっけて、あとは、DJと、話しながらこうこうこうしたいですねとか、音色選びをやっていって、形になった曲ですね。
-では、もうとことん振り切ってしまおうということだったんですね。
TORA:そうです、振り切りたい気持ちがありました。
SHOW:DIAWOLF始めてみたら、意外とTORAのほうがお洒落な音楽聴いているんですよね。
-お洒落な(笑)?
SHOW:パッと見は逆だと思うんですよ、「Heavenly Dark」のような曲を彼が作って、僕がこっち(「Everlasting Flavor」)というような。
-はい、てっきりそうかと思ってました(笑)。
SHOW:彼の方が、EDM的な音楽とかをちゃんと聴いていたんだなって。僕、最初はKORNで止まってましたからね(笑)。KORN、MUDVAYNE、STAINDくらいで止まってました。
-ではTORAさんは、こういうエッセンスをDIAWOLFとして出していくうえで、どんな音楽を聴いていたんですか。
TORA:僕は、MODESTEPというバンドが好きですね。DJとドラムとギターとヴォーカルという編成なんですけど、ロック・イベントも出るし、"ULTRA"みたいなダンス・イベントにも出れるようなバンドなんです。DIAWOLFの話をしていく中で、そういうバンドって、あまりいないしいいなっていうのもあって。わりとそういったものは聴いていたりしましたね。
SHOW:しかもヴォーカルが、R&B的でうまい感じでね。そういうバンドもいるんだなって。ラウンジでかかってもいいくらいの曲で。
TORA:そうなんだよね。
SHOW:でもお客さんがガチガチにアガってるっていう。それが面白い。
-では続いてTrack.4「VICTIM」これは抜け感のある曲ですね。
TORA:これはイントロの感じをシンセで聴かせるいい方法はないかなと、作った曲で。
-ヴォーカルも2タイプあって、メロディアスなものと、ラップ調のもの。
SHOW:この曲はあまり筋肉感がないものをっていうのを意識してましたね。力の抜けた部分も、ちゃんとアガっていく部分もあるっていう。この作業をしてるときは、TORA氏のセンスはDJを超えてるんだなと思いましたね。TORAが作ろうとしてる音色が、結構新しいもので。TORA的には普通なんだろうけど、DJの人はDJの人なりにこういうシーンにはこういうバンドが流行ってるっていう勉強をしてきてくれているんですけど。それよりも1歩速い。その1歩速いのが、DJの人的には80'sだったらしいんです。"80's"やんみたいな。でも、僕はそういう時代背景は知らないので、"新しいっしょ?"みたいな感じだったんですよね。そういうのは面白かった。
TORA:今のクラブ・ミュージックって音数を減らすんですよ。ちょっと前までは、いろんな音が組み合わさっている感じで、イントロ・フレーズとか盛り上がるフレーズがあったんですけど、今はそれが単音なんです。単音一発勝負でマイナー・コードで。そういうのが流行り出したのが2015年で。そういうのにも、突っ込んで行きたいなという感じでしたね。
-アンテナ張ってますね。
TORA:せっかくやるなら、そういうところも張って行かないとダメかなと(笑)。でもエレクトロってほんとに流行り廃りが速いんですよね。あまりにもそっちに突っ込みすぎちゃうと廃れる曲を作ってしまうことになるんです。