INTERVIEW
NAMBA69
2014.12.10UPDATE
2014年12月号掲載
Member:難波 章浩 (Vo/Ba) K5 (Gt) SAMBU (Dr)
Interviewer:吉羽 さおり
-自分で作っていくものと、セッションとではやはり生み出されるアイディアやできあがる感触も違うものなんですかね。
難波:やっぱりみんなでやっていると3人のバイブスっていうのかな、それを踏まえてそれぞれ音を出すわけじゃない? だから作業が早いんですよ。家に帰って作ってきて"これどう?"っていうのはタイムラグもあるし。その完成のスピードが早いという裏付けは3人ががっちりとしているからで、目標を持って、グルーヴがあるからこそできたことだと思うのね。今までだったら、俺がリーダーシップをとってやっていたところはあったかもしれないけど、今回のアルバムはほんとにみんなで作ったんだよね。
-難波さんのセルフ・ライナー・ノーツによると「ON THE ROAD」という曲は仮タイトルがRANCIDだったそうなんですが......。
難波:ちなみに「TRASH」はNIRVANAだったんだよね(笑)。
SAMBU:そうだった(笑)。
難波:「GHOST」と、「STRAY DOG」はギターのリフが、中華風というか、RAMONESの「Chinese Rocks」みたいな感じだったから、CHINAっていう(笑)。CHINA1、2っていう、そういう仮タイトルからきているんですよ。
-そのRANCIDという仮タイトルのものが、「ON THE ROAD」という物語になっていったのは?
難波:アメリカのハイウェイって日本の高速道路と違って、フリーウェイで、"自由を感じるために乗るんだ"って言ってるバンドが多くて。アメリカ大陸ってデカイから、ツアーに行くのにフリーウェイをずっと走るんだけど、その移動の感じを歌っている人たちも多いんですよね。Hi-STANDARDの「ENDLESS TRIP」も実はそうなんだよね(笑)。RANCIDでもそういうことを歌ってる曲があって、そこからインスパイアされた俺たちの「ON THE ROAD」。ON THE ROADって直訳すると道にのるって意味なんだけど、出発する、始めるっていう意味もあって。まさに俺たちのバンドのスタートにふさわしいと思ったんだよね。
-ニューヨーク、カリフォルニア、ロンドンといった都市の名前が歌に入っていますよね。
難波:そう、日本だけじゃなくて、世界中の行きたいところがね。まだ夢物語なんだけど、その夢を語ってもいいじゃないのっていう。
-まっすぐなスピード感があって、大きく先にのびていくハイウェイを思わせるサウンドですが、メロディは哀愁味が強いですよね。そこは難波さんらしいメロディでもあるなとも思います。
難波:哀愁ありますよね。よく言われるんだけど、めちゃめちゃ哀愁のある曲が好きで。今で言うとエモいものが好きなんですよね。それも音楽だけじゃなくて――最近、小さな男の子見るだけでキュンってなっちゃうんだよね(笑)。
SAMBU:はははは、優しい~。
難波:"ああ、大きくなっちゃうんだなあ"って。すげえ切ないんだよ。
K5:ああ、そこなんだ(笑)。
難波:そういうエモいものを見てキュンとなる感覚が好きなんですよね。
-メッセージを持つ曲ももちろんありますし、これまでも心の内を反映した音楽や歌を歌ってきたと思うんですが、このNAMBA69というバンド体制となってからよりピュアな思いがダイレクトに出ている気がしますし、簡潔な言葉で伝えていますね。
難波:そうですね、俺が歌って俺が書いてるんだけど、このふたり(K5、SAMBU)が純粋だからだと思う。バンドのヴォーカルとしては、みんなの人生も感じながら書かなきゃいけないじゃないですか。やっぱり、ふたりが純粋じゃないとこんなこと言えないと思うんですよね。"何言ってるんですか、難波さん"っていうタイプの人間がいたらできないじゃん? ふたりがほんとに純粋に生きていて、すごく俺と合ってるから、こういうふうに一緒にやれていると思うんだよね。