－Track.10「You will be」のイントロが特徴的ですが、ちょっと複雑な変拍子をさらっと挟み込んでいたり、yuricaさんのヴォーカルの分かりやすさの裏側でバンドとしては結構やりたいようにやっているように感じましたが、こういったサウンドの変態要素を入れようとしてくるのはどなたですか？

yurica：Kensukeじゃない（笑）？

Kensuke：アルバム全体を通して変態すぎないようにはしたんですけど、たしかに「You will be」だけは色を出しましたね。リフで結構ヘンテコな感じを詰めたいなとは思ってました。

－バンド・サウンドとyuricaさんのヴォーカルがうまくふたつの柱になっている気がします。レコーディングする際にそれぞれのパートで意識されたことはありますか？

Suguty：土台をしっかり作るようには考えています。やっぱり歌を1番聴いてほしいと思っているので、その歌を聴かせられるようなドラムを目指してますね。

yurica：Sugutyが1番生粋のメタラーなんですよ。すごいマニアックなのを知ってるし、私がどういうふうにしたらいいかなって話をすると、すぐにアイディアをたくさん出してくれるんです。

Suguty：パソコンには膨大な量の曲が入ってますね。

yurica：しかも、そのバンドを私たちはほとんど知らないんですよ。私も結構聴いている方なのに（笑）。

KENTA："このバンドどこで知ったの？"って聞いたら"デビューする前から追ってて"って（爆笑）。

一同：（爆笑）

yurica：（笑）着てるバンドTとかもマニアックすぎて（笑）！

－（笑）そういうところも生かされてるんですね。ドラムはさらっと手数が多いパターンが入っていたり、レベルの高さが感じられるのですが、影響を受けたドラマーはいらっしゃるんですか？

Suguty：いっぱいいるんですけど、特定の人はいないですね。まんべんなくです。

－KENTAさんはいかがですか？

KENTA：「Hunger」から入ったっていうのもあるんですけど、とりあえずギターのリフとバスドラの間で自分の場所をどこにしようって思っていました。メインになっているのはSPECTORのアクティヴ（・ピックアップ）のベースなんですけど、半分ぐらいは僕より年上のフェンダーを使ってみたり。そこで、音の隙間を探すのと、ちょっと主張をしたいので2コーラス目のAメロで頑張ってみたり（笑）。でも本当に、自分がどう弾きたいかじゃなくて、このメンバーでどういうベースを弾けるかを探している感じです。それが形になったのがこのアルバムです。"LAST MAY JAGUARのKENTA"を探しましたね。アレンジとかでデモを作りながら探っていた状態でした。

－自分の年齢より上のベースというのは、ビンテージということですか？

KENTA：そうですね。1976年のプレベ（プレシジョン・ベース）に5弦用の1弦を抜いて無理矢理4弦で使ったりしました。アルバムの前半はそれで弾いてることが多いですね。

－老体に鞭打ってますね（笑）。こだわりが強いんですね。

KENTA：せっかくやるなら、いろんなことやりたくて。今回は自由にやらせてもらいました。でも、結構危険なことをしましたね（笑）。

－Kensukeさんはいかがですか？

Kensuke：ギターに関しては、音を重ねてひとつの音にするのがすごく好きで、多くて8本くらい重なってる部分もあるんです。でも、そういうのもやりつつ、2本でシンプルに骨太に聴かせる箇所もあったりして。そういうことを意識しましたね。

－打ち込みもKensukeさんですか？

Kensuke：打ち込みもやってます。でも、基本的にはあんまりシンセの音とかは入れないようにして、バンド内で完結できるようにしてますね。

－yuricaさんのヴォーカルについては？

yurica：レコーディングが結構タイトだったんです。1日2曲を2日連続で録って、1日休んでまた録る、みたいなのを続けてました。エンジニアさんにも"喉大丈夫？"って心配されたりして。でも、私は喉が結構強いので大丈夫だったんですけど、デス声は最後の方に録りました。ボイトレの先生に"録る前に最初に喋った方がいいよ"って言われて、スタジオ入りをレコーディングの1時間前にして、ずっと喋ってたんですけど、他のみんなは誰も話してくれないんですよ（笑）！ だからずっとひとりで喋ってました（笑）！

KENTA：他のみんなもやることあるし（笑）。

yurica：でもそのわりには話題豊富だったでしょ！？

Kensuke：でも、何の話してたかは全然覚えてないですね。

yurica：内容のない女子トークを繰り広げてましたね......。でもそのおかげでいい歌が録れました（笑）。