INTERVIEW
TeddyLoid
2014.09.11UPDATE
2014年09月号掲載
Interviewer:KAORU
-アルバムの大きなストーリーがある中で、曲の中にもストーリーがありますから結構複雑ですよね。ここからの流れも興味深いですね。本編最後の「Forever Love」ですが、宇宙というテーマがありながら、最後は"永遠の愛"っていうものを持ってきたところにも深い意味があると思うのですが。
そうですね。今作は結局アンドロイドの話なんですけど、僕、機械にも愛はあるなってずっと感じていて。ずっとコンピューターと接してDTMで曲を作っていますけど、人とセッションしているときと同じような温もりを感じることがあるんですよ。そんな気持ちを表したかった1曲でもありますし、同時に人間というテーマの中でも愛って原点にあるものだし、それを表現したくて1番最後に持ってきました。
-そして最後の最後に、先ほど言っていた15分の大曲「BLACK MOON RISING」が入っているんですね。
そうですね。"あ、ここの部分て、あの曲のあの部分じゃないか"っていう発見もあると思います。
-アルバムの制作にはどのくらいの時間がかかりましたか?
去年の8月23日から始まっていて、結局1年かかりましたね。
-特にこの曲を作るのは大変だったという曲はありますか?
うーん、もちろん全曲気合いを入れてはいるんですけど、実際1番大変だったのは、やはり「Teddy Boy Strut」のギターの部分ですね(笑)。途中のウッド・ベースも大変でしたし。音作りに苦戦しましたね。どうしてもコンピューター感が出てしまうので、それをいかに生楽器っぽくするかというところでこだわりました。
-『BLACK MOON RISING』には歌詞カードは付くのですか?
いや、歌詞カードは付かないですね。『BLACK MOON RISING』は、絶対にアルバムでCDを 手に取って聴いていただきたくて。なんでかっていうと、佐竹美保さんに書いていただいたイラストとストーリーが、曲と連動しているんです。なので、ブックレットで曲を聴きながら、イラストとストーリーを見ることによって、ヴィジュアル・ノベルというか、絵本のような、サウンド・ノベルのような感じで、アルバム1枚を通して聴いてみてもらうと、BLACK MOONの全てのストーリーがわかる仕組みになっているんです。だから余計な要素は入れたくなくて、あくまで、ストーリーと、素晴らしいイラストと、音楽っていうのを感じていただきたいです。
-佐竹美保さんにイラストをオファーした理由は?
佐竹美保さんは、"魔女の宅急便"の本とか、他にも好きな作品がたくさんあって。もともと白黒で書くイラストレーターのかたを探していたんですが、その中でも特に世界観がすごかったりとか、感情を揺さぶるものがあって、一緒にやってみたいと思ってお願いしました。
-なるほど。ブックレットも含めて楽しみにしています!『BLACK MOON RISING』を完全再現するようなライヴ・セットがあったら面白いなと思ったのですが、その予定はありますか?
ちょうどWOMBでエクスクルーシヴなものをやります。それはVJも入って映像も入って。
-いろんなジャンルの現場でDJされていますが、例えばアニソンの現場ではアニソンを入れたりするんですよね?
そうですね。秋葉原のMOGRAでもやりますし、自分でエディットしてセットに入れたりします。激ロックのイベントも凄く楽しみですね。KenKenさんも出ますし。
-ロックのDJパーティーって、このバンドのこの曲が好きだから踊るっていうのがわりと前提にあるんですよ。でもダンス・ミュージックだと、曲は知らないけどこういう音でアがるみたいなのがあるので、全然違うんですよね。
ああ、本当に違いますよね。
-ロックDJとしてはそこが羨ましいなと思う部分もあるんですけど。TeddyLoidさんはロック・リスナーにも十分に語りかける作品を作っていらっしゃいますし、ロック・リスナーにもどんどん広まっていくのではないかと思います。今日はありがとうございました!