INTERVIEW
FEELFLIP
2014.05.20UPDATE
2014年05月号掲載
Member:TOMOYA (Vo/Gt) IKKE (Ba) TOSHI (Dr) PON (T.sax) MOCK (B.sax)
Interviewer:山口 智男
-なおかつ最初から最後まで攻めまくっているじゃないですか。そこがいいですよね。今日お話を聞くまで、現在のメンバーが3年前に揃ったということを知らなかったので、10年のキャリアがあるバンドがこんなに攻撃的なのかってびっくりしました。
T:まぁ、そこまで日の目を見てきたバンドではないんで(笑)。そこが逆に強みになってるのかもしれないです。日の目を見てきたわけじゃないけど、今シーンを賑わせてるバンドと対バンもしてるし、負けてるとは思ってないですけどね。ただ、みんなの心に突き刺さるまでにはけっこう時間がかかるんだなって(笑)。
I:がんばろうね(笑)。
T:まぁ、結成3年目と言っても過言ではないんですけどね。3年前、本当にやりたい奴らが集まったわけですけど、その時点で7年目。それまでにはモヤモヤしてた時期もあって、正直、売れたいなと思って作った曲もあったんですよ。でも、それが受けなかった。じゃあ、そんなのは捨てて、一緒にやりたい奴らとやりたいことをやろうって。そう思ったのが3年前。その考えを変えずにやってきたからこういう攻めのアルバムができたのかな。8曲目の「A Place in the Sun」のようなゆっくりした曲は昔の俺たちではあり得なかった。そういう曲をやる余裕はなかったんですよ。でも、今は攻めながらもそういう余裕はある。だからスタジオでスチャスチャとやった時、全員が素直に受けいれられたんです。
P:前は違和感があったんですよ。そういう曲をやっても。
I:それが新しいFEELFLIPの攻めてる部分でもあるのかな。
-サックスの聴きどころも教えてください。
P:普通は、高音域と中音域ってバランスでやってるバンドが多いと思うんですけど、バリトンとテナーってところでね。
M:そうだね。そもそもバリトン・サックスがいるバンドがほとんどいない。
P:金管なしってところで音の張りでは勝てないってことを考えて、トランペットが入ってるバンドじゃできないものを目指しました。
-その試みが最も表れた曲と言うと?
P:「Just an accident」です。同じことを2人が吹かないってことを全体的にやりました。
M:いい意味で聴きづらい(笑)。ごちゃごちゃしてるほうがアウトロとか盛り上げる部分とかに関してはいいよねってことで、けっこうそういう2管が違うことをやってるパターンが多いよね。
T:聴きやすいというか、音数の少ないフレーズをパーパーパーって、で、2本目はそれにハモッてパーパーパーって。それが日本のスカのイメージなんですけど、俺の肌には合わない。
P:サビは本当だったら歌を邪魔しちゃいけないんですけど、そういうところでもめちゃくちゃやってるんです。
M:エンジニアさんも"これ、歌が入るんですよね"って(笑)。うちらの場合、それはホーンだけに限った話じゃないんですけど。
I:そこら辺はスカオティックなんで(笑)。
M:お互いのことを気にしてるようで気にしてない。
T:曲を作る時、"ここ当たってる?"って話はするんだけど、結局、合わせたらガーッて。超スカオティックじゃんって(笑)。
M:そういう意味ではメンバーが1番のライバル。誰かが目立ってると癪なんですよ。
T:うん、メンバーには負けたくないです(笑)。
P:幸い5人とも仲がいいんで、癪ではあるけど、そこでぶつかったりはしないんです。
M:そこはお互い認め合ってるんで。だからこそ成立する。他のバンドだったらケンカになってると思うんですよ。
T:1番書いてほしいのは、メンバーの仲がいいってことですね(笑)。音楽的に認め合ってるなら別に仲が良くなくてもいい。むしろそのほうが馴れ合いにならずにいいって考えてたんですけど、メンバー・チェンジを繰り返して、仲がいいのが1番いいなって思うようになりました。
I:そういう意味でも、いい空気感が出てきました。10年やってきて、今回のレコーディングが一番いい空気感でできたんじゃないですか。
-さっきそんなに日の目を見てきたわけではないと言っていましたが、今回のアルバムでその辺も変わっていくんじゃないですか?
T:そうですね。HEY-SMITHっぽいって言われるのはもう飽きました(笑)。
-アルバムのリリース後はツアーが待っていますね?
I:6月から10月にかけて回るんですけど、今回はスカ・パンクから新しいものを発信していくってところで、オール・ジャンルで通用するようなアルバムができたので、歌もののバンドと一緒にやる日もあれば、HER NAME IN BLOODやARTEMAのようなバンドとやる日もあって、本当にオール・ジャンルで勝負して、FEELFLIPを1段でも2段でもいい位置に持っていこうというそのための10周年のツアーなんです。
T:日の目を見ずに10周年。底力だけはたぶんあると思うんで、ちやほやされてこなかったバンドの底力を見せてやろうと思います(笑)。"もっと前に出てこいよ"って言われるんですけど、出ていきかたがわからない(笑)。このアルバムがその一歩になってくれたらいいですね。