MENU バンドTシャツ

激ロック | ラウドロック ポータルサイト

INTERVIEW

FEELFLIP

2014.05.20UPDATE

2014年05月号掲載

FEELFLIP

Member:TOMOYA (Vo/Gt) IKKE (Ba) TOSHI (Dr) PON (T.sax) MOCK (B.sax)

Interviewer:山口 智男

-TOMOYAさんは?

I:TOMOYAは出会った時は青春パンク一筋で、バンドを始めてオリジナルを作ろうってなった時も最後まで日本語でやりたいと言ってましたね。

TOMOYA(以下T):でも、元々、POTSHOTやCHANGE UPをかっこいいと思いながら聴いてたんですよ。ただ、それがスカ・パンクだって知らなかっただけで。で、長野からこっちに来てから、IKKEと出会って、"スカ・パンクって知ってる?"って聴かせてもらったとき、ああ、あの時、聴いてたやつだってガチッとハマッて。青春パンクも好きだったんですけど、体が求めてたのはスカ・パンクだったんだ、みたいな。ただ、青春パンクを自分でやろうとは思わなかったですね。できないですね。あんなに熱い、聴く人の心に響かせるような音楽は。でも、スカ・パンクって初めて聴いても踊れるし、楽しめるじゃないですか。そういうところに惹かれたんだと思います。

P:うん、スカ・パンクの良さってそこだよね。音源を聴かずに、いきなりライヴで観ても楽しめる。

-みなさんにとってスカ・パンクの魅力って、そういうところ?

M:それと受け皿の広さですかね。ある意味、何をやっても許される。他のジャンルだと、それまでと違うことをやると、"そんなの違うよ"とか"変わっちゃったよ"とかって言われることがあると思うんですけど、スカ・パンクって元々がスカとパンクっていう2つのジャンルが合わさったものだから、何をやってもありなのかなって。なんでもありって意味では、どんな人でも入りやすいんじゃないかって思うんですよ。

-現在のメンバーになったのが3年前ということですが、その頃からバンドの活動もぐんぐん上向きになってきたようですね?

T:ああ。このバンドを始めるにあたって、管楽器をやる人ってやっぱり少ないんで、吹奏楽の経験がある女の子を入れたんですよ。ホントはPOTSHOTとかSNAIL RAMPとかみたいに男だけで荒々しくやるのがかっこいいと思ってたんですけど。もちろん、女の子がいるバンドがダメだってわけじゃないんですよ。ただ、男だけのほうがいろいろ都合がいい。感性も似てるじゃないですか。女の子が2、3人いる時期もあったんですけど、女の子って頭がいいから、楽しければそれでいいやってやってるバンドに見切りをつけてやめていっちゃったんで、それならずっとやりたいと思ってた男だけのバンドにしようと思って、MOCKとか今のドラムのTOSHIとか、俺がやりたいと思ってた奴らに声をかけたんです。演奏が上手いとか下手とかってことももちろん大事なんですけど、やっぱり感性が似てる奴らとやらないと、スカ・パンク・バンドってダメになると思うんですよ。メンバーが多いから意見がまとまらない。それは何度もメンバー・チェンジを繰り返して学んだことです。それからやる気が出たと言うか、やっぱり女の子のメンバーがいると、ライヴをやってもお客さんはどうしてもそっちばかり観ちゃう。女の子ヴォーカルだったら逆に観てほしいけど、なんか音楽をちゃんと聴いてもらえてないような気がして。でも、男だけになって、音楽だけで勝負できるようになったと思ったら、周りの見方も変わってきました。そうすると、モチベーションも上がって、俺のやりたい音楽も少しずつ変化してきました。今は以前の踊りやすいノリに、それこそ青春パンクじゃないですけど、気持ちに訴えかけるような激しいノリも混ぜてるんですよ。楽しいねぇって感じから荒々しい感じというか、"踊れ!おまえら"って感じでイケるようになったのは、メンバーの気持ちがひとつになったからこそ。それもあって、上向きになってきたように見えるのかもしれないですね。

-10周年に加え、現在のメンバーになってから初めて作るフル・アルバムということで、やっぱりかなり気合も入っているのでは? アルバムを作るにあたっては、今までよりも上を目指したんじゃないでしょうか?

T:上を目指すって言うよりは攻めたって言ったほうがいいのかな。2012年9月に『For Fighting』ってミニ・アルバムを出したんですけど、その時、やりたいことが固まって、今回はそれをさらに発展させたというか、みんなで広げていったんです。曲のベースは俺が作るんですけど、これまで"こうしよう""ああしよう"って俺が言ってたところを、今回は、みんなで"ここはこうじゃない?"って話をしながら作っていったから、本当はタイトルも『Feelflip』にしたかったんですよ。でも、それだとベスト盤みたいになっちゃうからってことでやめたんですけど、"じゃあ、どうしよう? 俺らが進化して、これがFEELFLIPだってアピールするにはどうしたらいい!?"ってところで、スカ・パンクも含めた新しいジャンルとして、さっき言ったスカオティックって言葉を作りました。

P:それ以前からカオティックだって言われてましたしね。

-じゃあ、これまでは他のメンバーは曲作りには積極的に参加していなかったわけですか?

T:俺のやり方を尊重してくれてましたね。フレーズを作ってきてくれてもイメージが違ったんですよ。それで、"それよりもこっちのほうがいいよ"って俺が作ったフレーズを弾いてもらったり吹いてもらったりしてたんですけど、前作ぐらいから作ってきてくれるフレーズが俺のイメージとマッチしてきて、今回は本当にもうお任せで。"かっこいい。それいで行こう"って。4曲目の「GET LIFE!!」のIKKEのベースだけはごちゃごちゃ言いましたけど(笑)。

-弦をスラップしているやつだ。

I:そこはかなり試行錯誤して、いくつもフレーズを考えました。

T:IKKEが使ってる7弦ベースって見た目はすごいけど、どれだけすごいのかってところを音でも見せつけたかったんです。そういうところが見えるアルバムにもしたかったから、1曲、ベースから始まる曲を作ろうって。"好きにやって"って言ったんですけど、結局、すげえ口を出しちゃいました(笑)。

-なぜ7弦ベースなんですか?

I:元々、5弦ベースを使ってたんですけど、サブのベースが欲しくなって、知り合いの楽器屋さんに"いいベースない?"って聞いたら、"ちょうど7弦ベースが入ったよ"って言われて(笑)。僕、勢いで物事を決めちゃうタイプなんで、7弦なら5弦よりも可能性が広がるんじゃないかって。

T:可能性って何だよ(笑)!

I:割と安易に7弦ベースを使おうと思ったんですけど、いざ弾いてみたら、どこを弾いてるかわからないうえにミュートがすごく難しい。これは弾きこなせないんじゃないかって(笑)。使いはじめたのが2年ぐらい前なんですけど、前の2つの作品は7弦を活かさなきゃ活かさなきゃって意識してやってたんですけど、今回はアレンジを考える時から自然にできるようになってましたね。

T:"7弦なんてダメだよ"って言った時も、"大丈夫、これでイケる"ってずっと言ってたんですよ。今、初めて本音を聞きました(笑)。

M:いきなりスタジオに持ってきたんですよ。7弦ベースを。ケースを開けた瞬間、みんな、"えぇ!?"って。

T:"ギターでさえ6弦なんだよ"って(笑)。でも、助かってるところもありますけどね。先輩のバンドと初めて対バンする時なんか、先輩のほうから"何だそれ?"って話しかけてもらえますからね。やっぱり、みんな楽器が好きなんで。演奏面と言うよりもそういうところでありがたい。7弦ベースになったらベース・マガジンの取材が決まったもんね。あざーす(笑)!