INTERVIEW
STONE TEMPLE PILOTS with Chester Bennington
2013.10.12UPDATE
2013年10月号掲載
Member:Chester Bennington (Vo)
Interviewer:ムラオカ
ロック・シーンにおいて屈指の影響力と激動の歴史を持つバンドの1つ、STONE TEMPLE PILOTS。彼らがDVD付きの5曲入りEP『High Rise』をリリースする。今年2月にScott Weiland解雇という衝撃の発表をしたバンドだが、新たにヴォーカリストとして迎えたのはなんとLINKIN PARKのChester Bennington。Chesterの加入はバンドに様々な発見をもたらしているようだ。今回、激ロックではChesterにインタビューを敢行。彼から見たSTP、楽曲制作、そして今後の活動などについて語ってもらった。
-Scott Weilandが脱退してあなたがSTONE TEMPLE PILOTS(以下STP)に加入した経緯を教えてもらえますか?
僕の視点からの説明になるけど、過去にSTPとツアーをしたこともあって、知り合いではあったんだ。Scottが脱退して、彼らが前に進む決心をした時に、次のヴォーカルを誰にするか話し合ったらしいんだ。それで僕が第1候補になったと言うか僕としか組みたくないと言う話になった。なぜそうなったのかはわからないけど。それで連絡が来て、僕は1つ返事で受けたんだ。すごくシンプルな出来事だったよ。
-STONE TEMPLE PILOTSはあなたが幼い頃からの憧れのバンドだったそうですので、そのバンドに加入できて今とてもハッピーなのではないでしょうか?
そうなんだ。昔から大好きなバンドで、ファンだったし、彼らの曲の作り方とかミュージシャンとしての才能を尊敬していた。彼らと一緒に仕事ができる素晴らしい機会になると思った。
-STONE TEMPLE PILOTS with Chester Benningtonという名義となっていますが、なぜ"with Chester Bennington"をあえて付けたのでしょうか?これは正式なバンドではなく一時的なプロジェクトということなのでしょうか?
これは俺がつけたものでもなければ、STPがつけたものでもない。まだ法律的にいろいろ続いているので、それをクリアするためにwith Chester Benningtonってつけたんだ。でもこれについてまったく俺は情報もないし、探りたいとも思ってないんだ(笑)。でもね、もし一時的なプロジェクトとしか思ってなかったら、絶対にSTPに加入してないし、続かないと思うよ。一時的ではないよ、決して。
-分かりました。それでは作品の話に移らせていただきますが、『High Rise』完成おめでとうございます。この作品はいつ頃から制作を始めていたのでしょうか?
バンドに加入して、俺をヴォーカルに迎えてSTPが活動を再開するって発表した時に、曲を作って聴かせないと誰も納得しないと思ったんだ。発表して、さあアルバムを作りましょうってわけにはいかないってね。公にしたからには、それに伴う音楽もみんなに提供しないといけない。だからフル・アルバムよりはEPを制作した方が俺たちには合っていると思ったんだ。LINKIN PARK(以下LP)での責任もあるので、STPとアルバムを作るのに1年はかけられないということもあって、EPにすることにしたんだ。曲作りは俺も参加して、毎日作業していた。想像通りの作業で、リフが出来てから俺がメロディを作った。常に話し合って曲を仕上げたので、非常にいいチームワークでの作業だったよ。
-あなたはこの作品の作曲、作詞などに関してどのくらい関与しているのでしょうか?詳しく教えてください。
全曲100パーセント関与していたよ。さっきも言ったけど、メンバーと話し合いながら、俺がメロディと歌詞を考えた。アイディアをぶつけあって、いい流れができていた。とても好きなクリエイティブなプロセスだった。
-LPでのあなたの歌唱と比較すると、スクリームしたりハイトーンで叫び上げたりせずに非常に自然体で謳っているように感じたのですが、実際にはどのようなことを心掛けていましたか?
あまり自分のヴォーカルの取り組み方に関しては考えたりしないんだ。多分人が思っているよりはビブラートが出ていると思うけど、そのビブラートの部分はLPでは必要なかったので、できるだけ抑えたり、消したりしていた。Mike(Shinoda)はLPの幹だったので、ビブラートがあると感情的すぎるって言っていたので、あえて消して、フラットでストレートに声を出すようにしていた。それにSTPのスタイルが違うので、スクリームするような内容でもないと思う。インスピレーションを受けて歌ったって感じだった。
-フル・アルバムの制作予定はあるのでしょうか?
時間に左右されるけど、もちろん常に作品は作っていきたいと思う。EPを何枚も出すかもしれない。この時点では時間で決まると思う。フル・アルバムを作るために1年LPから欠席するのはあり得ない話しだから、まあ、様子を見るよ。フル・アルバムが可能ならもちろんやるけど、自分たちで制作して、リリースするので、何の制限もなくやっていける。自分たちにその権限があるので、何でもありだとは思っているよ。