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INTERVIEW

ESCAPE THE FATE

2013.06.13UPDATE

2013年06月号掲載

ESCAPE THE FATE

Member:Craig Mabbitt(Vo)

Interviewer:ムラオカ

-前作『Escape The Fate』は全米25位というチャート・アクションを含め渾身の出来映えであったと思いますが、今振り返ってみていかがですか?

どのアルバムもすごく思い入れがあるんだ、アルバムによって制作環境も異なるし、自分たちの人生に於いても異なる時期だったりする。前作を振り返るとその時の気持ちが蘇るんだ。今までと違った、少しダークな感じで、よりヘヴィでインダストリアルな要素もあったと思う。自分たちがそうやって思い切って作ったサウンドに対して誇りに思うし、結果に満足しているよ。多分今から20年経っても、自分が携わったものなんだって嬉しく思うはずだよ。

-ベーシスト、Max Greenが脱退し、新たにMOTIONLESS IN WHITEで活動していたThomas "TJ" Bellが加入しましたね。その経緯を詳しく教えてください。

実はMaxは脱退したわけじゃないんだ。彼が自ら辞めたわけじゃないけど、彼をバンドに入れておけないような状況になってしまった。ファンたちはみんな知っているけど、ライヴをやっている最中にステージの上でMaxがドラッグのせいで気絶したんだ。その後のインタビューでは彼はリハビリに通っていて、良くなっているって伝えていたのに、その後もツアーをキャンセルしたり、ライヴに出なかったりしていた。バンドとしてはもっと前に彼をクビにするべきだったんだが、俺はずっと彼をかばっていた。Maxがそんな状態でできなかったツアーにTJが代わりに入ってくれたんだ。本当は彼が出た最後のツアーは自分が大丈夫であることを証明するためにものだったのに、1週間半くらいやってから1ヶ月も消えて、音信不通になってしまったんだ。マネージャーも彼を見つけられなかったし、レーベルも友達も彼を見つけることができなかった。すると1ヶ月くらいして、突然ツアーバスに乗り込んで、“やー、元気?”って普通の顔で言うから、俺たちは出て行ってくれって頼んだ。彼はもちろん気を悪くしていた様子だったけど、彼にとにかく元気になってくれって説得したんだ。何度も助けようとしたのに、それを振り切られたから俺たちも最後には諦めてしまったんだ。彼が俺たちの人生やキャリアまで台ナシにするのは許せないことだと思った。ドラッグ漬けになっている人は自分で立ち直りたいと思わないと無理なんだよね。Maxは俺の兄弟のような存在だし、俺の弟も同じような状況だったけど、見捨てているんじゃなくて、助けたいだけなんだ。自分で立ち直る努力をしないとどうにもならないというところまできてしまったんだ。

-このメンバー交代があなたがたの曲制作方法に影響を与えてはいますか?

いや、何も変わらないよ。ラインナップが変わっても、それはMonteの弟が正式なメンバーになっただけのことだからね。Monteと兄弟から子供の頃から一緒だった。曲作りはいつもMonteが音楽を作って、俺がヴォーカル・パートを作ってきたんだ。Monteと俺が軸だから、2人がいる限り制作方法は変わらないよ。

-前作でEpitaph RecordsからINTERSCOPEへレーベルを移籍しましたが、今作でまたELEVEN SEVENへと移籍しましたね。同じユニバーサル・グループ内とはいえ、何がきっかけでの移籍となったのでしょうか?

まずINTERSCOPEがセルフ・タイトル・アルバムを出したいとアプローチしてきて、バンドは世界で最もビッグなレーベルから声がかかったことで期待に満ちてしまって、すぐに移籍したいと言った。俺はEpitaph Recordsに所属しているのが大好きだったから乗り気じゃなかったけど、もしかしたらINTERSCOPEはロックが復活するという予測で俺たちにアプローチしたのかもしれないという考えになって、最終的には移籍することを決心した。ロックをまた盛り上げるポテンシャルがあるバンドの1つになれるなら嬉しいとも思ったんだ。しばらくINTERSCOPEでやっていたけど、アルバムがリリースされたものの、ヒットするわけじゃなかったし、ちょうどその頃Maxがリハビリだのなんだのでツアーのキャンセルが続いていたからレーベルも面白くなかったみたいだった。レーベルの方はもうロック・ミュージックに携わらないという決断を下してしまったので所属バンドをすべて切って、ロック部門を全員クビにしたんだ。俺たちと契約した人もリストラされてしまった。マネージャーを探すところからやらなきゃいけなくなって、マネージャー候補リストみたいなものを見たら、レーベル・メイトだったPAPA ROACHがELEVEN SEVENに行ったのがきっかけで俺たちもロック・バンドやロック・ミュージックを愛するレーベルに行くのがベストだと思って移籍することにしたんだ。

-『This War Is Ours』で起用したJohn Feldmannを再びプロデューサーに起用していますね。Don Gilmoreよりあなたがたにフィットするのでしょうか?

それは何とも言えないんだけど、プロデュースに関することになるとJohnはすごく意見を通す人で、Don はいいか悪いかだけを伝えるようなタイプなんだ。だからDonがプロデュースした前作をセルフ・タイトルにしようと思ったのもDonはあまりかかわることなくMonteと俺がほとんどの作業をしたからなんだ。今回Johnがフル・アルバムのプロデュースで戻ってきた時、実は半分くらい気に入っていなかったので、別のプロデューサーを起用しようと思っていたんだ。スタジオを自分たちで押さえて、エンジニアを雇って、Brandonってヤツにヴォーカルの指導をしてもらって、自分たちでやってみてすごく満足していたんだ。実は今リリースされている2枚のシングルはJohn Feldmanバージョンではない自分たちで作ったものなんだ。このアルバムは本当は昨年の春にリリースさすはずだったけど、少し時間をかけて考え直そうと思って本当に良かったと思うんだ。ただJohnと仕事をするのは好きだよ、すごく厳しいので、刺激になったしね(笑)。