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INTERVIEW

ESCAPE THE FATE

2010.04.05UPDATE

ESCAPE THE FATE

Member:Craig Mabbitt(Vo) Max Green(Ba) Monte Money(Gt) Robert Ortiz(Dr)

Interviewer:MAY-E

-ESCAPE THE FATEの音楽はファーストEPからずっと聴いてきましたが、セカンド・アルバム『This War Is Ours』が一番気に入っています。サウンドの幅が広がり、良い意味で大衆性が増しているとも思いました。08年にリリースしてから随分時間が経ちましたが、あなた方にとって『This War Is Ours』はどのようなアルバムになりましたか?

Craig:ありがとう。このメンバーでライヴをするのが初めてだということもあって、最初はステージでどういうリアクションを期待していいのかも分からなかったし、実際にリアクションを受けてみても少し違和感があったよ。だけど、アルバムがリリースされて、ツアーに出てみると、日を増すごとに新しいファンが増えてきたんだ。それと同時に、これまでのファンもアルバムを気に入ってくれたようだしね。リリースされてから1年以上が過ぎたけれど、『This War Is Ours』をきっかけにファン層が広がったことで俺達自身の自信にも繋がったよ。

-曲作りのプロセスにも過去作と比べ何か変化があったのでしょうか?

Monte:俺達とCraigの曲の書き方には異なる部分もあって、最初はお互いに慣れることから始めなきゃいけなかったんだ。だけど、実際はとても馬が合った。一緒に良い音楽を作り出すことが出来たと思っているよ。

-『This War Is Ours』はアートワークからしてもこれまでのイメージを一新するようなデザインですが、実際のところ新しいスタートを切るための意気込みはありましたか?

Craig:うん、もちろんあったよ。このデザインはMaxのアイデアだったんだ。今までにないアートワークにして、俺たちが生まれ変わったことを表現したかった。このアートワークをデザインしてくれたのは、AVENGED SEVENFOLDも手掛けているデザイナーなんだよ。

-ESCAPE THE FATEのサウンドにメタルの要素は欠かせませんが、そういう激しさの反面、クリーン・パートにもしっかりと比重を置いていますよね。メロディも曲作りにおいて重要視していると感じるのですが、実際いかがでしょうか?

Craig:もちろん。メロディあっての曲だからね。レコーディングの後半では、ヘッドバンキングをしながらソロを弾いたりすることもあったし、そういうヘヴィな要素は俺達にとってとても大切なものだ。だけど、やっぱりメロディが良くなければ印象深い曲にはならないと思うんだよね。

-BLESSTHEFALLよりもESCAPE THE FATEの方が、さらにESCAPE THE FATEの過去作よりも目下最新作である『This War Is Ours』が、“歌”としての存在感があります。この辺りが、CraigがESCAPE THE FATEへ加入した決め手になっているのではないかとも思っているのですが。

Craig:そうだね。さっきの繰り返しになってしまうんだけど、ヘヴィな要素はもちろん大切だけれど、メロディやフックにパーソナリティーが感じられる曲じゃないと、いずれ色褪せてしまうと思うんだ。ESCAPE THE FATEは、そんな心配はいらないバンドだからね。音にパーソナリティーが感じられないバンドは、曲そのものは誰かの記憶に残っても、バンドとして覚えてもらえないだろう。だからヴォーカル・パートがしっかりしている事は、とても大切なことなんだよ。

-Craigのヴォーカルそのものが、BLESSTHEFALLの頃よりずっと力強く変化を遂げていたことに驚いたのですが、ESCAPE THE FATE加入前に何か特別なトレーニングをしたのでしょうか?

Monte:それだけ上手いってことなんじゃないかな?

Robert:テイク前に女の子と何かあったんだろう。

一同:笑

Craig:ハハハ!俺は特別なレッスンを受けたことはないよ。それはきっと、曲作りの仕方に変化があったことが要因になっているんだと思う。BLESSTHEFALLはヘヴィなものを追及するバンドで、ヴォーカルはとにかく高い声を出すことを大切にしていた。高い音を求めていたバンドだったから、当時はああいうヴォーカル・スタイルだったんだよ。だけどESCAPE THE FATEでは、自分のパーソナリティーをヴォーカルに盛り込むことが出来たんだ。そして今は、自分の声が更にパワフルに変化してきていることを感じているところさ。今、新曲の曲作りに入っているんだけど、それが出来上がった時に自分の声がどう変化しているのか楽しみだね。あと、俺はMaxのスクリームがとても好きなんだ。だから新曲ではMaxにスクリームを全て任せて、俺はメロディに専念しようと考えているよ。

-なるほど。メタリックなサウンドにスクリームとキャッチーなメロディを併せ持つバンドは今たくさんいますが、ESCAPE THE FATEはそのシーンの先駆けバンドだと言えると思います。現在のロック・シーンに思うことがあれば教えてください。

Craig:悲しいよ。だって、どのバンドもみんな同じように聞こえてしまうからね。でもBLESSTHEFALLの新作は良かったと思うよ。これは誰かを名指しで批判する訳じゃないんだけれど、ヴォーカリストがクレイジーになって、そこにパーソナリティーを付けてみたところで、せいぜいその時だけの声にしからない。だけどこのバンドは、ヘヴィなサウンドの中にもメロディアスな要素を盛り込んでいることもあって、俺たち独自のサウンドになっていると思うんだ。今日対バンするA DAY TO REMEMBERのヴォーカリストも、ヘヴィさの中にポップな面をミックスしたり、ヴォーカリストが色々な要素を取り入れることを理解しているバンドだ。だからきっと売れているんじゃないかな。

Max:最近のバンドは、こういう曲を書けば売れるだろうと思っているような、売れているバンドの真似をしたいだけのバンドが多い。曲を書く方法なんかも全て真似をして最終的にはワープト・ツアーに出られたらいいや、と思っているような連中がね。

Robert:どの世代にもすごいアーティストが必ずいる。そして、そのバンドのフォロワーもたくさん存在する。その数え切れないほどのフォロワーのバンド達は結局、皆忘れ去られてしまうんだ。Elvis PresleyやTHE BEATLES、グランジの時代であっても、同じようにビッグなバンドとそのフォロワーに分かれるだろ。今、MOTLEY CRUEやMETALLICAらがメタルのフォロワーをたくさん生み出しているように、俺たちもフォロワーをたくさん生み出せるようなバンドになりたいんだ。