INTERVIEW
TEXAS IN JULY
2012.11.06UPDATE
2012年11月号掲載
Member:Alex Good (Vo) Adam Gray (Dr) Christian Royer (Gt) Ben Witkowski (Ba) Chris (Father) Davis (Gt)
Interviewer:MAY-E
-そうですね。楽曲のタイトルもユニークですが、今作にはどのようなテーマやコンセプトがあるのでしょうか?
Ben:コンセプトというわけではないけれど、これはいろいろな種類のもののミックスだよ。例えば女の子についての曲もあるし……。
Adam:人生だね。人生で起きることや、本音とか。
Christian:そして、脳みそを使うこと。
Ben:そう!アートワークが脳みそでしょ。それは何度も検討されたテーマなんだけれど、心の中でいかに全てがスピンしているか、ということなんだ。気が狂いそうになったり、正気を保とうとしたり。そう、これは人生なんだ。人生と、様々なことが近頃どういった状態にあるか、だね。
-緻密で複雑なサウンドですが、どのようにして曲が作られていくんでしょうか。
Adam:まず、曲の枠組みを作るんだ。とても大まかなね。これをどこに持っていきたいとか、何をやりたいとかを考える。そして少しずつ変更を加えていって、アイデアを追加していくんだ。最初はとても小さい規模で始めるんだけど、制作していく中でどんどん積み上げて大きくしていくんだ。最終的に全く違うものになったりもするよ。もちろん、最初のアイデアとの関係は保ったままだけれど。本当にたくさんのステップがあるんだ。何をしたいかとか、トライ&エラーで探って行き、最終的にどういった決断をするのか、何を使うのかを決めるんだ。
-今作で新たにチャレンジしたことはありますか?
Ben:うん、アルバムのうち2、3曲はかなり実験的なことをしているよ。それらは今まで作った曲とはまるで違うテイストだし、多くは前作でも書いたようないわゆる俺たちっぽい曲も入っている。中でも「Black Magic」はかなり実験的で、今までとは全く違った曲だよ。もっとダークなんだ。「Paranoia」でも、今までやったことないアイデアを追加したり、違った機材を使ったり、クリーン・ギター・パートを入れたりと、いろいろ新しいことを試したよ。
-そうですね。メタル・バンドの枠を大きく超えたアルバムになりましたね。
Alex:ありがとう。ファンの皆にもアルバムの全てを聴いて欲しいね!
Ben:俺も、最初から最後まで聴いて欲しいって言うつもりだったよ。でも、そんなに多くの人はそれをやらないよね。1つのレコードを最初から最後まで聴こうとすると、ものすごく時間がかかるし。人々はそれぞれ違うアルバムの解釈をすると思うけど、ただ気に入ってほしいな、と願っているよ。
Christian:特にこのアルバムでは、僕たちはただの典型的なメタル・バンドではないってことを知ってほしい。メタルというリーグの外で曲が書けるんだってことをね。いろいろと実験的なことに挑戦したし、バリエーションにも富んだ作品になっているから、そういった部分を理解してくれると嬉しいな。
-2010年のメール・インタビューで、Benはヒップホップにも影響を受けていると言っていたのですが、クリスチャン・バンドなのにヒップホップに影響を受けているという言葉がすごく意外だったんです。
Adam:フィーリングだよね。はずむ感覚とか、ビートとか。俺にとっては影響になったよ。
Ben:数人のラッパーの歌詞テーマや伝え方、自己表現の方法とかね。俺たちはかなり真っ直ぐなメタル・バンドだから、そういったものを組み合わせようとするのは大変なことなんだ。だから、バンドがどうっていうわけじゃなくて、個人としての話だと思う。
Chris:うん、表現方法だね。
-なるほど。今でこそヘヴィな音を鳴らすクリスチャン・バンドも多いですが、最近、その中のひとつであるUNDEROATHが解散してしまいましたね。
Alex:ああ、とても悲しいよ。僕たちが成長する中で聴いたとても大好きなバンドだよ。こういった種類の音楽を聴き始めた時、最初に聴いたのが彼らでもあったし。伝説だよ。
Chris:UNDEROATHは、このジャンルの音楽にとって革新的なバンドだったよ。俺たちみたいなバンドをこういったレベルまで来られるように扉を開いてくれたのが彼らだったから。こういった種類の音楽は、以前はとてもアンダーグラウンドだったんだけど、彼らがそのギャップを埋めてくれたお陰で、バンドは大きくなることができて、何千人もの観客の前で毎晩演奏できるようになったんだ。だから彼らが解散してくれたのは、本当にさみしいよ。とても影響力のあるバンドだったからね。このジャンルにいる他のバンドがみんなそう思っていると思うよ。