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INTERVIEW

DOIMOI

2012.08.03UPDATE

2012年08月号掲載

DOIMOI

Member:杉山明弘 (Gt)

Interviewer:KAORU

-インタビュー後半は、アルバム『Materials Science』について詳しくお聞きしたいと思います。このアルバムの中で一番最初に出来たのはどの曲ですか?

3曲目の「静かな庭」ですね。09年暮れのライヴではもう演奏していた記憶があります。

-1曲目の「帆影」は、グランジ的な重いリフとクリーン・トーンの交差が印象的で、リズム隊の独特なテンポ感、更に二村さんの歌、“うわぁ、いい声してるなぁ!”とガツンとやられました。そこから2曲目の「円群」では「帆影」で抑制していたものを解き放ったかのようにヘヴィに展開していきますね。TOOLを彷彿とさせるプログレッシブなリズムと真っ直ぐに響く歌とのコントラストが絶妙です。この2曲の流れは元々最初から繋げようと思っていたのですか?また、作曲、作詞において意識した部分などお聞かせください。

「帆影」ができたときに、これは1曲目以外ないなとは考えました。フュネラルドゥームというんでしょうか、“とにかく低い・遅い”に挑戦したものの、そのままのノリで1曲もたせることができなくて、序曲風の短さになったので。歌詞は何か祈る感じがいいと思って、“平日にリハなしでライヴをやるとき、無事故で演奏を終えられますように”という安全祈願の内容にしました(笑)。「円群」は、作っている間から“これが今回のアルバムのリード曲になる”という意識がありました。なので自ずとこの2曲が1、2番目に並ぶことになったという感じです。「円群」は、今までの作風からするとストレートにエモ過ぎて、なんとか邪悪な方向に寄せようとしてあの間奏が入りました。その前後で自然な展開を作るのに苦労して、そこで2~3ヶ月はかかってます。

-「円群」はPVも拝見したのですが、キャッチボールをしていたり、楽器を演奏するメンバーの“絵”が動き、色彩感なども含めて非常に印象に残る映像でした。このPVの監督は誰ですか?また、“こういうPVにしたい”という構想はメンバーによるアイディアから生まれたのですか?

ヨシイカズトさんという、エレクトロニカ方面の作品がメインでVJなんかもやったりする人です。黙々と演奏する様子をカッコいい感じに切り替えるだけのビデオにはしない、という意向が僕達の中にあって、それに合う表現手法をヨシイさんにいろいろ挙げてもらいました。ラフをいただくまで実写とばかり思っていたので、線描になっていたのは僕達自身もかなり驚きました(笑)。でも、そのお陰もあって本当にこちらの希望やイメージを遥かに超える仕上がりになって、メンバーも皆すごく喜んでいます。

-「静かな庭」はアルバムの中でもストレートな部類に入る曲だと思うのですが、「帆影」のような複雑な構成の曲と比べて、完成するのは早かったですか?

“こういう曲を作ろう”とイメージを持ってから仕上がるまでは早かったですね。大抵はその出発点のイメージがなかなか出てこなくて、ウンウンと苦労するわけですが。地元の同世代でCLIMB THE MINDというバンドがいて、彼らのように大きなコード進行とくっきり太い歌メロがある、弾き語りでも成立しそうな曲を自分達なりにやりたいなと思って作りました。“自分達なり”のところをどうしようか考えたときに、すぐさまSEPULTURAのようなあの冒頭のリフが出てきたので、メンバーの間では未だにこの曲を“セパルマインド”と呼んでます。

-「誓い」は個人的にとても好きな曲です。重いブレイクダウンがある展開もとてもかっこよくて!

ありがとうございます。これはバンドで最初に録ったデモCD-Rにも入っていた古い曲のリメイクなんです。歌メロのツカミなどは良いのに、アレンジが最近の作風とかけ離れすぎてしまってもったいなく思っていたこともあって、またライヴで演奏できるようにマッチョに仕上げ直しました。結果、反動がつきすぎてゴリゴリ過ぎたかなとも思ってますけども。メタラーとしての本性が出ちゃいましたね。

-「ヴォルガにて」の曲構想はどのようにして生まれましたか?

もともと“演歌”と呼んでいた、超マイナー・キーの曲があって、あまりに変な空気でライヴのセット・リストにも組み込みづらかったのでしばらくお蔵入りにしていて。今回改めて、リズム・パターンと大まかな展開だけ残してそれ以外をごそっと載せかえて作りました。イメージとしては、グランジ全盛時代にひねくれたメロディを積極導入していた一派がいまして、SHINERとかFAILUREといったあたりのバンドなんですが、まさにその感じです。歌詞だけは変更前の設定を残して、演歌の世界を極端にしてみました。どうせ北国なら場所はロシアで、酒に溺れ過ぎてサイケの域までいってしまっているという。

-「バベルの灯り」で思いっきりハードコアな展開になってびっくりしました。激ロック的にはモッシュと2ステップがしたくなる曲で。Eのコードで30フレーズもザクザクとしたリフを弾ききりますよね。その後“やりきったわー”とでも言わんばかりにジャーンと終わるという潔さに思わず笑顔になりました。この曲は演奏しているとやっぱり疲れます?また、スクリーム・パートは誰が担当しているのですか?

ちょっとテンポを速めに始めてしまったりすると、例の高速刻みパートは死にそうになります。普段はメタル・バンドと共演する機会がほとんどないので、ライヴでは滅多にやったことがないんですが(笑)。叫びは僕が担当してます。ああいう叫びやデス声は隙あらば使っていきたいなと。「帆影」でも、メイン・ボーカルとユニゾンでうっすらガテラル声を入れてるんですよ。